夏の強い日差しの中、七尾湾の青い海を横目に、石川県の和倉温泉へ車を走らせました。
日頃はぬるりとしたアルカリ泉や硫黄の香りを追いかけていますが、海から湧いたと伝わる濃厚な塩化物泉も、時折無性に恋しくなります。
潮の香りが漂う温泉街を歩き、成分豊かな湯に浸かり、能登の魚介を味わう。
今回は、和倉温泉の泉質や見どころとともに、夏の訪問で体験した時間を紹介します。
- 北陸を代表する海の温泉の正体
ナトリウム・カルシウム塩化物泉など、和倉温泉の泉質とその個性を詳しく解説しています - 源泉温度約82℃前後と高張性の実体験
高温源泉の仕組みと、塩辛さが肌に伝わる浴感を、実際の入浴シーンで描いています - 飲泉・温泉卵づくりなど、温泉の楽しみ方
足湯・手湯・飲泉場など、複数の湯の入り方と、源泉で作る温泉卵体験を紹介します - 能登海鮮とのどぐろ、地酒のペアリング
七尾湾で獲れた新鮮な魚介と、地酒の相性を、食べながら味わった体験を綴っています - 能登島大橋ドライブと観光スポット
車でのアクセス方法と、能登島ガラス美術館など、周辺観光地との組み合わせを提案します
和倉温泉ってどんなところ? | 4コマ漫画で体験してみる
ゆめにゃん猫は入れないからフィクションにゃ…


和倉温泉 体験記
7月中旬、能登島大橋から七尾湾の景色を眺めたあと、和倉温泉の足湯に腰を下ろしました。
両足を湯に沈めると、さらりとした見た目とは対照的に、塩化物泉らしい存在感のある湯ざわりが伝わります。
湯元の広場では、生卵を源泉に浸して温泉卵作りにも挑戦。
海辺に湧いたと伝わる和倉温泉ならではの体験を、温泉街を歩いた順に振り返ります。
海が目の前に迫る和倉の街で、潮の香りと温泉の湯けむりが交差する空気に出会いました。濃密な塩分を含んだ源泉は、浴槽に身体を沈めると、玉子のような厚みで皮膚を包み込む湯ざわりがありました。
- 脱衣所の温泉分析書を眺めて
浴室へ向かう前、脱衣所の壁に掛けられた温泉分析書に目を凝らしました。高張性という文字と八十度を超える源泉温度の表記を目に焼き付けます。千ミリグラムを遥かに超える成分量の数値を指でなぞり、脱衣所をあとにしました。 - 湯口から注ぐ無色透明の源泉
掛け湯をすませて浴槽へ向かうと、湯口から注がれるお湯が白い波紋を描いていました。澄み切った無色透明の湯色ですが、顔を近づけるとほのかな潮の香りが鼻腔をくすぐり、湯気の熱気が頬に伝わります。 - 指先で確かめるずっしりとした湯ざわり
手を入れるとピリッと身が引き締まる適温で、指先をすり合わせると肌を包み込むような密度の高さを確かめられました。湯口からあふれ出るオーバーフローの湯流れを見つめながら、全身をゆっくりとお湯へと沈めます。 - 浸かった瞬間に広がる熱と塩分
身体を預けた途端、濃厚な成分を含むお湯らしい、存在感のある浴感に包まれました。お湯から上がった後も肌に塩のベールが残り、湯上がり後もしばらく身体から汗が続きました。
海と温泉が隣り合うロケーションは、和倉だからこそ出会える空間です。波の音を聞きながら湯に浸かり、視界いっぱいに広がる海の風景を静かに見つめました。
- 露天風呂から見渡す内浦の海
露天風呂の縁に肘を置き、目の前に広がる七尾湾を眺めました。夏の太陽の下、波の少ない海面が光を反射して輝いています。対岸に見える能登島の緑と青い海の対比を目に焼き付けました。 - 波音を聞きながら過ごす涼風のひととき
湯縁に腰を下ろし、濡れた肌に海からの風を受けます。耳を澄ますと、規則的なさざ波の音と湯口から流れる水の音だけが聞こえてきました。肌の表面を風が通り抜けるたび、水滴が蒸発して冷たさが走ります。 - 湯上がりに味わうキンキンに冷えた瓶ドリンク
脱衣所のベンチへ向かい、自動販売機でガラス瓶の牛乳を購入しました。栓を外して一気に喉へ流し込むと、冷たい液体が胃へ落ちていき、身体から汗が吹き出しました。 - 足湯で楽しむ海辺の散歩道
温泉街の沿道を歩き、海沿いの足湯スポットへと向かいました。木製のベンチに腰掛け、裾をまくって足を浸すと、足元からじんわりと熱が伝わります。上空を飛ぶウミネコを目で追いながら、静かな海辺の時間を過ごしました。
お湯で身体を温めた後は、七尾湾や近海で獲れた新鮮な魚介を味わう時間です。素材の味わいが際立つ料理の数々を前に、箸を進めました。
- お造りの角が立った鮮魚の歯ごたえ
夕食の膳に運ばれてきた刺身の盛り合わせは、表面に脂がきらりと浮かんでいます。切り口の角が立った刺身を口に運ぶと、歯を押し返すような硬い弾力と甘みが広がり、何度も咀嚼を繰り返しました。 - 香ばしい香りが立ち上るのどぐろ塩焼き
じっくりと焼き上げられたのどぐろの塩焼きは、皮目が香ばしく、箸を入れると白い身から透明な脂があふれ出します。塩気と旨味が口いっぱいに広がり、すぐに白米を口へ運込みました。 - 濃厚な味わいの能登かきに舌鼓
提供されていた牡蠣を蒸し焼きで味わいました。殻を開けるとぷっくりと膨らんだ身が現れ、口に含むと濃密な海のおいしさが弾けます。レモンを絞ると、酸味の後から甘みが際立ちました。 - 地元酒蔵の冷酒と料理の相性
地元の純米酒を冷やでグラスに注ぎ、魚料理と一緒に口へ含みます。キリッとした辛口を口に含むと、魚の脂の余韻がすっと消えていきました。能登の食と酒を交互に味わい、杯を重ねていきます。
和倉温泉街から橋を渡れば、緑豊かな能登島へとアクセスできます。車を走らせながら、景観やアートに触れる時間を組み込みました。
- 能登島大橋を渡る爽快ドライブ
車を走らせ、海の上を直線に伸びる能登島大橋へ差し掛かりました。窓を全開にすると湿った潮風が吹き抜け、左右をエメラルドグリーンの海に囲まれながらアクセルを踏み込みます。 - ガラス美術館で光と造形美を鑑賞
高台に立つ美術館へ向かい、現代ガラスアートの作品群を鑑賞しました。館内に差し込む自然光を受けて角度ごとに色を変えるガラスの表面を見つめ、足を止めて細部まで観察します。
この湯が時代を超えて守られてきた背景が、共同浴場の佇まいからうかがえ、街の熱気に包まれました。
- 和倉温泉総湯で感じる地元の賑わい
堂々とした佇まいの総湯へ足を踏み入れました。券売機で券を買い暖簾をくぐります。地元の浴客と観光客が湯船を囲み、湯気の中で声を掛け合う光景を眺めました。 - 源泉公園に漂う温泉の熱気と析出物
湯元である弁天崎源泉公園を訪れると、もくもくと立ち上る湯けむりと潮の香りに包まれます。湯口の周りには灰色と白色の析出物が重なって付着し、湧き出続ける源泉の成分量を目に焼き付けました。 - 温泉たまご作りに挑戦するひととき
公園内のカゴに生卵をセットし、熱い源泉の中に沈めました。時計の針を見つめながら待つこと十数分、出来上がった殻を割ると、ほんのり塩気が利いたトロッとした黄身が溢れ出します。 - 手厚いもてなしに迎えられる宿での時間
宿へ入ると、スタッフが笑顔で迎えてくださいました。客室へ向かう廊下の隅々まで磨き上げられた床を眺め、創業から続く手厚さを感じ取りました。



塩の湯に浸かり、七尾湾を眺め、能登の海の幸を噛みしめる。
次の休みは、和倉温泉で「能登の恵み」を全身で受け止める旅に出かけませんか?
和倉温泉 – アクセスと基本情報
| 温泉地名 | 和倉温泉 |
|---|---|
| 所在地 | 石川県七尾市和倉町 |
| 入浴施設 | 複数あり |
| 主な泉質 | ナトリウム・カルシウム-塩化物泉(高張性・弱アルカリ性・高温泉) など pH:約7.6(中性~弱アルカリ性) |
| お湯の特徴 | 無色透明のお湯は見た目こそ穏やかですが、実際に浸かると塩化物泉らしい存在感のある浴感が印象に残りました。 湯口から絶えず流れる源泉やオーバーフローを眺めながら入浴していると、海辺に湧く温泉ならではの個性をじっくりと味わえました。 |
| 香り | 和倉温泉のお湯は基本的に無臭で、浴槽へ顔を近づけても硫黄のような強い香りは感じませんでした。 その一方、露天風呂や海辺の足湯では、七尾湾から届く潮風が鼻をかすめます。 温泉そのものの香りよりも、海辺の空気と湯けむりが重なる風景が印象に残りました。 |
| 雰囲気 | 穏やかな七尾湾を望む温泉街は、老舗旅館が立ち並び、どこか落ち着いた空気が流れていました。 総湯や足湯、源泉公園などを歩いて巡る楽しみもあり、潮風を感じながらゆっくり散策しているだけでも、海辺の温泉地らしい魅力を満喫できました。 |
| 楽しみ方 | まずは温泉分析書や湯口、析出物を眺めながら和倉温泉ならではの個性を感じ、その後は七尾湾を望む露天風呂でのんびり過ごすのがおすすめです。 湯上がりには能登の海鮮や地酒を味わい、時間があれば能登島まで足を延ばして景色や美術館を楽しむと、旅の満足感がさらに高まります。 |
| ※源泉や施設によって記載と異なる場合があります。コンディションによって印象は変わる場合があります。 ※掲載している情報は訪問時のものです。最新の情報は公式サイト等で確認をお願いいたします。 | |
- 塩化物泉のずっしりした湯ざわり
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脱衣所で温泉分析書を目にし、高張性の文字を確認してから湯船へ向かいました。お湯に身体を沈めると、海水のような濃い塩味とずっしりとした湯ざわりが全身を包み込みます。上がり際も塩のベールが肌に残り、湯上がり後も火照りが長く留まりました。
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堂々とした佇まいの総湯へ向かい、暖簾をくぐって大浴場へ足を入れました。湯口から注がれる無色透明の熱湯が白い波紋を描いており、湯けむりの向こうで地元の浴客と肩を並べます。オーバーフローするお湯の流れを見つめながら、じっくりと湯に浸かりました。
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差し出された大きな殻を開けるとぷっくりと肥えた身が現れ、口に含むと濃密な海の旨味が弾けます。レモンをキュッと絞ると甘みが引き立ち、一気に頬張りたくなる味わいです。
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露天風呂の縁に腕を置き、目の前に広がる七尾湾に視線を向けました。波の少ない海面が夏の太陽を受けてキラキラと光を反射しています。耳を澄ますと静かなさざ波の音が届き、湯縁で肌に風を受けながら、水平線の向こうにある能登島を目で追いました。
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湯元である弁天崎源泉公園を訪れると、もくもくと立ち上る湯けむりが出迎えてくれました。湯口の周囲には灰色や白色の析出物が重なって付着しており、びっしりと固まった塊を手で触れて、長年にわたり湧き出続けてきた成分の密度の高さを確かめました。
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温泉マニアあるある! – 和倉温泉編



マニアの人はこうなっちゃう…かも!?
- 温泉分析書の「高張性」にニヤける
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脱衣所へ入ると、真っ先に温泉分析書へ一直線。「高張性」の文字を見つけた瞬間、「よし、今日は期待できるぞ」と小さくガッツポーズ。友達が「まだ服も脱いでないよ?」と笑っても、「まず分析書を読まないと入浴は始まらない」と真剣な表情。泉質より先に分析書と向き合う時間も、マニアにとっては立派な温泉体験なのです。
- 湯口よりオーバーフローを見て感動する
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普通の人は湯船へ向かいますが、マニアの視線はまず湯口とオーバーフローへ。「この流れ方、いいねぇ……」と静かに眺め始めます。友達が「何見てるの?」と不思議そうに聞くと、「お湯の新鮮さを感じる時間だから」と真顔で一言。滝のような豪快さよりも、美しく流れ続ける一筋のお湯に心を奪われます。
- 無色透明なのに情報量が多すぎる
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「透明だから特徴ないのかな?」と思った瞬間、マニアの解説が始まります。「見た目は透明だけど、高張性で塩味が強くて、湯ざわりも独特なんだよ」と止まりません。友達は「まだ浸かってないのにそんなに分かるの?」と苦笑い。それでも湯色だけでは語れない奥深さを伝えたくて、つい熱弁してしまいます。
- 舐める前に飲泉可否を確認する
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湯口を見ると「どんな味だろう」と少し気になります。でもマニアは勢いで口にすることはありません。まず施設の案内や掲示を確認し、「飲泉OKならここで」と納得して、指定の飲泉場へ向かいます。友達から「意外とちゃんとしてるね」と言われると、「ルールも温泉の楽しみ方のひとつだから」と少し誇らしげです。
- 析出物を見ると写真を撮り始める
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源泉公園や湯口の周りで析出物を見つけると、しゃがみ込んで撮影会が始まります。「この重なり方がいい」「色の違いも面白い」と夢中になっていると、友達は「石を撮って何が楽しいの?」と首をかしげます。マニアにとっては、長い年月をかけて育まれた温泉からの贈り物に見えているのです。
- 七尾湾を見るたび「海の温泉だなぁ」としみじみする
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露天風呂から穏やかな七尾湾を眺めるたび、「やっぱり海の近くの温泉は雰囲気が違うなぁ」としみじみ。友達が景色を楽しんでいる横で、「この塩味も、海がすぐそばにあるからこそだなぁ」と話し始めます。温泉と海を別々に見るのではなく、一つの景色として味わうのが和倉温泉マニアです。
- 総湯に入ると地元の会話まで旅の思い出
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共同浴場へ入ると、お湯だけでなく浴室の空気まで楽しみます。地元の人同士の何気ない会話や、静かに湯船へ浸かる時間にも温泉街の日常を感じるのです。友達が「観光だけじゃなくて人まで見てるの?」と驚くと、「その土地の温泉文化も含めて旅だからね」と嬉しそうに答えます。
- 瓶ドリンクまでセットで温泉だと思っている
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湯上がりに脱衣所の自動販売機を見つけると、「今日は牛乳かな、それともコーヒー牛乳かな」と真剣に悩み始めます。友達が「そんなに重要?」と笑うと、「ここまでが入浴だから」と即答。冷えたガラス瓶を手にした瞬間、ようやく和倉温泉の一連の体験が完成するのです。
- 能登島まで行って初めて「和倉旅行」と思う
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温泉だけで帰る予定だったはずが、「せっかくだから能登島も行こう」と自然にハンドルを切っています。橋を渡る景色や美術館、水族館まで巡って満足げな表情。友達が「温泉旅行じゃなかったの?」と聞くと、「温泉も景色も全部セットで和倉だから」と笑顔で答えます。
- 気づけば”海水ソムリエ”と呼ばれます
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和倉温泉へ行くたびに、「今日は塩味がしっかりしてる気がする」「この湯ざわり、やっぱり好きだな」と嬉しそうに語り始めます。七尾湾を眺め、温泉分析書を読み、湯口やオーバーフローまで観察して満足げ。友達から「もう海と温泉の話しかしてないね」と笑われ、”海水ソムリエ”とあだ名されてしまうのです。



管理人いじりですね…
そう呼ばれるのも悪くない!








