清津川の流れる里山に佇む原町温泉は、豊富な湯量と個性的な香りを備えた塩化物泉です。
湯口から注がれる淡い湯色のお湯には湯の花が舞い、浴室に入ると独特の鉱物的な芳香が鼻腔をくすぐります。
雄大な渓谷や点在するアートとともに、新潟の大地の恵みをそのまま肌で確かめられる場所です。
- 原町温泉・ゆくら妻有の特徴
清津川沿いにある日帰り温泉を、現地体験から紹介します。 - 原町温泉の泉質・源泉データ
泉質やpH、源泉温度、湧出量を温泉分析書から読み解きます。 - ゆくら妻有のお湯と浴場の様子
内湯・露天風呂の湯色や湯ざわり、湯口の様子を紹介します。 - 原町温泉の香り・湯の花を体験
独特な香りや茶褐色の湯の花など、現地で確かめた個性を紹介します。 - ゆくら妻有の館内と周辺の雰囲気
駐車場から館内、大広間、清津川沿いの景色まで体験をたどります。
原町温泉ってどんなところ? | 4コマ漫画で体験してみる
ゆめにゃん猫は入れないからフィクションにゃ…


原町温泉 体験記
8月中旬の晴れた日、白馬を出発し、焼きとうもろこしと魚沼産コシヒカリのおにぎりを追って新潟へ入りました。
南魚沼で腹ごしらえを済ませると、今度は周辺の温泉を検索。そこで目に入ったのが原町温泉の「ゆくら妻有」です。
清津川沿いまで車を進め、温泉分析書を読み、湯口の音と独特の香り、露天に舞う細かな湯の花まで順番に追ってきました。
焼きとうもろこしを食べた直後に新潟の米が頭に浮かび、そのまま県境を越えました。30分ほど並んでおにぎりを手にし、食後には周辺の温泉を検索。原町温泉へ向かう流れがその場で決まりました。
- 白馬を朝に出発
前日に泊まった白馬の宿を朝7時ごろ出発し、まずは戸隠方面のとうもろこし店へ向かいました。山あいの道に朝の光が差し、車窓には濃い緑が続きます。炭火の煙が見えてくると、その日の最初の目的地に到着です。 - 焼きとうもろこしを頬張る
炭火で焼かれたとうもろこしにかぶりつくと、粒の甘みのあとから醤油の香ばしさが広がりました。一本食べ終えるころには、次は新潟の米を口にしたくなり、そのまま進路を北へ向けます。 - 30分並んだおにぎり
南魚沼のおにぎり店へ着くと、入口の前には列が延びていました。夏の日差しの下で約30分待ち、かぐら南蛮味噌のおにぎりと塩むすびを購入。つやのある米粒と、南蛮味噌の辛味と塩気を交互に噛みしめました。 - 食後に温泉を検索
おにぎりを食べ終えたところでスマートフォンを開き、現在地から立ち寄れる温泉を探しました。そこで目に入ったのが十日町市の「ゆくら妻有」さん。まだ入ったことのない原町温泉の名を確認し、清津川方面へ車を走らせました。
南魚沼から山あいを抜け、約30分で清津川沿いへ到着しました。駐車場には県外ナンバーも並び、館内には家族連れの声。入浴券を購入したあと、売店と脱衣所を抜け、まず温泉分析書の前で足を止めました。
- 14:20頃、ゆくら妻有さんに到着
田園地帯を離れて山あいへ入り、清津川に近づくにつれて道路脇の緑が濃くなりました。施設の横には公園が広がり、車を降りると川の音が耳に届きます。お盆休みの時期で、駐車場には多くの車が並んでいました。 - 木を使った館内を進む
入口を入ると木材を多く使った館内が広がり、窓から午後の光が差し込んでいました。券売機で入浴券を購入し、特産品や地酒が並ぶ売店を横目に通路を進みます。館内には家族連れや観光客の声が響いていました。 - 脱衣所で入浴準備
脱衣所には棚とロッカーが並び、利用客が多い時間帯でも身支度する場所は確保できました。衣類を収め、タオルを手に浴室入口へ向かうと、扉の手前までごく淡い湯の香りが届いてきます。 - まず分析書で数値確認
浴室へ入る前に、掲示された平成28年の温泉分析書を読みました。源泉名、泉質、pH、泉温、湧出量を順番に追い、主要イオンの欄まで確認します。数値を頭に入れてから浴槽へ向かうのが、私のいつもの順番です。
源泉名は「原町温泉」、泉質はナトリウム-塩化物温泉。pH7.2、泉温57.7℃、湧出量は毎分300Lの動力揚湯です。溶存物質7,505mg/kgに加え、臭化物やよう化物の数値まで追ってから浴室へ入りました。
- 源泉名と基本数値を確認
分析書の源泉名は「原町温泉」。泉質はナトリウム-塩化物温泉(低張性・中性・高温泉)で、pH7.2、源泉温度57.7℃と記されています。湧出量は毎分300L、湧出形態は動力揚湯でした。 - 塩化物主体の成分構成
溶存物質は7,505mg/kg。陽イオンではナトリウム2,414mg/kg、カルシウム469.9mg/kg、陰イオンでは塩化物4,343mg/kgが並びます。数字を追うと、塩化物主体の組成がはっきり見えてきました。 - 微量成分まで目で追う
臭化物30.5mg/kg、よう化物12.9mg/kg、アンモニウム6.7mg/kgも記録されていました。この並びから地下深部の塩水を連想しましたが、源泉の起源までは分析書だけで判断できません。数値を手掛かりに地層へ想像を広げます。 - 臭気欄を記憶して浴室へ
知覚試験では、源泉地で「無色透明、無味・微硫黄臭」、試験室では「無色透明、塩味・微鉄味を有しほとんど無臭」と記載されていました。現場ではどんな香りになるのか、その文言を覚えたまま浴室の扉を開けました。
浴室へ入ると、分析書の「ほとんど無臭」とは別の印象があり、私の鼻にはアブラ臭を思わせる独特の香りが届きました。湯口、波紋、オーバーフローを追い、露天では細かな茶褐色の湯の花が流れていく様子まで観察しました。
- 扉の先で香りが立つ
浴室の扉を開けると、湯けむりの中から油系を思わせる独特の香りが鼻に届きました。掛け湯をして体を洗い、淡い黄色を帯びた内湯へ足先から入ります。分析書で読んだ臭気欄との差が、最初の観察ポイントになりました。 - 湯口とオーバーフロー
湯口からは湯が連続して注ぎ、浴槽の縁から床へ流れ出していました。体感では42℃前後のやや熱めの湯加減で、湯ざわりには軽さだけではない厚みがあります。湯口へ近づくと、油系を思わせる香りがさらに明瞭になりました。 - 成分表を頭に浮かべる
浴槽に身を置きながら、さきほど見た臭化物やよう化物の数値を頭の中で並べ直しました。ただし、それらのイオンが香りの原因だとは断定できません。どの成分が関わるのか答えを決めず、鼻先に届く香りと分析書を往復します。 - 露天で湯の花を追跡
露天へ移ると、清津川沿いの緑と山並みが視界に入りました。湯面には細かな茶褐色の湯の花が多数漂い、湯口から広がる波紋に乗ってゆっくり移動します。その一つを目で追うと、浴槽の縁まで流れ、オーバーフローと一緒に外へ出ていきました。
着替えたあと、再び温泉分析書の前へ戻りました。浴室で拾った香りや湯色、湯の花の記憶と数値を照らし合わせ、自動販売機のお茶で水分補給。大広間で少し休んだあと、次の目的地がある群馬方面へ向かいました。
- 分析書をもう一度読む
脱衣所で着替えを済ませたあと、温泉分析書の前へ戻りました。入浴前には数字だけだった7,505mg/kgや各イオンの値が、浴室で見た湯色、湯の花、湯口の流れと結びつきます。最初とは別の順番で数値を読み返しました。 - 冷たいお茶で水分補給
館内で冷たいお茶を購入し、ベンチで水分補給しました。ひと口ずつ飲みながら、浴室で鼻に残った油系の香りや、露天を漂っていた茶褐色の湯の花を頭の中でたどります。 - 大広間で足を伸ばす
畳敷きの大広間へ移り、座布団を使って少し横になりました。窓の外には清津川沿いの緑が広がり、家族連れの話し声が聞こえます。しばらく足を伸ばし、時刻を確認してから荷物をまとめました。 - 午後の里山から上州へ
受付で会釈をして外へ出ると、午後の日差しの下で清津川沿いの木々が揺れていました。車に乗り込み、次の目的地がある群馬方面へ出発。越後妻有の里山を車窓に流しながら、この日の温泉巡りは上州へ続きます。



独特の香りに包まれ、魚沼の米を噛み締め、清津川のせせらぎに耳を澄ます。
次の休みは、原町温泉で「越後妻有の豊かな恵み」を肌で確かめる旅に出かけませんか?
原町温泉 – アクセスと基本情報
| 温泉地名 | 原町温泉 |
|---|---|
| 所在地 | 新潟県十日町市 |
| 入浴施設 | ゆくら妻有 |
| 主な泉質 | ナトリウム-塩化物温泉(低張性・中性・高温泉) pH:7.2(中性) |
| お湯の特徴 | 源泉温度57.7℃、湧出量毎分300L(動力揚湯)の塩化物泉。 溶存物質は7,505mg/kgで、塩化物イオンを主体にナトリウムやカルシウムなどを含みます。 訪問時には淡い黄色を帯びた湯色や、細かな茶褐色の湯の花も確認できました。 |
| 香り | 平成28年の温泉分析書では、源泉地で「微硫黄臭を有しほとんど無臭」と記載されています。 一方、訪問時の浴室ではアブラ臭を思わせる独特の香りがあり、特に湯口付近ではその個性がはっきりと鼻に届きました。 |
| 雰囲気 | 原町温泉は、十日町市の清津川沿いに湧く小さな温泉です。 大規模な温泉街ではなく、周囲には川や山、里山の風景が広がります。 清津川の流れを身近に眺めながら、越後妻有らしい自然と一緒に温泉を味わえる環境が魅力です。 |
| 楽しみ方 | 原町温泉の湯を楽しんだら、十日町名物のへぎそばや妻有ポーク、魚沼産コシヒカリなど地域の味覚も旅程へ。 周辺では清津峡の渓谷美を眺めたり、越後妻有に点在する現代アートを巡ったりと、温泉・グルメ・自然・アートを組み合わせたドライブが楽しめます。 |
| ※源泉や施設によって記載と異なる場合があります。コンディションによって印象は変わる場合があります。 ※掲載している情報は訪問時のものです。最新の情報は公式サイト等で確認をお願いいたします。 | |
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マニアの人はこうなっちゃう…かも!?
- 「300L/分」でいったん目が止まる
-
温泉分析書で「源泉温度57.7℃、毎分300L」の文字を見つけると、「ほぉ……300ね」と急に読み込む速度が落ちます。同行者が「何がすごいの?」と聞くころには、すでに湯口へ流れる量を頭の中で想像中。まだ服も脱いでいないのに、入浴は始まっています。
- 塩化物イオンだけでは終われない
-
「Na-塩化物泉、Cl⁻4,343mg/kgね」で終われば普通なのに、そのまま視線は成分表の下へ。「臭化物30.5……よう化物12.9……アンモニウム6.7……」。同行者には数字の羅列でも、本人には急に物語が始まります。分析書一枚で滞在時間が延びるタイプです。
- 「ほとんど無臭」を読んでから鼻が忙しい
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分析書には「微硫黄臭を有しほとんど無臭」。ところが浴室へ入ると、「ん?……この香りは?」と鼻のセンサーが起動します。湯口へ近づいてもう一度クンクン。「私には油系に思えるなぁ」と首をかしげる時間まで含めて、原町温泉を味わっています。
- 湯口の前では目を閉じる暇がない
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湯口のそばまで来たら、まず注湯量を確認。次に香り、湯色、波紋、周囲の析出物へと視線が移ります。隣で目を閉じている人を見て、「そこ、情報いっぱい出てますよ!」と言いたくなるものの、もちろん黙っています。湯口は静かに観察するのが流儀です。
- オーバーフローを見つけるとドヤ顔になる
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浴槽の縁からお湯が絶えず流れているのを見つけると、「うむ、こっちへ流れるのか」となぜかドヤ顔。誰にも説明を求められていないのに、湯口から浴槽内を通って縁へ向かう流れまで確認します。同行者から見れば、ただ床を眺めている人です。
- 湯の花を一粒だけロックオンする
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茶褐色の細かな湯の花が漂っていると、一粒に狙いを定めます。波紋に乗ってゆらゆら進む姿を目で追い、浴槽の縁へ近づくと観察にも熱が入ります。そしてオーバーフローと一緒に流れ出した瞬間、「行った……」。誰とも共有されない小さな達成感です。
- 淡い湯色ほど照明を変えて見たくなる
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「黄色っぽい?いや、光の加減かな」と、見る方向を変えて湯色を確認します。内湯の照明、窓からの光、露天の日差しで印象が違えば、さらに観察時間が延長。透明か濁りかだけでは終わりません。「この角度だと分かりやすい」と一人で納得しています。
- 入浴後に分析書へ戻ってしまう
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普通なら着替えたら休憩所へ向かいますが、原町温泉好きは再び分析書の前へ。「さっきの香り……この数値と何か関係あるのかな」と成分表を再確認します。入浴前は予習、入浴後は答え合わせ。ただし答えが出るとは限らず、むしろ疑問が増えて帰ります。
- 「古代海水?」まで行って自分で止める
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臭化物、よう化物、アンモニウム……と数字を追ううち、「地下深部の塩水っぽいな」「古い海水が関係してたりして?」と想像が膨らみます。しかし分析書だけでは起源まで断定できません。「いや、そこまでは分からん」と自分でブレーキ。妄想と慎重さが同居しています。
- 数字三つで地層まで想像し始める
-
温泉分析書を眺めながら「この成分はどこから来た?」「この香りは何だ?」と地下へ地下へ想像が進みます。気づけば温泉の話から地層、地下水、昔の海へ。まわりからは“連想ゲーマー”とあだ名されてしまうのです。



管理人いじりですね…
そう呼ばれるのも悪くない!








