渋温泉の魅力|九湯めぐりと石畳の温泉街を歩く旅(長野県山ノ内町)

湯め活びより渋温泉の魅力アイキャッチ画像

「地面を掘ればすぐお湯が出る」と公式でも紹介されるほど、多くの源泉を抱える渋温泉。
同じ温泉街にありながら、源泉によって成分や湯花、色合いなどに違いがあります。
浴衣と下駄で九湯を巡り、温泉まんじゅうや信州そばを楽しみながら石畳をそぞろ歩き。
湯と暮らしが重なり合う、信州らしい温泉街です。

この記事でわかること
  • 九湯めぐりと外湯文化の楽しみ方
    宿泊者が専用の鍵で巡る九つの外湯と、その独特な文化を紹介します。
  • 源泉かけ流しとお湯の特徴
    泉質や源泉温度、湯花など、湯ごとに異なる個性をわかりやすく解説します。
  • 石畳の温泉街とおすすめ散策
    木造建築や細い路地など、そぞろ歩きで楽しみたい見どころを紹介します。
  • 温泉街グルメと周辺観光スポット
    温泉まんじゅうや信州そば、地獄谷・志賀高原など旅の楽しみを紹介します。
  • 春夏秋冬で変わる旅の楽しみ方
    桜や高原散策、紅葉、雪景色など、季節ごとの魅力をまとめています。

この記事は、執筆時点で確認できる公式情報や公開資料などをもとに、温泉地の魅力を独自の視点でまとめたものです。季節や営業状況、時間の経過などにより、掲載内容が現在と異なる場合があります。お出かけ前には、各施設や観光協会などの公式サイトで最新情報をご確認ください。

目次

渋温泉ってどんなところ? | 4コマ漫画で体験してみる

ゆめにゃん

猫は入れないからフィクションにゃ…

渋温泉の魅力を詰め込んだ4コマ漫画。石畳の温泉街や高温源泉、九湯めぐりを紹介。

温泉マニアあるある! – 渋温泉の魅力編

ゆめにゃん

マニアの人はこうなっちゃう…かも!?

九湯めぐりを知った瞬間、予定が崩壊する

「九つも外湯があるの? じゃあ全部入るしかないじゃん」と、到着5分で旅程を組み直します。友達が「気に入ったところだけでよくない?」と言っても、「一番湯から九番湯まであるのに途中でやめられるか!」と謎の使命感。観光旅行だったはずが、いつの間にか九湯完全制覇が最優先任務になります。

熱いほど湯口を確認したくなる

浴槽を前に「熱っ!」となっても、マニアが最初に気にするのは逃げ道ではなく湯口。「この源泉、何度だっけ?」と分析情報を思い出しながら、湯気の向こうを興味津々で観察します。友達が「まず入れる温度か確認しようよ」と言っても、「いや、この熱さも渋温泉らしさだから」と妙にうれしそうです。

九つの外湯を全部同じ目で見られない

普通なら「共同浴場が九つもあるんだね」で終わるところ、マニアは湯色、湯花、香り、湯口、浴槽の縁まで一湯ずつ観察。「さっきと全然違う!」と喜びます。友達から「似たようなお風呂じゃない?」と言われると、「何を見ていたんだ!」と突然、温泉鑑定士のような顔になるのです。

白い湯花と黒い湯花でテンションが上がる

白っぽい湯花を見つけて喜んでいたと思ったら、別の外湯では黒っぽい湯花を発見。「今度は黒い!」と浴槽を凝視します。友達が「ゴミじゃないよね?」と不安そうでも、「こういう違いを見るために巡ってるんだよ!」と興奮。九湯めぐりが、いつの間にか湯花観察会になっています。

大湯の茶色を見て急にドヤ顔になる

九番湯「渋大湯」の茶色い湯を見た瞬間、「ほら、ここだけ雰囲気が全然違うだろ?」と頼まれてもいないのにドヤ顔。友達が「確かに茶色いね」と返しただけなのに、「鉄分を含む湯なんだよ」と解説を開始します。九湯目まで来る頃には、すっかり自分が渋温泉の案内人になったつもりです。

分析書が九枚あったら九枚とも見たい

九湯それぞれに違いがあると知った瞬間、「分析書も全部比較したいな……」という別の欲望が発生します。pH、源泉温度、成分総計、陽イオン、陰イオン……と見比べ始め、友達は完全に置き去り。「九湯めぐりって、そういう遊びだっけ?」と言われても、本人には最高の自由研究です。

「一泊住民」を本気で気に入る

宿泊者を「一泊住民」と呼ぶ文化を知ると、「いい言葉だなぁ……」と妙に感動します。専用の鍵を持って石畳を歩いているうちに、本人の中では観光客という意識まで薄れてきます。翌朝には「じゃあ、そろそろ町を離れるか」と住民代表みたいな顔。なお、滞在期間は本当に一泊です。

石畳では下駄の音まで観察対象になる

木造建築、細い路地、湯けむりだけでも十分なのに、マニアは「このカランコロンまで含めて渋温泉なんだよ」と下駄の音まで鑑賞し始めます。友達が温泉まんじゅうを探している横で、一人だけ路地の風情に浸って立ち止まる。湯に入っていない時間まで温泉として楽しめるようになると重症です。

九湯制覇してもまだ終わらない

友達を巻き込んで九つの外湯をすべて巡り、「よし、ご飯にしよう!」と喜ばれたところで、「待て、高薬師が残っている」と無慈悲に石段を指さします。巡浴祈願の締めまで済ませて、ようやく満足。友達にとっては九湯めぐり、マニアにとってはまだ道半ばなのです。

信玄公の話になると急に軍師になる

「渋温泉は信玄の隠し湯のひとつで、川中島の戦いで傷ついた兵士を療養させたと伝わるんだよ」と、なぜか北信濃の重要拠点を説明する軍師のような口調になります。友達が「温泉入りに来たんだよね?」と確認しても、頭の中ではすでに武田軍が進軍中。まわりからは”湯めぐり風林火山“とあだ名されてしまうのです。

管理人

管理人いじりですね…
そう呼ばれるのも悪くない!

渋温泉の魅力まとめ

石畳の小路に響く下駄の音と、温泉街に漂う湯けむり。
大正から昭和初期に建てられた木造建築が残る渋温泉には、長い歳月を重ねた湯の町ならではの風情があります。
九つの外湯を巡り、夕暮れには高薬師へ続く石段を歩く。
昔ながらの温泉街を、ゆっくりと味わいたくなる場所です。

石畳と木造建築が彩る温泉街

渋温泉には、石畳の通りや細い路地、格子窓や土壁を備えた古い木造建築が残っています。浴衣と下駄で歩けば、入浴だけではない「温泉街そのものを楽しむ時間」が始まります。

  • 時代を重ねた木造建築の街並み
    温泉街には、大正から昭和初期に建てられ、その後も増築や改築を重ねてきた複雑な木造建築が数多く残っています。格子窓や土壁、頭上へ張り出す渡り廊下、建物の間を走る温泉配管など、ひとつひとつが渋温泉らしい景観の一部。新しく整えられた観光地とはひと味違う、歳月そのものを感じさせる街並みです。
  • 下駄の音が似合う石畳の小路
    渋温泉の楽しみ方として公式もすすめているのが、浴衣と下駄でのそぞろ歩きです。石畳の通りから細い路地へ入り、外湯や商店を覗きながら気の向くままに散策。カランコロンと響く下駄の音まで、温泉街の風景の一部になっていきます。目的地を急いで巡るより、寄り道そのものを楽しみたくなる町です。
  • 暮らしに溶け込む九つの外湯
    路地を歩いていると、木造建築の間に九つの共同浴場が現れます。これらは観光客だけのための浴場ではなく、現在も地域の人々が日常的に利用する生活の湯。清掃や源泉の管理なども住民によって行われ、昔から守り継がれてきました。温泉と暮らしがすぐ隣り合わせにあることも、渋温泉ならではの風景です。
  • 夕暮れから始まるもう一つの表情
    日が傾くと、旅館や商店の窓、軒先の灯りが木造の街並みを柔らかく照らします。石畳を歩きながら外湯へ向かったり、温泉まんじゅうを探して寄り道したりするのも宿泊時の楽しみ。昼間とは異なる落ち着いた雰囲気の中を歩けば、温泉街に泊まること自体が旅の目的になっていきます。
高温源泉と湯ごとに異なる個性

渋温泉公式では、すべての旅館と外湯を100%源泉かけ流しと案内しています。九つの外湯だけを見ても泉質や源泉温度、湯花、色合いに違いがあり、一つの温泉街で多彩なお湯と出合えます。

  • 温泉街を支える豊富な源泉
    渋温泉公式では「地面を掘ればすぐお湯が出てしまうというくらい」と表現されるほど、多くの源泉が存在すると紹介されています。また、すべての旅館と外湯を100%源泉かけ流しと案内し、源泉から引いた湯を加水・加温せず浴槽へ注いでいるとしています。街を歩くだけでも、湯けむりや温泉配管が身近にある「湯の町」らしさを感じられます。
  • 約50℃から86.5℃の高温源泉
    九つの外湯には複数の源泉が利用され、公式掲載値では約50℃から86.5℃まで幅があります。四番湯「竹の湯」と五番湯「松の湯」では86.5℃の源泉が案内されるなど、高温の湯も渋温泉の特徴のひとつです。源泉かけ流しのため浴槽が熱くなる場合もあり、公式でも必要に応じて水で調整するよう案内されています。
  • 白と黒の湯花に出合う外湯
    外湯を巡っていると、源泉による見た目の違いにも気づきます。三番湯「綿の湯」は白い湯花が多いことから、その名の通り綿を思わせる湯として紹介されています。一方、七番湯「七操の湯」では黒い湯花が生じるとのこと。同じ温泉街の中で、こうした違いを一湯ずつ観察できるのも九湯めぐりの面白さです。
  • 鉄分を含む茶色の九番湯「大湯」
    九湯めぐりの最後を飾る九番湯「大湯」は、公式に「鉄分の多い茶色の温泉」と紹介されています。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉で、分類は低張性・中性・高温泉。白い湯花、黒い湯花、そして茶色の大湯と、浴場ごとに表情の異なるお湯を比べられることが、渋温泉の大きな魅力です。
鍵を手に巡る伝統の九湯めぐり

渋温泉に宿泊すると、専用の鍵を借りて九つの外湯を巡ることができます。祈願手ぬぐいへスタンプを集め、最後は高薬師へ。温泉街を歩くことまで含めた独特の湯めぐり文化です。

  • 専用の鍵で訪ねる九つの共同浴場
    渋温泉の宿泊者には外湯めぐり専用の鍵が貸し出され、一番湯「初湯」から九番湯「大湯」まで九つの共同浴場を無料で利用できます。利用時間は原則6時から22時。いずれも地域の人々が普段から利用している共同浴場なので、旅人も「一泊住民」としてマナーを守りながらお湯を借ります。そんな距離感も、一般的な日帰り温泉巡りとは異なる魅力です。
  • 祈願手ぬぐいに印を集める楽しみ
    九湯めぐりのお供になるのが、各宿で販売されている「祈願手ぬぐい」です。各外湯の外に設置されたスタンプを一つずつ押しながら温泉街を巡っていきます。入浴するだけでなく、次の外湯を探して石畳を歩き、印が少しずつ増えていく過程そのものが旅の楽しみに。九つを巡った記録として、手ぬぐいを持ち帰れるのもうれしいところです。
  • 住民が守り続ける外湯文化
    九つの外湯は、古くから地域住民の生活の一部として利用されてきました。渋温泉公式によると、清掃や源泉の管理なども住民が担い、お湯を守り続けてきたといいます。外湯にはシャワーやシャンプー類がなく、脱衣所と浴槽を中心とした簡素な造り。設備の豪華さではなく、温泉街の暮らしに根づいた共同浴場そのものに触れられる場所です。
  • 七十八段の先に待つ高薬師
    九湯を巡ったあとは、温泉街の裏山にある「高薬師 和光庵」へ。公式では、七十八段の石段を上り、参詣して最後の印を受けることを九湯めぐりの総仕上げとして紹介しています。熱い湯に入り、石畳を歩き、最後は階段を一段ずつ上る。温泉だけでは完結せず、街歩きと祈願まで一続きになっているところに、渋温泉独自の物語があります。
湯上がりの路地で楽しむ温泉街の味

石畳の温泉街には、昔ながらの菓子店やそば店、飲食店、商店が点在しています。外湯から外湯へ向かう途中で温泉まんじゅうを買ったり、信州そばを味わったり。寄り道まで楽しい温泉街です。

  • うずまきパンと温泉まんじゅう
    小古井菓子店では、温泉まんじゅうと「うずまきパン」が人気商品として紹介されています。伝統的な和菓子だけでなく、昔ながらのパンまで名物になっているところが渋温泉らしいところ。外湯めぐりの途中に菓子店へ立ち寄り、気になるものを一つ選ぶ。そんな小さな寄り道を重ねていくと、温泉街そのものが一つの観光スポットに感じられてきます。
  • 自家製こし餡を守る羽田甘精堂
    1927年創業の羽田甘精堂は、自家製こし餡にこだわり続ける老舗菓子店です。温泉まんじゅうは、自家製こし餡を新鮮な卵を使った生地で包んだ看板商品。ほかにも山ノ内町産のそば粉を使った「はやそばもち」や、くるみゆべしなど個性的なお菓子が並びます。渋温泉を歩いた記憶と一緒に持ち帰りたくなる、温泉街らしい土産処です。
  • 信州産玄そばを使った手打ちそば
    玉川本店では、信州産の玄そばを自家製粉した手打ちそばを提供しています。定番のざるそばやとろろそばのほか、香ばしいくるみだれそば、秋冬限定のきのこそばなどもラインナップ。外湯をいくつか巡ったところで暖簾をくぐり、信州らしい一杯を味わうのも温泉旅ならでは。季節によって選ぶ一品を変えられるのも楽しみです。
  • 地酒や志賀高原ビールも楽しめる
    温泉街では信州の地酒に加え、地元山ノ内町の「志賀高原ビール」を扱う店もあります。KADOYA STANDING BARでは志賀高原ビールや山ノ内産りんごを使ったドリンクを提供し、竹内商店では地酒やクラフトビール、ワインなどを販売。夕食後に温泉街へ出たり、気になる一本を買って宿へ戻ったりと、夜の過ごし方にも選択肢があります。
信玄伝承と北信州の自然を巡る旅

約1300年前の開湯伝承から武田信玄との縁まで、渋温泉には長い歴史が残されています。少し足を延ばせば地獄谷野猿公苑や志賀高原もあり、歴史散策と自然体験を組み合わせられます。

  • 行基伝承と武田信玄の隠し湯
    渋温泉は約1300年前に行基が発見したと伝えられ、長く湯治場や草津街道の宿場として歴史を重ねてきました。戦国時代には武田信玄の隠し湯の一つとされ、川中島の戦いで傷ついた兵士を療養させたとの伝承も残ります。また温泉寺には、寺伝によれば信玄の寄進によって開基された歴史があり、信玄直筆とされる寄進状や軍配が寺宝として伝えられています。
  • 森を歩いて向かう地獄谷野猿公苑
    近隣の地獄谷野猿公苑では、自然環境の中で暮らす野生のニホンザルを観察できます。上林温泉から公苑へ続く湯道遊歩道は約2km、徒歩約30分。舗装されていない場所や坂、段差もある森の道を進んだ先に、ニホンザルの暮らす谷が現れます。冬には温泉へ入る姿でも知られますが、野生動物のためサルの来苑や入浴状況は日によって異なります。
  • 池や森を巡る志賀高原の山歩き
    渋温泉から山へ向かえば、上信越高原国立公園の志賀高原が広がります。グリーンシーズンには、湿原や湖沼、原生林などを巡る多彩なトレッキングコースがあり、一部ではゴンドラやサマーリフトも運行。冬になると大小18のスキー場からなる一大スノーエリアへ姿を変えます。温泉街を拠点に、季節ごとにまったく異なる自然を楽しめるエリアです。
  • 御利益散歩道と北斎の歌碑めぐり
    温泉街の裏山には、高薬師から天満宮や渋湯神社などを訪ね、温泉寺へ向かう「御利益散歩道」があります。さらに町中には、葛飾北斎にちなむ187基の歌碑と、「俳風柳多留」八十五編の巻頭文「序」を刻んだ御影石が点在。外湯だけを目的に歩くのではなく、寺社や歌碑を探しながら路地を巡れば、渋温泉の歴史や文化にも少しずつ触れられます。
ゆめにゃん

石畳を歩き、個性豊かな湯を巡り、温泉まんじゅうを頬張る。
次の休みは、渋温泉で「暮らしに根づく外湯文化と、昔ながらの温泉街」を味わう旅に出かけませんか?

主な参考資料・公式サイト

この記事は、主に以下の公式サイト・公的資料などを参考にしています。営業時間や料金、交通・観光情報などは変更される場合がありますので、お出かけ前に最新情報をご確認ください。

渋温泉 – アクセスと基本情報

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この記事を書いた人

温泉巡り歴15年。
トロトロのお湯と硫黄の香りが大好物。
なのに他の泉質にもすぐハマってしまう。
休日は山奥の秘湯へ直行。
そして、猫が好き。

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