塩山温泉の魅力|pH10前後の硫黄冷鉱泉と静かな古湯を訪ねて(山梨県甲州市)

湯め活びより塩山温泉のアイキャッチ画像

新宿から列車に揺られて約90分、降り立った駅の先には昔ながらの湯宿が静かに待っています。
pH10前後の個性豊かな冷鉱泉に浸かり、四季折々の果実や郷土の味を味わう贅沢なひととき。
歴史ある寺社や里山の自然も徒歩圏に揃う、気負わずに訪れることができる温泉地です。

この記事でわかること
  • 塩山温泉の泉質・pHと源泉の特徴
    約24℃の硫黄冷鉱泉やpH、香り、湯ざわりを紹介
  • 600年超の歴史と温泉街
    塩ノ山の麓に続く古湯の歴史と街の雰囲気を解説
  • 周辺観光と立ち寄りスポット
    恵林寺や甘草屋敷、塩ノ山など周辺の見どころを紹介
  • ほうとう・果物などのグルメ
    甲州名物や桃・ぶどうなど季節の味覚を紹介
  • 春夏秋冬のおすすめの楽しみ方
    桃源郷や紅葉、ころ柿など季節ごとの魅力を紹介

この記事は、執筆時点で確認できる公式情報や公開資料などをもとに、温泉地の魅力を独自の視点でまとめたものです。季節や営業状況、時間の経過などにより、掲載内容が現在と異なる場合があります。お出かけ前には、各施設や観光協会などの公式サイトで最新情報をご確認ください。

目次

塩山温泉ってどんなところ? | 4コマ漫画で体験してみる

ゆめにゃん

猫は入れないからフィクションにゃ…

塩山温泉の魅力を詰め込んだ4コマ漫画。ゆめにゃんが硫黄冷鉱泉や名物グルメ、歴史スポットを紹介。

温泉マニアあるある! – 塩山温泉編

ゆめにゃん

マニアの人はこうなっちゃう…かも!?

「24℃」を見た瞬間、目の色が変わる

普通の人なら「えっ、冷たい温泉なの?」で終わる源泉温度約24℃。しかしマニアは「待って、これ非加温で入れる浴槽あったら面白いやつでは?」と急に前のめりになります。まだ浴室すら見ていないのに、頭の中では源泉槽の存在を期待している。冷鉱泉という四文字だけでワクワクできるのです。

pH10前後を見て分析書へ吸い寄せられる

「pH10.0」の数字を見つけた瞬間、分析書の前で停止。泉質名、源泉温度、成分総計、炭酸イオン……と上から順番に読み始めます。同行者が先に浴室へ向かっても気にしない。「ちょっと待って、これ面白いぞ」と、入浴前からすでに塩山温泉を満喫しています。

無色透明なのに硫黄泉と知ってニヤつく

見た目は澄んだ無色透明のお湯。それなのに分析書には「単純硫黄冷鉱泉」の文字。「こういう見た目だけじゃ分からない湯がいいんだよ」と静かにテンションが上がります。派手な白濁だけが硫黄泉ではない。分析書を読んで初めて見えてくる個性にもロマンを感じます。

湯口の前だけ嗅覚が警察犬になる

浴室に入ると、まず湯船……ではなく湯口へ。「……いる。ほんのりいるぞ」と微かな硫黄系の香りを探し始めます。同行者が「何が?」と聞いても、「硫黄だよ、硫黄!」と嬉しそう。香りは湯使いや浴槽によっても変わるため、湯口周辺をさりげなく確認するのが恒例行事です。

なめらかな湯ざわりにドヤ顔する

お湯に触れて「おお、なめらか」と感じたあと、分析書のpH10前後という数字を思い出して満足そうなドヤ顔。「数字だけじゃ分からないから、実際の湯ざわりも大事なんだよ」と誰も聞いていないのに語り始めます。それでも数値と感覚を照らし合わせる時間こそ、マニアには楽しいのです。

「加温」の二文字だけでは帰れない

約24℃の冷鉱泉だけに、加温利用そのものは珍しくありません。しかしマニアが気になるのはその先。「加温方法は?」「源泉の使い方は?」「浴槽はいくつ?」と確認事項が増殖します。同じ源泉でも施設ごとの湯使いで表情が変わるため、「加温あり」の一行だけでは情報が足りないのです。

オーバーフローを見ると急に無口になる

浴槽の縁から静かに湯が流れていると、それまで喋っていたマニアが急に黙ります。視線の先には床を流れるお湯。「なるほど……こっちへ流れるのか」と観察開始。同行者には何が面白いのか分かりませんが、湯口から浴槽、そして排出まで眺めるのも温泉を知る楽しみなのです。

塩ノ山を見ても最終的に温泉の話へ戻る

『古今和歌集』にも詠まれた塩ノ山を前に、「昔の人もこの山を眺めたんだなぁ」としみじみ。ようやく温泉以外にも興味を示した……と思った次の瞬間、「その麓から600年以上続く温泉ってすごくない?」。結局、話は温泉へ帰還します。観光しているようで、軸足は一歩も浴室から動いていません。

恵林寺で突然「風林火山」が始まる

武田信玄公の菩提寺・恵林寺を訪れれば、さすがのマニアも歴史モード。「信玄公か……風林火山だな」と神妙な顔になります。ところが数分後には「この近くにも温泉あるよね?」。歴史散策から次の一湯へ話が飛ぶまでが異常に速い。疾きこと風の如く、次の温泉を検索します。

「もう一湯」が風林火山レベルになる

塩山温泉を楽しみ、恵林寺を巡り、甲州の味覚まで満喫。普通なら「いい旅だったね」で終わるところ、マニアは地図を開いて沈黙します。「……近くに、まだあるな」。行きたい湯を見つければ疾きこと風の如く移動し、気になる湯の前では林の如く分析書を読み、入浴への情熱は火の如く、湯船では山の如く動かない。いつしかまわりからは、“湯めぐり風林火山”とあだ名されてしまうのです。

管理人

管理人いじりですね…
そう呼ばれるのも悪くない!

塩山温泉の魅力まとめ

甲府盆地の東側、ぽつんと浮かぶような塩ノ山の麓に佇む塩山温泉。
開湯600年以上と伝わる古湯は、住宅地や果樹園が広がる穏やかな町の風景に溶け込むように息づいています。
JR塩山駅から徒歩圏という身近さの中に、素朴な湯治場の面影と甲州らしい歴史・味覚・自然が詰まった温泉地です。

塩ノ山の麓に息づく600年超の古湯

南北朝時代に始まったと伝わる塩山温泉。華やかな大型温泉街とは異なり、塩ノ山を背景に小さな湯宿や昔ながらの町並みが溶け込み、長い歴史を静かに感じられます。

  • 600年以上を重ねた開湯の歴史
    塩山温泉は、向嶽寺を開いた抜隊得勝禅師が南北朝時代に塩ノ山の麓で発見したと伝えられています。かつては向嶽寺が温泉場を管理し、明治時代になると民間へ移管。1903年の中央線開通後には多くの温泉客が訪れるようになり、現在へとその歴史が受け継がれてきました。
  • 暮らしに溶け込む静かな温泉地
    大規模なホテルや歓楽街が並ぶ温泉地とは異なり、塩山温泉は住宅地の中に湯宿が点在する落ち着いた佇まいが特徴です。派手な演出ではなく、昔ながらの建物や静かな町の空気そのものを味わえるのが魅力。のんびり歩きながら古湯の風情に触れたい旅によく似合います。
  • 古今和歌集にも登場する塩ノ山
    温泉地の背後に佇む塩ノ山は標高552.8m。「四方から見える山」が名前の由来とも伝わり、『古今和歌集』にも詠まれています。甲府盆地の中に独立して浮かぶような姿は印象的で、古くから人々の目を引いてきた塩山地域の象徴です。
  • 古湯の面影を残す湯宿の風情
    塩山温泉には、昔ながらの建築や素朴な雰囲気を残す湯宿があります。観光スポットを忙しく巡る旅だけでなく、宿で静かに過ごしたり、町をゆっくり散策したりする滞在もよく似合います。長く湯治場として親しまれてきた土地ならではの、飾らない空気感も魅力のひとつです。
約24℃・pH10前後の個性的な硫黄冷鉱泉

塩山温泉を語るうえで外せないのが、代表的な源泉「塩山温泉 第2井」。約24℃の単純硫黄冷鉱泉で、pH10前後のアルカリ性と、なめらかな湯ざわり、ほのかな硫黄系の香りが個性を添えています。

  • pH10前後を示すアルカリ性
    塩山温泉第2井は、2007年の分析でpH10.1・泉温23.8℃、2015年の分析ではpH10.0・泉温23.6℃を記録しています。無色透明のすっきりした見た目ながら、アルカリ性がはっきりと数値に現れているのが特徴。塩山温泉のお湯を象徴する、印象的なプロフィールです。
  • ほのかに感じる硫黄系の香り
    泉質は単純硫黄冷鉱泉に分類され、分析書には微硫化水素臭との記載も見られます。万座温泉のように強い香りが前面に出るタイプではなく、湯口などでふっと硫黄系の香りを感じることがある、繊細な個性。香りの感じ方は浴槽や湯使いによっても異なります。
  • 約24℃という冷鉱泉の面白さ
    源泉温度は23℃台で、温浴用としては低い冷鉱泉です。そのため加温した浴槽で利用される一方、施設によっては非加温の源泉を楽しめる浴槽が設けられてきた例もあります。同じ源泉でも施設ごとの湯使いによって印象が変わることも、塩山温泉を巡る楽しさのひとつです。
  • 軽やかな成分構成となめらかな湯ざわり
    第2井の成分総計は約167~169mg/kgと比較的少なく、無色透明で軽やかな印象の鉱泉です。一方で炭酸イオンや硫化水素イオンなどを含み、なめらかでつるりとした湯ざわりも特徴として挙げられます。湯ざわりや香りは施設・浴槽によって違いがあるため、その差を楽しむのも一興です。
ほうとうと旬の果物を味わう甲州の食旅

塩山周辺は、山梨らしい郷土料理と豊かな果樹文化を一度に楽しめる土地。熱々のほうとうから夏のおざら、桃やぶどう、初冬のころ柿まで、季節によって旅の食卓も表情を変えます。

  • 甲州旅の定番となる熱々のほうとう
    山梨を代表する郷土料理「ほうとう」は、平たい麺を野菜などとともに味噌仕立ての汁で煮込む料理です。かぼちゃをはじめ、店ごとに使われる具材や味わいもさまざま。塩山周辺にもほうとうを提供する店があり、温泉旅と一緒に楽しみたい甲州らしい一品です。
  • 夏に味わいたい郷土料理おざら
    暑い季節に出会えるのが「おざら」。一般的には、ほうとうよりやや細めの麺を冷やし、温かい醤油ベースのつゆにつけて味わいます。山梨に古くから伝わる麺文化のひとつで、温かいほうとうとはまた違った表情を楽しめる夏らしい郷土料理です。
  • 桃やぶどうが彩る果樹の季節
    甲州市では、さくらんぼや桃、ぶどうなど多彩な果物が栽培されています。春から秋を中心に果物狩りを受け入れる農園もあり、季節ごとに異なる味覚を楽しめるのが魅力。温泉と果樹園を組み合わせれば、甲州らしい風景と旬の味覚を一度に楽しむ旅ができます。
  • 初冬を彩る塩山名物のころ柿
    晩秋から初冬になると、塩山の松里地区などでは、民家の軒先や庭にたくさんの柿が吊るされる風景が見られます。「柿のカーテン」とも呼ばれる光景は、この地域ならではの季節の風物詩。完成したころ柿は、甲州市を代表する冬の特産品として親しまれています。
武田家ゆかりの名刹と塩ノ山を巡る歴史散歩

塩山温泉の周辺には、武田信玄公ゆかりの恵林寺をはじめ、向嶽寺や甘草屋敷、塩ノ山など歴史と自然の見どころが点在。温泉と組み合わせて、甲州の時間をたどる散策が楽しめます。

  • 信玄公の菩提寺として知られる恵林寺
    1330年に夢窓国師が開創した恵林寺は、武田信玄公の菩提寺として知られる名刹です。夢窓国師による池泉回遊式庭園は国の名勝に指定され、四季折々の景観も見どころ。塩山を訪れたなら、武田家の歴史と禅寺の静かな佇まいに触れておきたい場所です。
  • 駅前で出会える重要文化財甘草屋敷
    JR塩山駅北口の正面に建つ旧高野家住宅「甘草屋敷」は、甲州民家を代表する歴史的建築です。高野家が江戸幕府の命を受け、薬用植物の甘草を栽培したことが名前の由来。国の重要文化財に指定されており、塩山駅を降りてすぐ歴史散策を始められます。
  • 温泉街から歩ける塩ノ山遊歩道
    塩ノ山には向嶽寺側と塩山温泉郷側に登山口があり、遊歩道が整備されています。標高552.8mの小さな山ながら、山頂からは甲州市街を見渡す眺望が広がります。本格登山とは違う里山散策として、温泉街歩きと組み合わせやすいのも魅力です。
  • 開湯伝説につながる名刹向嶽寺
    臨済宗向嶽寺派の大本山である向嶽寺は、塩山温泉を発見したと伝わる抜隊得勝禅師が開いた寺院です。現在も修行道場のため庭園や諸堂は通常拝観できませんが、国の重要文化財に指定された中門など、長い歴史を伝える文化財が残されています。訪問時は拝観範囲を確認しておきましょう。
駅から始まる温泉・山・果樹園を巡る旅

JR塩山駅から温泉街までは徒歩圏。寺院や果樹園、大菩薩方面など旅先の選択肢も多く、鉄道・バス・レンタサイクルを組み合わせながら甲州市の魅力へ足を延ばせます。

  • 中央線特急で訪れやすい塩山駅
    JR塩山駅には中央線の特急列車が停車し、新宿方面から乗り換えなしでアクセスできる列車があります。温泉街は駅から徒歩10分ほどと近く、鉄道旅との相性も良好。列車によって停車駅や所要時間が異なるため、訪問時は最新の時刻表を確認しておくと安心です。
  • 大菩薩方面への山旅の拠点
    塩山駅からは大菩薩方面へ向かう交通手段もあり、甲州市を代表する山岳エリアへの玄関口として利用できます。山歩きを旅の主役にしたり、温泉や市街地散策と組み合わせたりと旅程の自由度が高いのも特徴。運行期間やバスダイヤは季節によって変わるため、事前確認がおすすめです。
  • 勝沼や果樹地帯へ足を延ばす
    甲州市には塩山だけでなく、ぶどう畑やワイナリーが広がる勝沼エリアもあります。塩山駅には電動アシスト付きレンタサイクル「ぐるりん」のステーションもあり、周辺散策の選択肢も豊富。ワインの試飲を楽しむ場合は自転車を利用せず、鉄道・バス・タクシーなどを利用しましょう。
  • 春を染める塩山の桃源郷
    春になると塩山周辺では桃の花が咲き、果樹地帯が鮮やかな桃色に彩られます。盆地の山々を背景に広がる花の風景は、この季節ならではの甲州らしい眺め。開花時期は天候によって変化するため、その年の開花情報を確認して訪れると季節の景色をより楽しめます。
ゆめにゃん

古湯の温もりに浸り、澄んだ果実を味わい、悠久の歴史に思いを馳せる。
次の休日は、塩ノ山の麓で静かな時の流れと甲州の豊かさに触れる旅へ出かけてみませんか?

塩山温泉 – アクセスと基本情報

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この記事を書いた人

温泉巡り歴15年。
トロトロのお湯と硫黄の香りが大好物。
なのに他の泉質にもすぐハマってしまう。
休日は山奥の秘湯へ直行。
そして、猫が好き。

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