石和温泉の魅力|源泉を楽しみ、果物とワインの街をめぐる旅(山梨県笛吹市)

湯め活びより石和温泉のアイキャッチ画像

新宿から特急列車に揺られて約1時間半、甲府盆地の東側に広がる石和温泉。
かつてぶどう畑から突如として湯が湧き出した物語を持つ、山梨を代表する温泉郷です。
穏やかに注がれるやわらかな湯と、季節ごとに実る果実やワインの香り。
湯の街を歩けば、山あいの風土が育んだ豊かな時間がゆっくりと流れています。

この記事でわかること
  • 石和温泉の泉質とお湯の特徴
    県営源泉の泉質や源泉温度、宿ごとに異なる湯使いを紹介します。
  • 日帰り入浴と湯めぐりの楽しみ方
    立ち寄り湯や自家源泉など、お風呂選びで注目したいポイントを紹介します。
  • ほうとうや果物など山梨グルメ
    ほうとうや桃・ぶどう、ワインなど旅先で楽しみたい味覚を紹介します。
  • 周辺観光とおすすめスポット
    ワイナリーや果物狩りなど、温泉と一緒に楽しめる周辺観光を紹介します。
  • 春夏秋冬の見どころと楽しみ方
    桃源郷や花火、新酒、イルミネーションなど季節ごとの魅力を紹介します。

この記事は、執筆時点で確認できる公式情報や公開資料などをもとに、温泉地の魅力を独自の視点でまとめたものです。季節や営業状況、時間の経過などにより、掲載内容が現在と異なる場合があります。お出かけ前には、各施設や観光協会などの公式サイトで最新情報をご確認ください。

目次

石和温泉ってどんなところ? | 4コマ漫画で体験してみる

ゆめにゃん

猫は入れないからフィクションにゃ…

石和温泉の魅力を詰め込んだ4コマ漫画。ゆめにゃんが泉質、名物グルメ、周辺観光を楽しく解説します。

温泉マニアあるある! – 石和温泉編

ゆめにゃん

マニアの人はこうなっちゃう…かも!?

「石和温泉」と聞くとまず源泉を確認する

普通の人なら「石和温泉に来た!」で話は終わりますが、マニアはそこからが長い。「県営源泉かな? 自家源泉かな?」と分析書を探し始めます。同じ温泉街でも源泉や湯使いに違いがあると知った瞬間、宿選びが温泉調査に変わります。

分析書を見つけると急に静かになる

浴場へ向かう途中で温泉分析書を発見すると、さっきまでしゃべっていたマニアが突然停止。泉質、pH、源泉温度……と上から順番に読み始めます。同行者が先に浴場へ消えても気にしません。石和では分析書も立派な観光スポットです。

無色透明の湯ほど観察時間が長い

一見すると穏やかな無色透明のお湯。でもマニアは湯口を眺め、香りを確かめ、浴槽の縁までじっくり観察。「派手じゃないからこそ面白いんだよ」と急に語り始めます。透明な湯を前に、見えない個性を探し始めるのが温泉好きです。

微かな香りを発見するとドヤ顔になる

湯口の近くでふっと感じた香りに「……ん?」。もう一度確認してから、「ほら、少し香るでしょ?」と同行者に聞きます。「分からない」と返されても問題なし。なぜか本人だけ満足そうなドヤ顔。微かな違いを見つけること自体が楽しいのです。

オーバーフローを見ると急に機嫌がよくなる

浴槽の縁からお湯が静かにあふれていると、マニアの視線は足元へ。「おお……流れてる流れてる」と妙に嬉しそうです。湯口から投入される量とあふれ方を眺め、勝手に頭の中で実況開始。石和に来ても見る場所が相変わらず細かい。

「アルカリ性単純温泉」で終わらせてくれない

「ここの泉質はアルカリ性単純温泉だって」で済むはずなのに、「でも源泉はどれだろう」「pHは?」「源泉温度は?」と話が続きます。そして自家源泉という言葉を発見するとさらに延長戦へ。同行者はまだ一言も質問していません。

宿を変えると湯ざわり比較会が始まる

別の宿のお風呂へ立ち寄れば、「さっきとは雰囲気が違うな」と比較がスタート。源泉、温度、浴槽、湯使いなどに目を向けながら、それぞれの違いを楽しみます。石和温泉は一軒入って終わりではなく、巡るほど興味が増えてしまうのです。

桃とぶどうを見ても最終的に温泉の話へ戻る

桃、ぶどう、ほうとう、ワイン。石和には魅力的なものがたくさんあります。「山梨っていいよね」と旅らしい会話をしていたはずなのに、数分後には「ところで次の源泉なんだけど……」。どうやっても会話の終着駅が温泉になります。

ワイナリーという言葉に妙な親近感を覚える

ワインには品種があり、産地があり、造り手ごとの個性がある。それを聞いたマニアは「温泉も源泉と湯使いで違うから似てるな」と勝手に納得。ワインの説明を聞いているうちに、なぜか自分も温泉について語りたくなってきます。

「饒舌ソムリエ」と呼ばれます

湯口を見れば源泉を語り、分析書を見ればpHを語り、ワイナリーへ行けば「温泉もワインも個性を楽しむものだよ」と語り始めます。誰も頼んでいないのに解説は止まりません。温泉ソムリエ風情なのか、ワインソムリエ風情なのか、ただのおしゃべりなのか。まわりからは“饒舌ソムリエ”とあだ名されてしまうのです。

管理人

管理人いじりですね…
そう呼ばれるのも悪くない!

石和温泉の魅力まとめ

青空の下に広がる果樹園と、湯けむりが静かに立ちのぼる温泉街。
豊富な湯量を誇る石和の温泉は、宿ごとに異なる風情と湯使いで訪れる人を迎えます。
湯上がりに味わう名物のほうとうや、グラスに注がれる地元仕込みのワイン。
思い立ったら気軽に足を運べる、温泉と山梨の味覚がぎゅっと詰まった街です。

ぶどう畑から始まった石和温泉の物語

石和温泉の歴史が大きく動いたのは1961年。果樹地帯から大量の温泉が湧き出し、「青空温泉」として注目を集めました。その後、源泉や配湯設備が整備され、現在では山梨を代表する温泉郷へと発展しています。

  • ぶどう畑の近くに現れた青空温泉
    1961年、ぶどう畑のほど近くで行われた源泉掘削をきっかけに、高温の温泉が大量に湧き出しました。あふれた湯は周辺の川や畑へ流れ込み、自然にできた温泉浴場として多くの人が訪れるようになります。その光景は「青空温泉」として広く紹介され、石和温泉が全国に知られる大きなきっかけとなりました。
  • 県営温泉が支える温泉街
    湧き出した温泉資源を管理しながら活用するため、山梨県は源泉の整備を進め、1963年から県営温泉の給湯を開始しました。現在も複数の県営源泉と約12kmに及ぶ送湯・配湯管などの設備が、石和温泉を支える重要なインフラとして利用されています。
  • 昭和から育まれた温泉文化
    温泉地として本格的に発展したのは昭和30年代以降と、全国の歴史ある温泉地と比べれば比較的新しい石和温泉。それでも半世紀以上の歩みのなかで、和風旅館から大型ホテル、自家源泉を備える宿まで多彩な施設が集まり、それぞれのスタイルで温泉を楽しめる街へと成長しました。
  • 首都圏から訪れやすい立地
    JR石和温泉駅へは、新宿駅から中央本線の特急を利用して約1時間半。乗り換えなしでアクセスできる列車もあり、鉄道を利用した温泉旅行にも便利です。駅周辺から温泉宿や観光スポットへ移動しやすく、山梨観光の拠点として旅を組み立てられるのも石和温泉の魅力です。
複数源泉と宿ごとの湯を楽しむ温泉郷

石和温泉では、県が管理する複数の源泉に加え、独自の自家源泉を利用する宿もあります。源泉温度や湯使い、浴槽の造りなどは施設によってさまざま。宿を変えながら、それぞれのお風呂の個性を楽しめる温泉郷です。

  • 県営温泉はアルカリ性単純温泉
    県営石和温泉の泉質は、アルカリ性単純温泉(低張性・アルカリ性・高温泉)。管理事務所の受湯槽では、無色澄明・無味で、微弱な硫黄臭が記録されています。石和温泉には自家源泉を利用する施設もあるため、泉質やpHなどの特徴は利用する源泉によって異なります。
  • 温度の異なる複数の県営源泉
    県営石和温泉では現在5本の源泉が利用され、源泉温度は約26℃から70℃を超えるものまで幅があります。それぞれ深度や湧出量も異なり、県の温泉管理事務所で管理されています。送湯・配湯管は約12kmに及び、温泉街の旅館やホテルへの給湯を支えています。
  • 自家源泉を楽しめる宿も点在
    温泉街には県営温泉の給湯を利用する施設だけでなく、独自の自家源泉を持つ宿もあります。源泉の温度や成分だけでなく、掛け流しや循環利用、温度調整の方法など湯使いにも施設ごとの違いがあり、事前に調べながら宿を選ぶのも楽しみ方のひとつです。
  • 個性豊かな浴槽を巡る楽しみ
    庭園を眺める露天風呂や石造りの浴槽、木の風合いを生かしたお風呂、貸切風呂など、浴場の趣向も施設によってさまざまです。日帰り入浴を受け付ける宿もあるため、宿泊だけでなく立ち寄り湯を組み合わせる楽しみ方も可能。受付時間や利用条件は訪問前に確認しておくと安心です。
山梨の風土を味わう郷土グルメ

温泉とともに楽しみたいのが、山梨ならではの食文化です。味噌仕立てのほうとうをはじめ、笛吹市生まれのラーほー、甲府鳥もつ煮、煮貝など、土地の歴史や暮らしから生まれた個性的な味が旅を彩ります。

  • 山梨を代表する郷土料理ほうとう
    幅広の麺をカボチャや根菜、キノコなどと一緒に味噌仕立ての汁で煮込む「ほうとう」は、山梨を代表する郷土料理。生麺をそのまま煮込むことで汁に独特のとろみが生まれます。具材や味噌の配合などは店によって異なり、食べ比べを楽しむのも山梨旅行ならではです。
  • 笛吹生まれの新名物ラーほー
    「ラーほー」は、ほうとうの麺をラーメン感覚で楽しめるよう笛吹市で誕生したご当地グルメです。幅広の麺とラーメンスープを組み合わせ、醤油や塩、味噌など味付けも店舗によってさまざま。昔ながらのほうとうとはひと味違った、笛吹ならではの麺料理に出会えます。
  • 甘辛いタレで仕上げる鳥もつ煮
    甲府鳥もつ煮は、鶏のレバーやハツ、砂肝などを甘辛い醤油ダレで照り煮にした山梨のご当地料理です。汁気を飛ばしながら仕上げることで生まれる艶やかな見た目と、濃いめの味付けが特徴。石和周辺でも提供する飲食店があり、ほうとうとは違った山梨の味を楽しめます。
  • 海なし県に伝わる煮貝の文化
    海に面していない山梨県で受け継がれてきた名産品のひとつが「あわびの煮貝」です。その由来には諸説ありますが、江戸時代にあわびをしょうゆ漬けにして伊豆から甲州へ運んだという説も伝えられています。現在では贈答品やお土産としても親しまれ、山梨ならではの食文化に触れられます。
桃・ぶどうとワインを楽しむフルーツの里

石和温泉がある笛吹市は、桃やぶどうの産地として知られる地域です。温泉街の周辺には観光農園やワイナリーが点在し、季節の果物から山梨ワインまで楽しみ方はさまざま。温泉と組み合わせて山梨らしい旅を満喫できます。

  • 初夏から楽しめる旬の桃
    笛吹市では広い範囲で桃が栽培され、初夏から夏にかけてさまざまな品種が旬を迎えます。周辺には桃狩りを楽しめる観光農園や農産物直売所もあり、収穫時期ならではの風景や味覚に出会えます。品種や農園によって開催時期が異なるため、旅行前に旬の情報を確認するのがおすすめです。
  • 夏から秋を彩る多彩なぶどう
    桃に続いて旬を迎えるのが、石和温泉の歴史とも深く関わるぶどうです。笛吹市周辺では巨峰やピオーネ、シャインマスカットをはじめ、多彩な品種が栽培されています。夏から秋にはぶどう狩りを開催する観光農園も多く、温泉旅行と季節の味覚を一緒に楽しめます。
  • 駅から歩いて楽しめるワイナリー
    石和温泉駅周辺には徒歩で訪れやすいワイナリーがあり、電車旅でも山梨のワイン文化に触れられます。駅から徒歩10分ほどで訪ねられるワイナリーもあり、施設によって見学や試飲などの楽しみ方もさまざまです。営業状況や見学内容は訪問前に確認しておきましょう。
  • 駅前で出会える山梨ワイン
    石和温泉駅の観光案内所には有料のワインサーバーが設置され、笛吹市内のワイナリーが手掛ける銘柄を試飲できます。到着後の街歩きのスタート地点としてはもちろん、帰りの電車を待ちながらワインを選ぶ楽しみも。試飲する場合は、車を運転しない旅程で楽しみましょう。
四季の風景と山梨観光を楽しむ旅の拠点

春の桃の花、夏の鵜飼や花火、山々から望む雄大な景色など、石和温泉の周辺には季節ごとの楽しみがあります。温泉街を拠点に笛吹市内や甲府盆地へ足を延ばせば、温泉とはひと味違った山梨の魅力にも出会えます。

  • 春の笛吹を彩る桃源郷
    春になると笛吹市一帯の桃畑が鮮やかなピンク色の花に包まれ、「桃源郷」と呼ばれる華やかな風景が広がります。開花のタイミングはその年の気候や場所によって異なるため、旅行前に開花情報を確認するのがおすすめ。温泉と春の風景を一緒に楽しめる、笛吹ならではの季節です。
  • 笛吹川に伝わる夏の徒歩鵜
    笛吹川では夏になると、鵜匠が川の中を歩きながら鵜を操る「徒歩鵜(かちう)」が披露されます。船上から行う一般的な鵜飼とは異なる、笛吹川ならではの伝統的な漁法です。石和温泉周辺では花火などの夏季イベントも行われ、季節感のある夜の散策を楽しめます。
  • 富士山を望むツインテラス
    笛吹市の新道峠に整備された「FUJIYAMAツインテラス」は、富士山や河口湖方面を望む展望スポットです。温泉街から足を延ばして、山梨らしい雄大な景観を楽しめるのが魅力。専用バスの運行期間や交通規制などがあるため、訪問前に最新のアクセス情報を確認しておきましょう。
  • 八田家書院で歴史に触れる
    石和温泉周辺で歴史散策を楽しむなら、山梨県指定文化財の八田家書院も立ち寄り候補のひとつ。八田家は武田氏に仕えた家柄で、書院には江戸時代初期の面影を伝える建築が残されています。庭園とともに、温泉や果物、ワインとはまた違った石和の歴史に触れられるスポットです。
ゆめにゃん

湯に浸かり、ワインに酔い、果実を頬張る。
次の休みは、石和温泉で「山梨の豊かさ」を丸ごと味わう旅に出かけませんか?

石和温泉 – アクセスと基本情報

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この記事を書いた人

温泉巡り歴15年。
トロトロのお湯と硫黄の香りが大好物。
なのに他の泉質にもすぐハマってしまう。
休日は山奥の秘湯へ直行。
そして、猫が好き。

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