苗場温泉レビュー| 日帰りでも楽しめる源泉かけ流しの濃厚濁り湯(新潟県湯沢町)

湯め活びより苗場温泉のアイキャッチ画像

苗場高原には、ゲレンデや大型リゾートの印象とは異なる、濃い茶褐色の湯が待っています。
湯口では金気を帯びた香りが立ち、浴槽の縁には成分由来の析出物が幾重にも付着。
熱めの内湯と、山の外気に触れられる露天風呂を行き来しながら、濃厚な湯ざわりと豊かなオーバーフローを味わえる温泉地です。

この記事でわかること
  • 苗場温泉の泉質の詳しい特徴
    カルシウム・ナトリウム塩化物硫酸塩泉の成分と、pH6.9の中性泉がもたらす感じ方ついて。
  • 茶褐色と金気の香り、感覚で味わう湯の個性
    成分総計の濃厚さが色と香りにどう現れるか、実体験から解説。
  • 内湯と露天風呂、温度と景色の違い
    42-43℃の内湯と露天での温度差で、同じ源泉がどう表情を変えるかの観察。
  • 温泉分析書から読む、湯の濃さと個性
    源泉49.5℃、湧出量180L/分の実データを元にした、マニアック解読ガイド。
  • 新潟・苗場高原の立地と季節ごとの楽しみ方
    アクセスから四季の変化まで、訪問計画に役立つ情報をまとめました。
目次

苗場温泉ってどんなところ? | 4コマ漫画で体験してみる

ゆめにゃん

猫は入れないからフィクションにゃ…

苗場温泉の魅力を詰め込んだ4コマ漫画。猫のゆめにゃんが茶褐色のお湯や鉄の香り、街道の歴史を紹介。

苗場温泉 体験記

前日に貝掛温泉と越後湯沢温泉を巡り、翌朝は国道17号を南へ進みました。
晴れ渡った7月上旬の平日、立ち寄ったのは苗場高原に佇む日帰り温泉です。
金気を帯びた香り、底を隠す茶褐色の湯色、床を流れ続けるオーバーフロー。
熱めの内湯と露天風呂を三往復し、苗場ならではの濃密なお湯と向き合いました。

この体験記は、訪問当時の個人的体験と記憶をもとに情報を交えて執筆しています。季節や営業状況、時間の経過などにより、掲載内容が現在と異なる場合があります。お出かけ前には、各施設の公式サイト等で最新情報をご確認ください。

貝掛と越後湯沢の余韻を携えて苗場高原へ

前日のぬる湯とは異なるお湯を求め、越後湯沢から三国峠方面へ車を走らせました。山道の風景が深い緑へ変わるにつれ、苗場で待つ一湯への期待が膨らみます。

  • 晴天の国道を南へ
    前日は貝掛温泉のぬる湯に浸かり、越後湯沢の宿で一泊しました。翌朝、雲の少ない空の下で国道17号へ入り、群馬方面を目指します。標高が上がるにつれて窓から入り込む風はひんやりとし、道路脇には濃い緑が迫ってきました。苗場の案内表示が現れるたびに、アクセルを踏む足にも自然と意識が集まります。
  • ゲレンデ脇の静かな朝
    広いゲレンデを横目に進み、日帰り温泉の駐車場へ車を入れました。平日の午前中とあって、敷地内に人影はほとんどありません。木造の建物は山の緑を背負うように建ち、屋根の周囲には白い湯けむりが薄く漂っていました。車外へ出ると、乾いた木の香りと山の冷気が鼻先を通り抜けます。
  • 廊下に漂う金気の香り
    玄関で靴を脱ぎ、木床の廊下を進んで券売機へ向かいました。入浴券を受付へ渡すと、浴室へ続く方向から金気を帯びた香りが流れてきます。脱衣所で水分補給を済ませ、重い扉へ手をかけました。開いた隙間から白い湯けむりと熱気が押し寄せ、その奥で源泉の注ぐ音が途切れず響いています。
  • 分析書で確かめる濃さ
    廊下の壁には、額に納められた温泉分析書が掲示されていました。泉質はカルシウム・ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉。pH6.9、源泉温度49.5℃、成分総計6298mg/kgと記されています。湧出量は毎分180.2Lの動力揚湯。数値を確認してから浴室へ進むと、目の前の茶褐色の湯がさらに具体的な姿を帯びました。
底を隠す茶褐色の内湯に沈む

内湯を覗くと、湯船の底は濃い茶褐色の向こうへ消えていました。金気を帯びた香りとギシギシした湯ざわりに包まれ、湯口の音と波紋だけが浴室内に響きます。

  • 底まで見えない濃い湯色
    かけ湯を済ませて内湯の縁へ立つと、湯船いっぱいに重厚な茶褐色が広がっていました。足先を入れた瞬間、43℃前後と思われる熱が皮膚をキュッと捉えます。両手で縁を支えながらゆっくり腰を落とし、最後に肩まで沈みました。視線の先では、湯口から流れ込む源泉が水面を絶えず揺らしています。
  • 湯口に生まれる小さな波紋
    湯口の近くへ移動すると、注がれたばかりのお湯は淡い黄金色に見えました。そこから細かな波紋が広がり、浴槽の中では濃い褐色へ重なっていきます。手ですくうと、金気を帯びた香りが湯けむりとともに立ち上りました。指先を滑らせた際の湯ざわりには、キシキシとした明確な手応えがあります。
  • 木枠に重なる析出物
    浴槽の木枠や湯口の周囲には、茶色や黄土色の析出物が薄い層を重ねていました。直接手を触れずに目で追うと、湯が流れる筋に沿って色の濃淡が変わっています。温泉分析書に記されたカルシウムや塩化物、硫酸イオンの数値と、目の前に残された成分の跡が一本の線でつながりました。
  • 床を流れるオーバーフロー
    湯船からあふれたお湯は、縁を越えて洗い場の床へ流れ続けていました。足元には細い流れが何本も生まれ、湯口の音に水音が重なります。首まで浸かったまま天井の木目を眺めていると、額から落ちた汗が水面へ小さな輪を描きました。一度上がって縁へ腰を掛け、水分補給を挟んでから次の浴槽へ向かいます。
高原の風と黄土色の露天風呂

外へ出ると、日差しの下を山の風が抜けていました。黄土色の湯、岩に刻まれた析出物、舞い上がる湯の花を眺めながら、内湯とは異なる温度帯を確かめます。

  • 扉の先に広がる夏空
    露天風呂へ続く扉を開けると、青空と深い緑が視界いっぱいに広がりました。日差しは強いものの、山から流れる風が濡れた腕や肩をひんやりとなぞります。岩で囲まれた浴槽には黄土色の湯が張られ、湯口から注ぐ音と木々の葉音が交互に耳へ届きました。
  • 水面を舞う黄金色の湯の花
    露天の湯へ足を入れると、内湯から一段下がった温度です。岩を手で支えながら体を沈めると、水面の光に細かな湯の花が浮かび上がりました。手足をゆっくり動かすたびに底から褐色の粒が舞い、いったん薄くなった湯色が再び濃さを増していきます。
  • 岩肌に刻まれた成分の跡
    湯船を囲む岩には、茶褐色の析出物が筋状に付着していました。湯口から流れたお湯は岩の隙間を通り、複数の細い筋となって浴槽へ入ります。析出物の厚い部分と薄い部分を目でたどると、源泉が通ってきた道筋まで見えてくるようでした。水面には細かな気泡が集まり、風で少しずつ散っていきます。
  • 葉音と湯音のあいだ
    岩へ背中を預け、青空の下で湯面を眺めました。指先を動かすと波紋が岩際まで広がり、日差しを受けて細かく光ります。鼻先には金気を帯びた香りが残り、遠くでは蝉の声が途切れ途切れに響いていました。聞こえる音を一つずつ追いながら、露天の温度をじっくり確かめます。
熱めの内湯と露天を三往復する

内湯の鋭い熱と、露天の入りやすい温度を交互に確かめました。休憩と水分補給を挟みながら三往復すると、湯色や香りの違いまで細かく見えてきました。

  • 一段高い内湯の熱
    露天から内湯へ戻り、再び茶褐色の湯へ足を入れました。外気に触れた直後だけに、内湯の熱が輪郭を増して迫ります。最初から肩まで沈まず、縁に手を置いて腰、胸、肩の順に湯へ入りました。静止していると熱が積み重なるため、短めに区切って浴槽を出ます。
  • 湯口近くの淡い黄金色
    二度目は湯口の横へ腰を下ろしました。流れ込むお湯は淡い黄金色に見え、浴槽の中央へ進むにつれて茶褐色の湯と混ざります。湯口の直下には細かな波紋が連続し、その周囲だけ水面の表情が異なっていました。鼻を近づけすぎず、湯けむりに混ざる金気の香りを確かめます。
  • 露天で受ける山の外気
    内湯を出た後は、洗い場で少し休んでから露天へ戻りました。岩の縁へ腰を掛け、まず足だけを湯へ入れます。腕や肩には山の風、足元には黄土色のお湯という対照的な状態です。汗が落ち着いたところで再び全身を沈め、水面に広がる波紋を眺めました。
  • 三往復で刻む湯の個性
    内湯と露天の移動を、休憩を含めて三往復しました。内湯では熱と金気の香り、露天では湯の花と風の動きへ意識を向けます。同じ源泉でも、浴槽の温度や光の当たり方によって湯色の見え方は別物でした。最後は内湯へ短く入り、床を流れるオーバーフローを踏み越えて浴室を出ます。
湯上がりの熱を抱えて三国峠へ

浴室を出ても汗がすぐには引かず、休憩スペースで時間を置きました。冷たいアイスを口にしながら山並みを眺め、茶褐色の湯の記憶を携えて群馬方面へ進みます。

  • 汗が引くまで水分補給
    脱衣所でタオルを使い、急がずに衣服を身につけました。着替えを終えても汗が額へ浮かぶため、持参した飲み物で水分補給を行います。椅子へ座ってしばらく待つと、耳には浴室から続く湯音がかすかに届きました。金気を帯びた香りも、鼻の奥に薄く残っています。
  • 冷たいアイスと山並み
    休憩スペースへ移動し、冷たいアイスをゆっくり口へ運びました。窓の外には、夏の光を受けた苗場の山並みが広がっています。口の中の冷たさと、入浴後に残る熱が鮮明な対比となりました。椅子の背へ体を預け、浴室で見た湯口や析出物を順番に振り返ります。
  • 高原の風に足を止める
    建物の外へ出ると、強い日差しの中を乾いた風が通り抜けました。駐車場へ向かう途中で一度立ち止まり、木造の建物と背後の山を振り返ります。窓の周囲には薄い湯けむりが漂い、入浴前と変わらない静けさが残っていました。車のドアを開ける前に、もう一度深く息を吸います。
  • 茶褐色の記憶を携えて
    運転席へ座り、ナビを群馬方面へ設定しました。駐車場を出ると、道はすぐに三国峠へ向かうカーブへ入ります。前日に巡った貝掛のぬる湯や越後湯沢の透明な湯とは対照的な、濃い湯色と金気の香り。バックミラーの中で苗場の山が小さくなるまで、その光景が頭から離れませんでした。
ゆめにゃん

山を越え、濃密な茶褐色の湯に包まれ、高原の風を全身で吸い込む。
次の休みは、苗場温泉で「個性が際立つ大自然の湯」を味わう旅に出かけませんか?

苗場温泉 – アクセスと基本情報

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この記事を書いた人

温泉巡り歴15年。
トロトロのお湯と硫黄の香りが大好物。
なのに他の泉質にもすぐハマってしまう。
休日は山奥の秘湯へ直行。
そして、猫が好き。

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