赤湯温泉の魅力|赤褐色の内湯と乳白色の露天風呂が待つ秘湯(福島県福島市)

湯め活びより赤湯温泉魅力編アイキャッチ画像

標高約1200メートル、吾妻連峰の深い森に抱かれた福島県の赤湯温泉。
舗装道路から砂利道へと折れ、木々に囲まれた坂を下った先に、一軒宿の好山荘が静かに佇んでいます。
ブナ林を渡る風の音と、湯口から注がれるお湯の音。
そこには、山の静けさをじっくりと味わえる時間が流れています。

この記事でわかること
  • 紅白の源泉と泉質の違い
    赤褐色の単純温泉と乳白色の硫黄泉、それぞれのお湯の特徴と魅力。
  • ブナ林に囲まれた秘湯の魅力
    吾妻連峰の山奥に佇む一軒宿と、静かな自然に包まれた温泉地の風情。
  • 山の幸と土湯峠のご当地グルメ
    宿で味わう季節の家庭料理や、道の駅で人気のおやきとこんにゃく。
  • 吾妻連峰の絶景と周辺観光
    磐梯吾妻スカイラインや吾妻小富士など、温泉と一緒に巡りたい名所。
  • 四季の見どころと冬季休業
    春の残雪、夏の深緑、秋の紅葉と、訪問前に知りたい季節営業の情報。

この記事は、執筆時点で確認できる公式情報や公開資料などをもとに、温泉地の魅力を独自の視点でまとめたものです。季節や営業状況、時間の経過などにより、掲載内容が現在と異なる場合があります。お出かけ前には、各施設や観光協会などの公式サイトで最新情報をご確認ください。

目次

赤湯温泉ってどんなところ? | 4コマ漫画で体験してみる

ゆめにゃん

猫は入れないからフィクションにゃ…

赤湯温泉の魅力を詰め込んだ4コマ漫画。山の秘湯、紅白の源泉、峠の味覚、吾妻連峰の絶景を紹介。

温泉マニアあるある! – 赤湯温泉の魅力編

ゆめにゃん

マニアの人はこうなっちゃう…かも!?

紅白の湯を見て勝手にお祝いを始める

赤褐色の赤湯と乳白色の白湯。二つの源泉があると聞いたマニアは、「紅白じゃん! なんだかめでたいな!」と大喜び。友達が「温泉にお祝いも何もないだろ」と笑っても、「いやいや、こんなに色が違うお湯を楽しめるなんて、おめでたいことでしょ!」と満面の笑み。入浴する前から、すっかり祝賀ムードなのです。

赤いお湯を見ると温泉分析書が気になる

木造の内湯に広がる赤褐色のお湯を見た瞬間、マニアの目が輝きます。「おおっ! これは何が入ってるんだ!?」と温泉分析書を探し始め、泉質が単純温泉と知ってさらに興奮。友達が「単純温泉なのに、こんな色になるんだね」と驚くと、「そう! そこが面白いんだよ!」と熱弁。湯色だけでは語れない温泉の奥深さに夢中です。

白湯の硫黄の香りで山奥に来た実感を得る

ブナの森に囲まれた露天風呂で、乳白色のお湯から漂う硫黄の香りに気づいたマニア。「ああ……山奥まで来た甲斐があったなぁ」と、しみじみ。友達が「まだ入ったばかりじゃん」と笑っても、「この香りと景色だけで、もう旅が成立してる」とご満悦。硫黄の香りまで旅の思い出にしてしまいます。

湯口と湯尻を観察して入浴が進まない

湯船に入るなり、湯口から注がれるお湯と浴槽の縁を流れるオーバーフローが気になるマニア。「おっ、こっちから注いで、あっちへ流れてるのか」と観察に夢中。友達が「そろそろ普通に入ったら?」と声をかけても、「待って。もう少し湯の流れを見たい」と動きません。温泉に浸かりに来たのか、水の流れを調べに来たのか分からなくなっています。

二つの浴場を移動するだけで湯めぐり気分

赤湯の内湯と白湯の露天風呂が別々の場所にあると知ったマニア。「なるほど! これは立派な湯めぐりだ!」と嬉しそう。森の中を歩きながら、「次は硫黄泉か……」と期待を膨らませます。友達が「同じ宿のお風呂でしょ?」と笑っても、「源泉が違えば、もう別世界なんだよ」と力説。浴場間の移動まで旅の一部として楽しんでしまいます。

ブナの森に囲まれると秘湯指数を測り始める

山道を進み、深いブナ林の中に佇む好山荘を見つけたマニア。「うわぁ……これは秘湯指数が高いぞ」と大興奮。友達が「そんな指数あるの?」と尋ねると、「標高1200メートル、一軒宿、ブナの森、紅白の源泉……満点でしょ」とドヤ顔。採点基準は完全に自己流ですが、山奥の温泉への愛情だけは本物です。

赤褐色の湯船を見て色見本を作りたくなる

赤湯の湯船を眺めながら、「赤茶色……いや、少しオレンジがかってるかな?」と真剣に悩むマニア。友達が「赤でいいじゃん」と言っても、「違うんだよ。 光の当たり方でも印象が変わるんだから」と譲りません。ついには「温泉の湯色だけで色見本帳を作れそうだな」と妄想を開始。お湯の色を眺めるだけで、いつまでも楽しめるのです。

冬季休業と聞くと秘湯への憧れが強くなる

赤湯温泉が冬季休業すると知ったマニア。「そうか……雪に閉ざされる山の宿なんだな」としみじみ。友達が「行けない時期があるのは残念だね」と話しても、「だからこそ、行ける季節が特別なんだよ」と目を輝かせます。春の新緑、夏の深緑、秋の紅葉。次はいつ訪ねようかと、早くも予定帳を開いています。

磐梯吾妻スカイラインで温泉のことばかり考える

磐梯吾妻スカイラインを走り、吾妻小富士や浄土平の雄大な景色を眺めるマニア。友達が「すごい景色だね!」と感動している横で、「この山の地下から、あんなに違うお湯が湧いてるんだよなぁ……」と独り言。友達が「今は景色を楽しもうよ」と笑っても、「景色も温泉も、どっちもロマンでしょ」と満足げ。絶景を見ても、頭の中は源泉でいっぱいです。

白湯の分析書で鉄を見つけて大興奮する

宿の公式案内を読みながら、「鉄分豊富な赤湯と硫黄香る白湯か……」とうなずくマニア。ところが、露天風呂で白湯の温泉分析書を見つけると、「マジか! 白湯にも鉄が入ってるじゃん!!」と大興奮。まわりからは”鉄人”とあだ名されてしまうのです。

管理人

管理人いじりですね…
そう呼ばれるのも悪くない!

赤湯温泉の特徴と魅力

この地を訪れる旅人を迎えるのは、赤と白という対照的な二つの源泉です。
赤褐色のお湯が満ちる内湯と、ブナの木立に囲まれた露天風呂に広がる乳白色のにごり湯。
色も香りも異なるお湯を楽しみながら、湯船の向こうに広がる山の景色に見入る。
そんな贅沢なひとときが待っています。

実際に訪れて感じたことは「赤湯温泉レビュー」、現地で興味を持ったことを資料とともに掘り下げた内容は「赤湯温泉深掘りレビュー」で紹介しています。

温泉地としての魅力:深いブナ林に抱かれた紅白の湯と静寂の山宿

吾妻連峰の中腹、標高約1200メートルに位置する赤湯温泉。大型ホテルや商店が並ぶ温泉街とは趣を異にし、山深い森の中に一軒宿の好山荘が佇んでいます。

周囲を取り囲むのは、豊かなブナ林と雄大な山々。風が木々を揺らす音や野鳥のさえずりに耳を傾けながら、山あいならではの静かな時間を過ごせることが魅力です。

この温泉地を特徴づけるのが、赤褐色の「赤湯」と乳白色の「白湯」。木の温もりが感じられる内湯と、自然に囲まれた露天風呂で、それぞれ異なる源泉を楽しめます。

露天風呂は本館から離れた場所にあり、二つのお湯を訪ねるには着替えて移動するひと手間も。その距離感が、山の宿らしい素朴な風情を感じさせてくれます。

先代の主人が手づくりした露天風呂も受け継がれ、好山荘の歴史には、家族で湯宿を守り続けてきた歩みが刻まれています。春の新緑、夏の深緑、秋の紅葉とともに、何度でも訪れたくなる山の秘湯です。

温泉や泉質などの魅力:赤褐色と乳白色が織りなす二つの源泉の個性

赤湯温泉の大きな魅力は、一つの宿でありながら、色も香りも異なる二つのお湯を楽しめることです。

内湯を満たすのは、赤褐色の「赤湯」。温泉分析書では単純温泉に分類されます。単純温泉と聞くと、無色透明で穏やかな印象を思い浮かべるかもしれません。しかし、目の前に広がるのは、浴槽の底まで赤茶色に染まった印象的な光景です。

好山荘の公式案内によると、湧き出した直後のお湯は無色透明で、空気に触れることで赤褐色へと変化するとのこと。湯口から注がれるお湯と、浴槽にたまったお湯。同じ源泉でありながら、場所によって見え方が異なるところにも興味を引かれます。

鉄を含む成分が酸化して生じる赤茶色の沈殿物は、この湯色に関わる要素の一つと考えられます。ただし、お湯の色だけで含有成分の多さを判断できるわけではありません。その不思議な色合いは、温泉分析書を読み返してみたくなる魅力があります。

一方、森の中に設けられた露天風呂を満たすのは、乳白色の「白湯」。こちらは単純硫黄温泉(硫化水素型)に分類され、赤湯とは異なる硫黄特有の香りが漂っています。

浴槽の周囲には自然石が配され、その向こうにはブナ林の緑が広がります。白くにごった湯面に木々の影が映り込み、山の風景に溶け込むような静かな空間です。

硫黄を含む温泉では、成分の変化によって細かな硫黄の粒子が生じ、乳白色に見える場合があります。白湯の美しいにごりについても、その色がどのように生まれるのか、思わず興味が湧いてきます。

二つのお湯を比較すると、その違いがよく分かります。

名称赤湯白湯
浴場内湯露天風呂
泉質単純温泉単純硫黄温泉(硫化水素型)
お湯の色赤褐色乳白色
お湯の特徴赤茶色のにごりや沈殿物硫黄の香りと白いにごり
周囲の雰囲気木の温もりが感じられる浴室ブナ林に囲まれた開放的な空間

赤湯と白湯は隣り合った浴槽ではなく、それぞれ独立した場所にあります。

乳白色の露天風呂から赤褐色の内湯へ。いったん服を着て屋外を歩く時間も、ここでは湯めぐりの一部。木々の間を抜ける風や、季節ごとに変わる森の表情が、二つのお湯の違いをいっそう印象深くしてくれます。

また、好山荘では源泉かけ流しを案内する一方、加水・加温についても明記されています。自然の源泉をどのように浴槽へ届けているのか、湯使いに目を向けてみるのも興味深いところです。

赤いお湯と白いお湯。鮮やかな色彩の対比だけでなく、湯口の様子や香り、浴槽の造りまで観察してみると、赤湯温泉の奥深さが少しずつ見えてきます。

周辺グルメの魅力:山の宿の家庭料理と土湯峠の素朴な味覚を楽しむ

赤湯温泉を訪れるなら、山あいの宿ならではの食事や、土湯峠周辺で味わえる素朴なグルメも楽しみの一つです。

好山荘に宿泊する場合は、女将がその日に手に入る食材を見て献立を考える家庭料理が食卓を彩ります。好山荘の食事案内では、山菜や福島県産の野菜、近郊の市場から仕入れた魚介類などを使った、季節ごとの料理が紹介されています。

決まった品書きにとらわれず、その時々の食材を味わえるところに、山の湯宿らしい温かみが感じられます。

温泉の行き帰りに立ち寄りたいのが、国道115号沿いの「道の駅つちゆ」。名物の「峠のおやき」は、伊達鶏や白河豚を使った種類もある軽食です。

もう一つの名物「ちぎりこんにゃく」は、不揃いな形と弾力のある食感が特徴。味噌を添えたものなど、素朴な味わいを楽しめます。

食べる場所主な味覚楽しみ方
好山荘(宿泊時)山菜、地元野菜、魚介類などの家庭料理季節の食材を生かした宿の食卓
道の駅つちゆ峠のおやき、ちぎりこんにゃくドライブ途中の軽食
道の駅つちゆこんにゃくあいす、つちゆソフト峠で楽しむ変わり種の甘味
土湯温泉街温泉たまご温泉街散策のお供

道の駅では「こんにゃくあいす」や、山ぶどう・熊笹・高原ミルクを組み合わせた「つちゆソフト」も紹介されています。詳しくは道の駅つちゆの施設案内を参考にするとよいでしょう。

さらに山を下った土湯温泉街には、ニュー扇屋の自家源泉で作る温泉たまごもあります。山の味覚を少しずつ訪ね歩けば、温泉旅の楽しみがいっそう広がります。

※各施設の商品や料理の提供内容は、季節や営業状況によって異なります。

周辺観光・アクティビティの魅力:吾妻連峰の火山風景と雄大な山岳絶景を巡る

赤湯温泉の周辺には、火山活動がつくり上げた荒々しい地形と、緑豊かな高原の風景が広がっています。

その代表格が、全長約29キロメートルの磐梯吾妻スカイライン。吾妻連峰を縫うように走る山岳観光道路で、環境省の紹介にもあるように、新緑や紅葉、山肌の変化を楽しめる絶景ルートです。

道中には、作家の井上靖が名付けた「吾妻八景」の景勝地が点在しています。

スポット見どころ
吾妻小富士巨大な火口と福島盆地を望む眺望
浄土平湿原木道を歩きながら楽しむ高山植物
一切経山山頂から望む「魔女の瞳」こと五色沼
鎌沼静かな湖面と周囲の山々
つばくろ谷不動沢橋から眺める深い渓谷
天狗の庭岩が点在する山肌と紅葉

特に吾妻小富士は、浄土平から階段を登ると大きな火口が姿を現す人気の散策スポット。火口縁を歩くお鉢めぐりでは、火山の迫力を間近に感じられます。

もう少し山歩きを楽しみたいなら、環境省が紹介する一切経山の登山コースも魅力的。山頂から見下ろす五色沼は、美しい青色の湖面から「魔女の瞳」と呼ばれています。

また、山を下った土湯温泉街には、伝統工芸の土湯こけしに触れられる観光交流センター「湯愛舞台」もあります。

雄大な火山景観を眺め、山の自然を歩き、地域の文化に触れる。赤湯温泉を中心に、変化に富んだ旅を楽しめます。

季節限定の山の秘湯と受け継がれてきた宿の歩み

赤湯温泉は、福島市の土湯峠温泉郷に位置しています。周辺には野地温泉、新野地温泉、鷲倉温泉などが点在し、温泉めぐりの拠点としても魅力的な地域です。

好山荘へは県道から未舗装の砂利道を下って向かいます。一般的な温泉街とは異なる山道の先にあるため、道路状況を確認しながら訪れたい場所です。

標高が高く、冬季は積雪の影響を受けるため、宿は春から晩秋にかけての季節営業が基本です。磐梯吾妻スカイラインも冬季は通行止めとなり、開通期間中でも天候や火山活動によって規制される場合があります。

訪問前には好山荘の公式案内や磐梯吾妻スカイラインの道路情報を確認しておくと安心です。

そして、この宿には忘れてはならない歩みがあります。

2021年の福島県沖地震で建物が全壊する被害を受けながらも、常連客らの応援に支えられ、2022年7月に営業を再開しました。その経緯は福島市観光ノートの取材記事でも紹介されています。

新しい建物と、受け継がれてきた手づくりの露天風呂。山の自然とともに温泉を守り続ける人々の営みも、赤湯温泉の大切な魅力です。

ゆめにゃん

赤い湯に驚き、白い湯に見とれ、ブナ林の静けさに耳を澄ませる。
次の休みは、吾妻連峰の懐深くに佇む赤湯温泉で、紅白の源泉と山の豊かさを味わう旅に出かけませんか?

赤湯温泉 – アクセスと基本情報

温泉地名赤湯温泉
所在地福島県福島市土湯温泉町
入浴施設赤湯温泉 好山荘
主な泉質赤湯:単純温泉(低張性・中性・高温泉) pH6.7
白湯:単純硫黄温泉(硫化水素型)(低張性・弱酸性・高温泉) pH3.9
※異なる分析時点の源泉データに基づく値であり、浴槽内の測定値ではありません

掲載している情報は執筆時点のものです。最新の情報は公式サイト等で確認をお願いいたします。

赤湯温泉を彩る紅白の源泉

福島県の赤湯温泉を象徴するのが、赤褐色と乳白色という対照的な源泉。赤い湯は単純温泉、白い湯は単純硫黄温泉に分類され、色彩だけでなく泉質にも違いがあります。温泉の名前に由来する赤い湯と、もう一つの白い湯。その組み合わせが、温泉地の大きな特徴となっています。

名湯が集まる土湯峠温泉郷

福島市と猪苗代町を結ぶ山岳地帯に広がる土湯峠温泉郷。赤湯温泉のほか、野地温泉、新野地温泉、鷲倉温泉など、個性の異なる温泉が点在しています。標高の高い地域に複数の源泉が集まることから、福島県内でも山の温泉めぐりを楽しめるエリアとして知られています。

ブナの原生林に囲まれた秘湯

赤湯温泉の周辺には、吾妻連峰の山腹に広がるブナの森が残されています。ブナは日本の冷温帯を代表する落葉広葉樹で、季節ごとに葉の色や森の明るさが変化するのが特徴です。温泉地を取り巻く自然環境そのものが、山岳地帯ならではの景観を形づくっています。

磐梯吾妻スカイラインの絶景

吾妻連峰を横断する磐梯吾妻スカイラインは、福島県を代表する山岳観光道路。火山性の荒々しい山肌から緑豊かな森林地帯まで、標高によって景観が大きく変化します。吾妻小富士や浄土平などの観光名所にもつながり、赤湯温泉周辺の自然を知るうえで欠かせない存在です。

福島県に残る一軒宿の秘湯

赤湯温泉は、山中に一軒の湯宿が佇む小さな温泉地です。古くから湯を守り続けてきた歴史があり、2021年の福島県沖地震による被害を経て、2022年に営業が再開されました。大規模な温泉街とは異なる成り立ちと、自然環境の中で受け継がれてきた湯宿の文化が特徴です。

赤湯温泉 季節ごとの魅力

標高約1200メートル、吾妻連峰の深い森に佇む赤湯温泉は、季節によってまったく異なる表情を見せてくれます。
残雪と新緑が共存する春、ブナ林が深い緑に染まる夏、山々が黄金色に輝く秋。そして、雪に閉ざされる冬。
赤と白の対照的な源泉とともに、山岳地帯ならではの豊かな四季を感じられる温泉地です。

春(3~5月頃):残雪と新緑が織りなす山の目覚めと紅白の源泉

標高約1200メートルに位置する赤湯温泉では、麓よりもゆっくりと春が訪れます。雪深い冬を越え、山道の雪解けが進む頃、一軒宿の好山荘も営業再開の季節を迎えます。芽吹き始めたブナの若葉と、斜面に残る白い雪。山の春は、冬と新緑が隣り合う独特の風景から始まります。

森に囲まれた露天風呂では、淡い緑の木々を眺めながら乳白色の白湯を楽しめます。木造の内湯に移れば、空気に触れて赤褐色へと変化する赤湯が待っています。赤いお湯、白いお湯、そして芽吹いたばかりの森の緑。好山荘の温泉案内でも紹介されている春の景色は、紅白の源泉をいっそう印象深く見せてくれます。

宿泊時の食卓には、山菜や地元野菜を取り入れた女将の家庭料理も楽しみの一つ。好山荘の食事案内によると、その日に手に入る旬の食材を使って献立が考えられるため、山の季節を料理から感じられるのも魅力です。

周辺観光では、春の磐梯吾妻スカイラインが見逃せません。道路の再開通後、残雪の多い年には雪の回廊が現れ、白い雪壁の間を走る山岳ドライブが楽しめます。

福島盆地側から吾妻小富士を仰げば、斜面に残る雪がウサギの形に見える「雪うさぎ」も春の風物詩。環境省の浄土平案内にあるように、高所ではミネザクラなどの花々も平地より遅れて咲き始めます。

雪解けの山を訪ね、紅白のお湯と遅い春を楽しむ。赤湯温泉の新しい季節は、そんな穏やかな風景とともに幕を開けます。

夏(6~8月頃):深緑のブナ林と高原の風に包まれる秘湯の夏

夏を迎えると、赤湯温泉を囲むブナ林は深い緑に包まれます。標高約1200メートルの山あいには、福島盆地の街中とは異なる高原の空気が漂い、木々の間を吹き抜ける風が山の夏を感じさせてくれます。

とりわけ印象的なのが、森の中に設けられた露天風呂です。頭上にはブナの枝葉が広がり、木漏れ日が乳白色の湯面を照らします。硫黄特有の香りと葉擦れの音が重なる空間は、自然の中にひっそりと設けられた山の湯ならではの風情。赤褐色の内湯とは異なる開放的な雰囲気も、白湯の魅力となっています。

二つの浴場の間を移動するときには、深緑の森そのものが湯めぐりの道となります。木々に囲まれた小道を歩きながら、異なる源泉を訪ねるひとときも、夏の赤湯温泉らしい楽しみ方です。

宿での食事には、福島県産の野菜や旬の食材を取り入れた家庭料理が並びます。また、周辺をドライブするなら「道の駅つちゆ」も立ち寄りたい場所。山ぶどう、熊笹、高原ミルクを組み合わせた季節販売の「つちゆソフト」は、夏の峠道で楽しみたい甘味です。詳しくは全国道の駅連絡会の施設案内で紹介されています。

吾妻連峰の高所では、初夏から盛夏にかけて高山植物が次々と姿を現します。浄土平湿原ではワタスゲの白い果穂やイソツツジの花が見られ、木道を歩きながら自然観察を楽しめます。

さらに一切経山へ足を延ばせば、山頂からは「魔女の瞳」と呼ばれる五色沼の青い湖面を望むことができます。詳しい植物の分布や開花時期は浄土平ビジターセンターでも紹介されています。

天候に恵まれた夜には、浄土平周辺で星空観察を楽しむのもおすすめ。昼は深緑の森と紅白の源泉、夜は山の上に広がる星空。自然の表情を一日を通して楽しめる季節です。

秋(9~11月頃):黄金色のブナ林と紅白の源泉が彩る錦秋の山旅

吾妻連峰の秋は、標高の高い山々からゆっくりと麓へ下りてきます。浄土平周辺で始まった色づきは、やがて赤湯温泉を囲むブナ林にも広がり、山あいの景色を黄色や黄金色へと変えていきます。

秋の露天風呂では、乳白色の白湯と紅葉した木々の色彩が鮮やかな対比を見せます。風に揺れる枝先を眺め、ときおり舞い落ちる葉を目で追いながら過ごす時間は、この季節ならではの楽しみです。好山荘の公式案内でも、紅葉に彩られる秋の湯が紹介されています。

森の中の露天風呂から本館の内湯へ向かえば、今度は赤褐色のお湯が待っています。外の木々と湯船が似た色合いになる秋は、赤湯という名前がいっそう印象深く感じられる季節かもしれません。

宿泊時には、旬の山菜や地元野菜、魚介類などを取り入れた手づくりの料理も楽しみ。食材の組み合わせはその日によって異なりますが、秋の山の景色とともに味わう家庭料理には、素朴な湯宿の温かみがあります。

ドライブの途中には、「道の駅つちゆ」で名物の「峠のおやき」や「ちぎりこんにゃく」を味わうのもおすすめ。山道を走る旅に、地元ならではの味覚が彩りを添えてくれます。

周辺の磐梯吾妻スカイラインは、福島県を代表する紅葉の名所です。つばくろ谷では、深い渓谷と不動沢橋を囲む山肌が赤や黄色に染まり、天狗の庭では岩が点在する斜面と広葉樹の紅葉が独特の景観をつくり出します。環境省の山岳ドライブ案内でも、それぞれの見どころが紹介されています。

やがて落葉が進み、山には冬の気配が近づいてきます。雪が降り始める前の限られた時間に、森の紅葉と紅白の源泉を訪ねる。秋の赤湯温泉には、季節の移ろいを静かに味わう魅力があります。

冬(12~2月頃):雪に眠る山の秘湯と麓の温泉街で過ごす冬

冬になると、標高約1200メートルの赤湯温泉は深い雪に包まれます。ブナの木々は葉を落とし、春から秋にかけて緑に囲まれていた山肌も白銀の風景へと姿を変えます。

この季節、好山荘は原則として冬季休業となり、赤湯温泉での入浴や宿泊はできません。周辺の山岳道路も積雪や凍結の影響を受け、磐梯吾妻スカイラインは冬季通行止めとなります。訪問可能な季節が限られていることも、厳しい自然環境の中にある山の温泉地らしい特徴です。

山上の赤湯温泉が冬の休みに入る一方、山を下った土湯温泉街では、冬ならではの温泉旅を楽しめます。

荒川沿いに旅館や共同浴場が並ぶ土湯温泉は、赤湯温泉とは異なる趣を持つ温泉街。公衆浴場の「中之湯」では、単純温泉と炭酸水素塩泉という二つの泉質を楽しめます。赤湯温泉の紅白の源泉とはまた違う、温泉の多彩さに出会える場所です。

温泉街の散策では、ニュー扇屋の自家源泉でつくられる「森山のおんせんたまご」も味わってみたい名物。温泉の熱を利用して仕上げられる、土地ならではの一品です。

また、土湯温泉観光交流センター「湯愛舞台」では、伝統工芸の土湯こけしの絵付け体験が楽しめます。屋内で地域の文化に触れられるのも、冬の観光にうれしいところです。

周辺をドライブするなら、冬季も営業時間を短縮して営業する「道の駅つちゆ」への立ち寄りも候補になります。ただし、積雪や道路状況には十分な確認が必要です。

雪の季節は麓の温泉街で湯めぐりを楽しみながら、春の訪れを待つ時間。再びブナ林に新緑が芽吹き、赤と白の源泉を訪ねられる日が来ることを思うと、山の四季の巡りがいっそう愛おしく感じられます。

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この記事を書いた人

温泉巡り歴15年。
トロトロのお湯と硫黄の香りが大好物。
なのに他の泉質にもすぐハマってしまう。
休日は山奥の秘湯へ直行。
そして、猫が好き。

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