赤谷湖のほとりに広がる猿ヶ京温泉は、湖畔の景観と豊富な湧出量を誇る温泉地です。
街道の歴史が息づく街並みには様々な源泉を引く施設が点在し、施設ごとに異なるお湯や景色が出迎えてくれます。
水辺の景色を眺めながらお湯を巡る旅には、この土地ならではの多彩な発見があります。
- 猿ヶ京温泉の源泉と泉質の特徴
カルシウム・ナトリウム硫酸塩泉の特徴と、複数の源泉がある背景を解説します。 - 同じ温泉地で源泉が異なる湯の違い
近い距離に別源泉がある猿ヶ京で、泉質や湯の特性の違いを確認します。 - 大浴場と小規模浴室の湯使いを比較
加水なしの源泉かけ流しから循環利用まで、施設ごとの湯の扱い方を紹介します。 - 赤谷湖の景観を眺める日帰り温泉
ダム湖を目前にした露天風呂や、湖畔の散策など赤谷湖ならではの楽しみ方を体験します。 - グルメを含めた温泉地の過ごし方
上州麦豚など地元グルメを挟みながら、温泉地での時間の過ごし方を提案します。
猿ヶ京温泉ってどんなところ? | 4コマ漫画で体験してみる
ゆめにゃん猫は入れないからフィクションにゃ…


猿ヶ京温泉 体験記
晴れ渡った7月上旬の日曜日、車を走らせて群馬県の猿ヶ京温泉へ向かいました。
午前は赤谷湖を望む日帰り温泉で共有泉湯島に浸かり、昼には上州麦豚のとんかつを味わいます。
午後はすぐ近くの宿へ移動し、別源泉を加水・加温なしで使う小さな浴室へ。
源泉と湯使いの違いを追いながら、最後は赤谷湖畔を歩いた一日を振り返ります。
午前11時頃、赤谷湖畔の日帰り温泉へ到着。温泉分析書で共有泉湯島とpH7.86の表記を確認してから、内湯と露天風呂を巡りました。透明な湯、湯口の流れ、湖を望む眺望を順番に追います。
- まずは温泉分析書を確認
駐車場に車を停めて館内へ入ると、最初に足が向いたのは温泉分析書でした。源泉名は共有泉湯島。pH7.86、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉との記載を確認します。数字と成分表を一通り眺めてから脱衣所へ向かい、これから入る湯の輪郭を頭に入れました。 - 広い内湯へ足を進める
掛け湯を済ませて内湯へ入ると、広い浴槽の向こうに大きな窓が伸びています。湯色は無色透明。湯口から注がれたお湯が水面を押し、細かな波紋が次々と広がっていました。肩まで浸かって手のひらを湯の中で動かすと、角の少ない滑らかな湯ざわりが指の間を抜けていきました。 - 淡い香りと湖面を追う
浴槽の中で鼻を近づけると、私には芒硝を思わせる淡い香りが届きました。強く主張する匂いではなく、湯口付近で意識すると拾える程度です。視線を窓の外へ移すと、赤谷湖の青い水面と緑の山並み。お湯の流れと湖面を交互に眺めながら、広い浴槽をゆっくり移動しました。 - 露天では空と湖を眺める
そのまま露天風呂へ出ると、頭上には青空が広がっています。浴槽へ入り、縁の外へ流れていくお湯の音に耳を向けながら赤谷湖を眺めました。屋内とは光の入り方も水面の見え方も変わります。湯上がりには水分補給を行い、ベンチで体温が落ち着くのを待ってから食事処へ向かいました。
正午頃、館内の食事処で上州麦豚のとんかつ定食を注文しました。揚げたての衣、厚みのある豚肉、炊きたてのご飯を順番に味わい、午前と午後の湯巡りの間にしっかり昼食を挟みます。
- 揚がる音を聞きながら待つ
席に着いて注文を済ませると、厨房の方向から油の弾ける音が聞こえてきました。少し遅れて香ばしい匂いも漂ってきます。温泉を出た直後だけに食欲は十分。水を飲みながら待っていると、黄金色の衣をまとった厚切りのとんかつが、ご飯や味噌汁と一緒に運ばれてきました。 - 最初の一切れはそのまま
まずは何も付けずに一切れ。歯を入れると衣がサクッと割れ、その直後に豚肉の脂と肉汁が舌へ広がります。厚みがあるので噛む回数も自然と増え、衣と肉の食感が交互に続きました。最初の一口を飲み込んだところで、すぐにご飯へ箸が伸びます。 - 塩とソースで味を変える
次は添えられた塩を少量付け、その後はソースとからしへ。調味料を替えるたびに豚肉の印象も少しずつ変わります。途中で千切りキャベツと味噌汁を挟み、再びとんかつへ。肉、ご飯、キャベツを順番に口へ運んでいるうちに、皿の上がみるみる空いていきました。 - 食後は次の湯へ移動
最後の一切れまで食べ、ご飯と味噌汁もきれいに完食しました。食後のお茶を飲んでから建物の外へ出て、もう一度水分補給。車に乗り込み、次に向かうのは立ち寄り入浴を受け入れている近くの宿です。同じ猿ヶ京温泉でも源泉が異なるため、午前の湯との違いを頭に置きながら短い距離を走りました。
13時30分頃、二湯目となるはしばさんへ到着しました。ここで使われるのは猿ヶ京源泉1号・2号井戸の混合泉。掲示では加水・加温・循環ろ過なし。小さな浴槽に注がれる透明な湯を間近で観察しました。
- 静かな宿の浴室へ入る
玄関で立ち寄り入浴の受付を済ませ、廊下を進みます。脱衣所から浴室をのぞくと、先ほどの大浴場とは対照的な小ぢんまりとした空間でした。浴槽は一段下がった位置にあり、湯口との距離も近めです。広さが変わるだけで、湯口の音やお湯の動きまで近くに見ることができました。 - 湯使いの掲示を読む
入浴前に温泉利用状況を確認しました。掲示には加水なし、加温なし、循環ろ過装置不使用、入浴剤なしとあります。消毒についても、浴槽水を毎日交換して清掃しているため塩素系薬剤を使用していない旨の記載。源泉温度53.7℃のお湯をどう浴槽へ届けているのか、湯口を見る目も自然と細かくなりました。 - 熱めの湯とオーバーフロー
体を洗ってから浴槽へ入ると、先ほどの湯より温度は高め。湯口から透明なお湯が途切れず注がれ、反対側の縁からはオーバーフローが続いていました。水面には次々と波紋が生まれます。鼻を湯面へ近づけると、こちらでも私には芒硝を思わせる淡い香りが拾えました。 - 湯の花を目で追いかける
洗面器でお湯をすくい、光にかざしてみると、小さな湯の花がわずかに舞っています。触ったり取り出したりせず、そのまま湯の中へ戻しました。湯口、オーバーフロー、湯の花を順番に眺めながら、午前とは異なる浴槽環境を確認。最後にもう一度水面を見渡してから浴室を出ました。
二つの温泉を巡ったあと、14時30分頃に赤谷湖展望台付近へ移動しました。青い湖面と山々を眺めながら遊歩道を歩き、木陰で水分補給。温泉街とは異なる、水辺の音と風景を追います。
- 7月の日差しの中を歩く
駐車場に車を停めて外へ出ると、真上から夏の日差しが降り注いでいました。湖畔へ向かって歩くにつれ、視界の中で赤谷湖の占める面積が広がっていきます。展望できる場所まで進み、まずは立ったまま湖全体を見渡しました。水面の向こうには緑の山々が連なっています。 - 水面の反射を眺める
日光を受けた湖面には細かな光が散り、風が通るたびに反射の形が変わります。先ほどまで浴室で聞いていた湯口の水音とは異なり、ここでは木々の葉が擦れる音が中心です。温泉の余韻をそのまま引きずるのではなく、視線を湖と山へ切り替えてしばらく立ち止まりました。 - 木陰で水分補給
遊歩道を少し歩いたところで日陰のベンチを見つけ、腰を下ろしました。ペットボトルの水を取り出して水分補給。湖から吹く風に木々の枝が揺れ、その奥では赤谷湖の水面が途切れず続いています。気温の高い時期なので無理に歩き続けず、休憩を挟みながら散策しました。 - 音と景色を写真に残す
再び歩き出すと、木々の間から鳥の声が聞こえてきます。湖、山、遊歩道が一枚に収まる場所では足を止め、カメラを構えて数枚撮影しました。温泉だけを目的にしていたら通り過ぎてしまいそうな景色です。15時30分頃に車へ戻り、水上方面へ向けて国道を走り始めました。
今回巡った二湯は距離が近い一方、使われる源泉も湯使いも異なっていました。分析書だけでなく、湯口、浴槽の広さ、香り、オーバーフローまで実際に見比べることで、猿ヶ京温泉の層の厚さが浮かび上がりました。
- 近いのに源泉が異なる
午前に入ったのは共有泉湯島、午後は猿ヶ京源泉1号・2号井戸の混合泉です。どちらも透明な硫酸塩系のお湯ですが、分析書を並べれば泉質名や成分構成は同じではありません。車なら短時間で移動できる距離に別の源泉があり、二湯を続けて巡れたことが今回の行程を印象深いものにしました。 - 浴槽の規模まで対照的
一湯目は大きな窓と露天風呂を備えた日帰り施設。二湯目は湯口と浴槽を間近で観察できる小規模な浴室でした。前者では湖を眺めながら浴槽内を移動し、後者では縁から流れるオーバーフローを目で追います。同じ温泉地でも、浴場の規模が変わると目に入る情報まで変化しました。 - 湯使いの違いも確認する
一湯目では施設管理に合わせた循環ろ過などの利用状況が掲示され、二湯目では加水・加温・循環ろ過なしという案内を確認しました。どちらかを優劣で並べるのではなく、大型の日帰り施設と小規模な宿では湯の扱い方にも違いがあります。その背景まで掲示で確認できたのが興味深いところでした。 - 湖と食事まで含めた一日
温泉分析書から始まり、二つの湯、上州麦豚の昼食、赤谷湖畔の散策まで、一日の中で視線が次々と切り替わりました。15時30分頃に猿ヶ京を離れ、水上方面へ向かいます。車窓から遠ざかる山並みを眺めながら、次に来るなら季節を変えて湖と二つのお湯をもう一度見比べてみたい、と旅程表に加えました。



湯に揺られ、群馬の味覚を喰み、湖畔の風を抱く。
次の休みは、猿ヶ京温泉で「赤谷湖の静けさ」と「生源泉」を味わう旅に出かけませんか?
猿ヶ京温泉 – アクセスと基本情報
| 温泉地名 | 猿ヶ京温泉 |
|---|---|
| 所在地 | 群馬県利根郡みなかみ町 |
| 入浴施設 | 複数あり |
| 主な泉質 | カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉(弱アルカリ性・低張性・高温泉) ※源泉によってはナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉なども利用されています。 pH:7.8前後 ※源泉によって異なります |
| お湯の特徴 | 無色透明の硫酸塩系のお湯を中心に、複数の源泉が利用されています。 源泉によってカルシウムやナトリウム、硫酸イオンなどの構成が異なり、泉質名にも違いがあります。 施設ごとの湯口や湯使いを見比べながら巡るのも猿ヶ京ならではの面白さです。 |
| 香り | 強く主張する香りではなく、全体として穏やかな印象のお湯です。 今回巡った二湯では、湯口や湯面に近づくとかすかに芒硝を思わせる香りを確認できました。 香りの印象は源泉や浴槽、湯使いなどによっても異なります。 |
| 雰囲気 | 赤谷湖と緑豊かな山々に囲まれ、湖畔に温泉宿や日帰り施設が点在しています。 大規模な温泉街というより、湖や里山の景観を眺めながら各施設を巡るスタイルが似合う場所。 旧三国街道の宿場として栄えた歴史も、土地に奥行きを添えています。 |
| 楽しみ方 | 複数の源泉が利用されているため、二湯以上を巡って泉質や湯使いの違いを比べるのがおすすめです。 湯上がりには上州麦豚など群馬の食材を使った料理を味わい、赤谷湖畔の散策へ。 カヤックやSUP、バンジーなどのアクティビティもあり、「温泉+グルメ+湖畔の自然」を組み合わせて一日楽しめます。 |
| ※源泉や施設によって記載と異なる場合があります。コンディションによって印象は変わる場合があります。 ※掲載している情報は訪問時のものです。最新の情報は公式サイト等で確認をお願いいたします。 | |
- 赤谷湖と楽しむ猿ヶ京温泉
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猿ヶ京温泉を象徴する景観のひとつが、山々に囲まれた赤谷湖です。湖畔には温泉施設や散策スポットが点在し、水面と山並みがつくる風景も見どころ。温泉だけに留まらない猿ヶ京らしさを形づくっています。
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温泉マニアあるある! – 猿ヶ京温泉編



マニアの人はこうなっちゃう…かも!?
- まず赤谷湖を見て「温泉どこだ?」となる
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猿ヶ京に着くと、最初に視界を奪うのは青い赤谷湖と山々。「温泉地に来たはずなのに、湖の存在感すごいな!」としばらく景色を眺めます。そして数分後、「いかん、今日は湯めぐりだった」と本来の目的を思い出します。
- 無色透明だからこそ湯口を凝視する
-
湯色は透明で、一見するとおとなしい印象。それでもマニアは湯口の前で急に観察モードへ。「投入量は……こっちから流れて……」と水面の波紋まで追跡します。隣の人には景色が見えていても、本人の視界には湯口しか入っていません。
- 「同じ猿ヶ京だから同じ湯」とは考えない
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一湯目から出たところで普通なら満足。しかしマニアは「待てよ、次の施設は別源泉では?」と検索開始。猿ヶ京では複数の源泉が利用されているため、近くの施設にも入りたくなります。温泉街のハシゴに距離は必要ありません。
- 泉質名の微妙な違いで急に元気になる
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「カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉」と「ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉」。普通なら「似てるね」で終了ですが、マニアは「順番も違う!塩化物も付いた!」とドヤ顔。温泉分析書だけで数分間しゃべれます。
- オーバーフローを見ると予定が止まる
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浴槽の縁から透明なお湯がサラサラと流れているのを発見。「おお……こっちへ流れるのか」としゃがんで観察開始です。同行者から「そろそろ出るよ」と言われても、「あと、この角だけ確認させて」と謎の延長戦。見る場所が細かすぎます。
- 香りが淡いほど鼻のセンサーが起動する
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強烈な硫黄臭が漂うタイプではないからこそ、湯口付近で静かにクンクン。「ん? 芒硝っぽい香りが……いや、もう一回」と確認します。周囲から見ればお湯の匂いを嗅いでいる人ですが、本人にとっては立派な現地調査です。
- 湯ざわりの違いを手のひらで比較し始める
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二湯目へ入ると、手のひらをお湯の中でゆっくり動かし、「さっきとは少し違うような……」と比較開始。透明なお湯だから全部同じ、では終われません。源泉、温度、湯使いまで考え始めると、脳内では勝手に比較表が完成しています。
- 湯上がりなのに上州麦豚で完全復活する
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温泉を出たら休憩……と思いきや、上州麦豚のとんかつを発見。「これは群馬の調査だから」と謎の理由を付けて注文します。サクッとした衣に箸が進み、食後には「さて、次の源泉へ」と再出発。温泉とグルメは別腹らしいです。
- 最後は赤谷湖を眺めて急に旅人へ戻る
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源泉、湯口、オーバーフローと細かいところばかり見ていたのに、赤谷湖畔へ出ると突然「いやぁ、この景色も猿ヶ京だよなぁ」と遠い目。分析書を追いかけていた人物とは思えないほど静かに湖を眺め、ようやく普通の旅行者に戻ります。
- 近距離の別源泉を知った瞬間、ハシゴが止まらない
-
「すぐ近くなのに源泉が違う」と知れば、もう一湯だけでは終われません。「次はどの源泉? 湯使いは? 湯口は?」と巡るうちに、赤谷湖より源泉配置が気になり始めます。温泉街をウロウロする姿から、まわりからは“湯めぐり猿様”と呼ばれてしまうのです。



管理人いじりですね…
そう呼ばれるのも悪くない!









