吾妻連峰の中腹、標高約750メートルの山あいに漂う硫黄の香りと湯けむり。
自然に湧き出す源泉を、地形の高低差を生かして浴槽まで届けるのが高湯温泉です。
青白く濁る硫黄泉と、400年以上受け継がれてきた静かな湯治場の風情。
その先には、磐梯吾妻スカイラインから続く雄大な山岳景観が待っています。
- 高湯温泉の泉質とお湯の特徴
青白い硫黄泉やpH、源泉ごとの違いを紹介します。 - 源泉かけ流しの湯使いと魅力
自然湧出や自然流下など、高湯ならではの湯使いを解説します。 - 高湯温泉の歴史と湯治場文化
奥州三高湯や鳴り物禁止など、400年以上の歩みをたどります。 - 周辺観光とおすすめの過ごし方
浄土平や吾妻小富士、グルメを組み合わせた楽しみ方を紹介します。 - 春夏秋冬で変わる季節の魅力
雪の回廊や新緑、紅葉、雪見温泉など四季の見どころをまとめます。
高湯温泉ってどんなところ? | 4コマ漫画で体験してみる
ゆめにゃん猫は入れないからフィクションにゃ…


温泉マニアあるある! – 高湯温泉の魅力編



マニアの人はこうなっちゃう…かも!?
- 青白い湯を見た瞬間に足が止まる
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浴室へ入って青白く濁った湯が目に飛び込むと、まず浴槽へ行かずに立ち止まります。「おぉ……今日はいい色してるな」と、なぜか鑑賞会からスタート。友達が「早く入ろうよ」と先へ進んでも、「ちょっと待って、この光の当たり方いいから」と動きません。高湯では入浴前からすでに忙しいのです。
- 硫黄の香りで到着を確信する
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高湯へ近づいて硫黄らしい香りを感じると、「来た来た来た!」と急にテンションが上がります。まだ浴槽どころか温泉分析書すら見ていないのに、「これですよ、高湯ですよ」と満足そう。友達から「看板見れば分かるだろ」と言われても関係ありません。マニアにとって鼻も立派な温泉センサーです。
- 湯口を見つけると吸い寄せられる
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青白い浴槽が目の前にあるのに、真っ先に向かうのはなぜか湯口。「ここから来てるのか……」と源泉が注がれる様子をじっと観察します。湯量、温度、流れ方まで確認してからようやく入浴。友達がすでにくつろいでいても、「待って、いま重要なところだから」と湯口から離れません。
- オーバーフローでニヤニヤする
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浴槽の縁から湯が静かにあふれているのを見つけると、急に機嫌がよくなります。「ほら、流れてる流れてる」と床を眺めてニヤニヤ。友達にはただのお湯にしか見えませんが、マニアには見逃せない景色です。せっかく青白い湯船があるのに、浴槽より床を見ている時間のほうが長くなることさえあります。
- 湯の花を見つけると観察会が始まる
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白濁した湯の中に湯の花を見つけると、「おっ、いるいる」と静かに興奮します。手のひらですくって眺めたり、湯口付近と浴槽の中央で違いを探したり、完全に自由研究状態。友達が「そんなに見るもの?」と聞けば、「同じ高湯でも源泉で違うんだよ」と嬉しそう。入浴時間がどんどん延びていきます。
- 源泉が違うと全部入りたくなる
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高湯には複数の源泉があり、施設や浴槽によって使われる湯も異なります。それを知ったマニアは「じゃあ比較しないと」と使命感を発動。同じ温泉地なのに一湯で帰るという選択肢が消えます。「さっき入ったじゃん」と言われても、「いや、源泉が違うから」と真顔。温泉地そのものが巨大な比較実験場になります。
- 自然流下という言葉だけで喜ぶ
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源泉が自然湧出し、高低差を利用して湯が運ばれていると知れば、「ポンプじゃないんだよ、自然流下!」と急に説明役になります。友達が「普通にお湯が来ればよくない?」と返しても、「そこがロマンなんだって!」とドヤ顔。山から湯船まで続く一本の流れを想像するだけで、ご機嫌になれるのが温泉マニアです。
- 奥州三高湯を聞いて残り二湯を確認する
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高湯温泉が蔵王温泉、白布温泉とともに「奥州三高湯」と呼ばれてきたと知ると、頭の中で即座にスタンプラリーが始まります。「高湯は来た。蔵王は……白布は……」と突然これまでの入浴歴を棚卸し。友達が歴史の話を聞いている横で、本人だけは「あと何湯だ?」と完全制覇のことで頭がいっぱいです。
- 分析書のカルシウムで急に静かになる
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酸性、含硫黄、硫酸塩……と泉質名を追っていたマニアの視線が、「カルシウム」の文字で突然止まります。「……カルシウムね」と小さくつぶやき、Ca²⁺の数値まで確認して大きくうなずきます。友達が「何が分かったの?」と尋ねても、「いや、ちょっとね」と意味深な返事をします。
- 湯ざわりからカルシウムを語り出す
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青白い硫黄泉に浸かりながら、しばらく無言で湯ざわりを確かめたあと、隣の友達へ突然ひと言。「この湯ざわり……わかる? カルシウム。」・・・湯ざわりだけでカルシウムを判別できるわけはなく、友達が「分かるわけねぇだろ!」と困惑する横で、本人だけは満足そう。その姿を見たまわりからは、”湯めぐりカルシウム”とあだ名されてしまうのです。



管理人いじりですね…
そう呼ばれるのも悪くない!
高湯温泉の魅力まとめ
山道を上った先で迎えてくれるのは、澄んだ山の空気と硫黄泉の存在感。
自然湧出した源泉を生かし、加水・加温をせず浴槽へ届ける湯使いが受け継がれています。
歓楽街のにぎわいではなく、山と湯に向き合う静かな時間こそ高湯らしさ。
吾妻連峰の四季とともに、400年以上続く湯の里を巡る旅が始まります。
高湯温泉では自然に湧き出す源泉を地形の高低差で引湯し、加水・加温を行わない源泉かけ流しを地域の大切な文化として受け継いでいます。2010年には温泉地全体で「源泉かけ流し宣言」を行いました。
- 高低差を生かした自然流下
高湯の源泉は山あいに点在し、地形そのものの高低差を利用して浴槽まで引湯されています。ポンプで押し上げるのではなく、自然の勾配に沿って源泉を運ぶ「自然流下」が高湯らしい湯使いの一つ。山から湧いた湯が温泉街へと流れていく仕組みそのものに、山岳温泉地ならではの面白さがあります。 - 加水・加温をしない湯使い
高湯温泉では、地域を挙げて自然湧出の源泉を生かしたかけ流しを掲げています。福島市の観光案内でも、全ての宿が加水・加温をしない方式と紹介されています。源泉そのものの温度や湧出量と向き合いながら浴槽へ届ける姿勢は、400年以上続く高湯の温泉文化を象徴しています。 - 湯量を調整して浴槽へ
公開されている施設情報では、源泉から引いた湯を水で薄めるのではなく、流し込む湯量を調節しながら浴槽の温度を整える例があります。源泉温度や外気温、引湯距離などによって条件が変わるため、その日の気候や浴槽によって湯の表情が少しずつ異なるのも、自然湧出泉ならではです。 - 豊富な湧出量が支える湯
高湯温泉では毎分2,500リットルを超える規模の湧出量が紹介され、複数の自然湧出源泉が温泉地を支えています。源泉ごとに温度や湧出量は異なり、それぞれが浴舎へ引かれているのも特徴。豊かな湯が絶えず流れ続ける光景は、高湯の温泉地としての力強さを感じさせます。
高湯を象徴するのが、硫黄の香りを漂わせる白濁から青白色の湯。公開されている源泉ではpH2.8前後、源泉温度は40℃台を中心とし、源泉によって温度や湯の花などにも違いがあります。
- 青白く輝く独特の湯景色
高湯の硫黄泉は、浴槽では白濁から淡い青白色に見えることがあります。光の当たり方や浴槽の色、湯の状態によって印象が変わり、木造の湯小屋や山の緑との組み合わせも印象的。乳白色一色では表現しきれない、微妙な色合いの変化を眺めることも高湯の楽しみです。 - pH2.8前後の酸性硫黄泉
代表的な源泉は、酸性・含硫黄(硫化水素型)の硫酸塩温泉として分析されています。公開値では高湯5番・10番源泉はいずれもpH2.8。アルカリ性泉とは対照的な酸性側の数値と、はっきりと感じられる硫黄系の香りが、高湯のお湯を特徴づけています。 - 源泉ごとに異なる温度
高湯温泉の源泉温度は、公開情報ではおおむね40℃台半ばから50℃前後。例えば玉子湯5番・10番源泉はいずれも44.0℃で、温泉地全体では43.7~49.4℃という案内もあります。同じ温泉地にありながら、引いている源泉によって浴槽の印象が変わるのも興味深いところです。 - 源泉ごとの違いを楽しむ
高湯には「滝の湯」「仙気の湯」など名前を持つ複数の源泉があります。公式案内でも、熱め・ぬるめ、湯の花が多い、砂を含むなど源泉による個性が紹介されています。一つの数値だけで高湯全体を語るのではなく、宿や浴槽ごとの源泉を見比べると、温泉地の奥深さがより見えてきます。
1607年の開湯と伝わる高湯温泉は、蔵王温泉・白布温泉とともに「奥州三高湯」に数えられる古湯。歓楽的なにぎわいよりも、山と湯に向き合う静かな湯治場として独自の歴史を重ねてきました。
- 1607年から続く山の湯
高湯温泉の開湯は慶長12年、1607年と伝えられています。吾妻山の中腹という山深い場所で湯場が営まれ、400年以上にわたって旅人を迎えてきました。華やかな観光開発によって形を変えるよりも、自然湧出する湯と山あいの環境を守りながら歴史を重ねてきたことが、高湯の大きな個性です。 - 奥州三高湯に数えられる古湯
高湯温泉は、山形県の蔵王温泉、山形県米沢市の白布温泉とともに「奥州三高湯」と呼ばれてきました。かつては旧郡名にちなみ「信夫高湯」と呼ばれた歴史もあります。東北の山あいで長く湯治場として知られてきた背景を知ると、現在の静かな温泉地の風景にも違った味わいが生まれます。 - 鳴り物を禁じた湯治の文化
高湯には古くから「一切の鳴り物禁止」というしきたりがあったと伝えられています。三味線や太鼓などを伴う遊興より、湯治を目的とする場所であることを重んじてきたものです。現代でも大規模な歓楽街を持たず、宿と湯けむりが山あいに点在する景観には、そうした歴史の面影が感じられます。 - 湯小屋が伝える昔日の風情
温泉街には、長い年月を重ねた木造建築や歴史ある湯小屋も残されています。なかでも茅葺きの湯小屋は、高湯の湯治場らしい景観を象徴する存在の一つ。立派な温泉街を歩くというより、山の斜面に点在する宿や湯けむりを眺めながら、昔ながらの湯場の空気を感じる散策が似合います。
高湯の食は、にぎやかな食べ歩きというより宿の料理や吾妻山麓との組み合わせが中心。山菜や川魚を取り入れた料理、手打ちそば、果樹王国・福島らしい旬の果物まで、山から里へ続く味覚を楽しめます。
- 季節を映す山の宿の料理
高湯の宿では、山菜をはじめ地元や季節の食材を取り入れた和食を用意する例があります。山の中腹という立地だからこそ、夕暮れの山景色や静かな宿の空気と一緒に食事を味わえるのも魅力。献立は宿や季節によって異なるため、その時期ならではの一皿との出会いも滞在の楽しみになります。 - 川魚や福島の食材を一皿に
宿によっては旬の川魚の塩焼きや福島県産の牛肉など、県内や山あいの食材を取り入れた料理も用意されています。特定の名物だけを追うのではなく、その日の仕入れや季節に合わせた献立を味わうのが高湯らしい食事の楽しみ方。静かな山の夜とともに、福島の味をゆっくり巡れます。 - 吾妻山麓の手打ちそば
温泉街から山を下った高湯エリアには、十割そばや裁ちそばなどを味わえる店が点在しています。会津地粉と吾妻山の伏流水を使う手打ちそば店も紹介されており、高湯へ向かう途中の昼食にも好相性。温泉だけで完結させず、麓まで含めて旅程を組むことで吾妻山麓の食文化がぐっと広がります。 - 果樹王国を走るフルーツライン
吾妻山麓を走る約14kmのフルーツラインには果樹園や直売所が並び、初夏のさくらんぼから桃、梨、ぶどう、りんごへと旬が続きます。果物狩りやスイーツを楽しめる施設もあり、周辺には福島市初のワイナリーも。山の硫黄泉と里の果実を一度の旅で楽しめるのも、高湯ならではの立地です。
高湯温泉のすぐ先から、磐梯吾妻スカイラインは標高1600メートル級の世界へ。吾妻小富士の火口、浄土平の湿原、一切経山と五色沼など、火山が生んだ雄大な風景を巡る拠点になります。
- 天空を走る磐梯吾妻スカイライン
高湯温泉と土湯峠を結ぶ磐梯吾妻スカイラインは、全長約29km、最高地点1,622mの山岳観光道路です。温泉街を出発すると、森林帯から荒々しい火山景観へと風景が大きく変化。春の残雪、新緑、秋の紅葉と季節ごとに表情を変え、高湯の温泉旅に壮大な山岳ドライブを加えてくれます。 - 巨大な火口を歩く吾妻小富士
標高約1,600mの浄土平から階段を約10分登ると、吾妻小富士の大きな火口縁へ到着します。噴火口の縁は一周約60分が目安。植物の多い温泉街周辺とは一変し、岩肌が広がる火山地形と遠くの山々を見渡す、ダイナミックな散策を楽しめます。歩きやすい靴で訪れたい場所です。 - 一切経山から望む「魔女の瞳」
浄土平から一切経山へ登った先では、五色沼を見下ろす景観が待っています。光の具合によって青の印象が変わることから「魔女の瞳」と呼ばれる火口湖で、浄土平から山頂までは徒歩約90分が目安。本格的な山歩きになりますが、荒々しい山肌と鮮やかな水面が並ぶ吾妻連峰を代表する景観です。 - 温泉街でも自然を間近に
遠くまで登山へ出かけなくても、高湯周辺には自然や温泉を身近に感じられる場所があります。温泉公園では白濁した湯が流れる様子や源泉付近を眺められ、高湯不動滝へ続く遊歩道もあります。湯に浸かる時間と、山の水音や湯けむりを眺めながら歩く時間を組み合わせられるのも魅力です。



湯けむりに包まれ、青白い硫黄泉を眺め、吾妻の山と果実の季節を巡る。
次の休みは、高湯温泉で「ありのままの湯と山の静けさ」に出会う旅へ出かけませんか?
この記事は、主に以下の公式サイト・公的資料などを参考にしています。営業時間や料金、交通・観光情報などは変更される場合がありますので、お出かけ前に最新情報をご確認ください。
高湯温泉 – アクセスと基本情報
| 温泉地名 | 高湯温泉 |
|---|---|
| 所在地 | 福島県福島市町庭坂 |
| 入浴施設 | 複数あり |
| 主な泉質 | 酸性-含硫黄-カルシウム・アルミニウム-硫酸塩温泉(硫化水素型)など ※源泉によって成分・泉質表記に違いがあります。 pH:2.7~2.8前後 ※源泉によって異なり、高湯温泉では酸性側の数値を示す源泉がみられます。 |
| お湯の特徴 | 高湯を象徴するのは、白濁から青白く見える酸性の硫黄泉。 複数の自然湧出源泉を地形の高低差を生かして浴槽へ導き、加水・加温を行わない源泉かけ流しを温泉地全体で大切にしています。 源泉ごとの温度や湧出量の違いを比べるのも楽しみです。 |
| 香り | 温泉街へ近づくにつれて感じられる、硫黄泉らしい存在感のある香りも高湯の印象をつくる要素です。湯口や浴槽では硫黄を思わせる独特の香りが漂い、青白い濁り湯や山あいの湯けむりとともに、視覚と嗅覚の両方から高湯らしさを感じられます。 |
| 雰囲気 | 吾妻連峰の中腹、標高約750mの山あいに宿が点在する静かな温泉地です。 1607年開湯と伝わる歴史を持ちながら、大規模な歓楽街ではなく、湯けむりや木造の湯小屋、山の自然が主役。 400年以上受け継がれてきた素朴な湯治場の面影を感じられます。 |
| 楽しみ方 | まずは日帰り入浴や宿泊で、高湯ならではの青白い硫黄泉をじっくり楽しみたいところ。 季節のよい時期には磐梯吾妻スカイラインを走り、浄土平や吾妻小富士の火山景観へ足を延ばすのもおすすめです。 帰りは吾妻山麓の手打ちそばを味わったり、フルーツラインで桃・梨・ぶどう・りんごなど旬の果物や直売所を巡ったりすれば、「山の湯+絶景+福島の味覚」を一度に楽しむ旅になります。 |
| ※源泉や施設によって記載と異なる場合があります。コンディションによって印象は変わる場合があります。 ※掲載している情報は執筆時点のものです。最新の情報は公式サイト等で確認をお願いいたします。 | |
- 奥州三高湯に数えられる高湯温泉
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高湯温泉は、蔵王温泉・白布温泉と並ぶ「奥州三高湯」の一つとして知られる福島の古湯です。かつて「信夫高湯」と呼ばれた歴史もあり、東北に残る山岳温泉文化をたどるうえでも興味深い存在です。
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高湯温泉 季節ごとの魅力まとめ
吾妻連峰の中腹、標高約750メートルに位置する高湯温泉。
さらにその先には、標高約1,600メートルの浄土平へ続く山岳世界が広がります。
春の残雪、夏の高山植物、山頂から麓へ移る秋の紅葉、そして白銀に包まれる冬。
大きな標高差が生み出す四季の変化を、青白い硫黄泉とともに楽しめる温泉地です。
3月にはまだ雪景色が残る高湯も、4月から5月にかけて少しずつ春の表情へ。吾妻小富士の「雪うさぎ」、果樹の花、雪の回廊、新緑と、標高によって異なる季節の進み方を楽しめます。
- 雪うさぎと果樹の花々
吾妻小富士では、雪解けが進む春になると山肌にうさぎの形をした雪形が現れます。古くから「種まきうさぎ」と呼ばれてきた福島の春の風物詩です。山麓のフルーツラインでは4月中旬頃から桃、梨、りんごなどの花が続き、残雪を抱く吾妻連峰と淡い花色が春らしい風景をつくります。 - 雪壁を抜ける春の山岳路
冬季閉鎖される磐梯吾妻スカイラインは、例年4月下旬頃に再開通します。開通直後には標高の高い区間に雪壁が残り、道路の両側に白い壁が続く「雪の回廊」が出現。2026年は4月21日に再開通し、春ならではの残雪ドライブが始まりました。開通日は年によって異なるため、訪問前の確認が必要です。 - 残雪から始まる高山植物
5月になると浄土平周辺でも雪解けが進み、高山植物の季節が始まります。イワカガミやミツバオウレンなどが姿を見せ、残雪の白と芽吹き始めた植物が山上に春の色を添えます。標高約1,600メートルのため、福島盆地より遅れて訪れる春を眺められるのも吾妻連峰ならではです。 - 残雪と青白い湯の景色
3月頃の高湯では、まだ雪に包まれる日もあります。白い山景色の中に湯けむりが立ち、青白く見える硫黄泉や木造の湯小屋が冬の名残を感じさせます。そこから雪解けが進み、周囲の木々が少しずつ春色へ変わっていく様子を眺められるのが、この時期ならではの温泉情緒です。
高湯から磐梯吾妻スカイラインを上れば、標高約1,600メートルの浄土平へ。高山植物や火山景観、青く見える五色沼、澄んだ星空が夏の山旅を彩り、麓ではさくらんぼから桃へ果物の旬が続きます。
- 涼風が渡る浄土平湿原
浄土平は標高約1,600メートルに位置し、福島市街など平地と比べて気温が10度ほど低くなることがあります。夏でも気温差を考えた服装が必要な高山地帯です。6月から8月にかけてはワタスゲやシャクナゲなど季節ごとの植物が見られ、木道沿いに夏の高原らしい風景が広がります。 - 青く輝く魔女の瞳
一切経山の山頂付近から見下ろす五色沼は、コバルトブルーの湖面から「魔女の瞳」の名で親しまれています。水面の色合いは天候や季節、太陽光の状態によって印象が変化。浄土平から山頂までは約90分が目安となる登山コースで、荒々しい火山地形と鮮やかな湖面の対比を望めます。 - 標高1600メートルの星空
浄土平は周囲の空気が澄み、人工光の影響も比較的少ないことから、星空観察のスポットとして知られています。浄土平天文台には口径40センチの反射望遠鏡が設けられ、観望イベントが行われることも。高湯に宿泊し、昼は山岳景観、夜は星空という過ごし方も夏ならではです。 - さくらんぼから桃の季節へ
吾妻山麓のフルーツラインでは、6月のさくらんぼを皮切りに夏の果物シーズンが始まります。7月中旬頃からは桃が旬を迎え、8月には福島を代表する「あかつき」なども登場。観光果樹園や直売所を巡れば、高山散策や温泉と一緒に福島の夏の味覚を楽しめます。
吾妻連峰の紅葉は標高の高い場所から始まり、少しずつ高湯温泉へと下ってきます。浄土平、つばくろ谷、高湯温泉と時期をずらして色づくため、山岳道路そのものが秋の移ろいを眺める舞台になります。
- 山から麓へ下る紅葉前線
吾妻連峰では、例年9月下旬頃に標高約1,600メートルの浄土平周辺から紅葉が始まります。その後、10月中旬から下旬には不動沢橋周辺、10月中旬から下旬頃には標高約750メートルの高湯温泉へ。標高差が大きいため、秋色が少しずつ山を下っていく様子を長い期間にわたって楽しめます。 - つばくろ谷を染める紅葉
高湯から磐梯吾妻スカイラインを上った先にあるつばくろ谷は、秋を代表する景勝地です。不動沢橋は谷底から約80メートルの高さに架かり、橋周辺からは赤や黄色に染まる深い渓谷を一望できます。高湯温泉から車で約20分と近く、秋の温泉旅行と組み合わせやすい場所です。 - 秋色に包まれる浄土平
9月の浄土平周辺では、エゾオヤマリンドウやアキノキリンソウなど秋の植物も見られます。高原の植物が少しずつ落ち着いた色合いへ変わり、夏とは違った静かな山岳風景に。一切経山から望む五色沼も、色づいた周囲の山肌と鮮やかな青い水面の組み合わせが印象的です。 - 紅葉と湯けむりの温泉街
高湯温泉周辺の紅葉は、例年10月中旬から下旬頃が見頃の目安です。周囲の山々が色づくと、白い湯けむりや青白い硫黄泉とのコントラストも秋らしい表情に。11月へ入ると山は次第に冬支度へ向かい、磐梯吾妻スカイラインも例年中旬頃から冬季閉鎖の時期を迎えます。
冬の高湯温泉は、周囲の山々や木造の湯小屋が雪に包まれ、白い景色の中に湯けむりが立ち上ります。スカイラインは冬季閉鎖となり、山岳観光よりも温泉街で静かに過ごす時間が旅の中心になります。
- 雪景色に浮かぶ青白い湯
積雪期の高湯では、白い雪と濃い木立の間に青白い硫黄泉が広がり、ほかの季節とは違うコントラストを見せます。浴槽から立ち上る湯けむりや雪をまとった木造建築も冬ならではの景観。雪そのものが周囲の色彩を抑えることで、高湯を象徴する濁り湯の色合いがより印象的に映ります。 - 静けさ深まる山の湯治場
磐梯吾妻スカイラインが冬季閉鎖に入ると、温泉街から先の山岳道路は春まで通行できなくなります。観光ドライブの季節とは異なり、冬は宿や温泉街で過ごす時間が中心。高湯に伝わる「一切の鳴り物を禁ず」という湯治場の歴史とも重なるような、落ち着いた山の時間を感じられる季節です。 - 冬も湯を支える湯番の仕事
高湯では、源泉から各施設へ湯を届ける湯樋や湯管を「湯番」と呼ばれる担い手が管理しています。季節や天候を見ながら湯量などを調整し、浴槽の状態を整えるのも大切な仕事です。自然湧出の源泉を生かす高湯では、冬の厳しい環境の中でも、こうした日々の手入れが温泉文化を支えています。 - 冬道に備えて向かう高湯
磐梯吾妻スカイラインは冬季閉鎖されますが、高湯温泉までは通行可能と案内されています。ただし積雪や凍結が生じる山道のため、車ではスタッドレスタイヤなど冬装備が必要です。福島駅と高湯を結ぶ路線バスもありますが、降雪時を含め道路・運行状況は変わるため、出発前に最新情報を確認して向かいたいところです。
この記事は、主に以下の公式サイト・公的資料などを参考にしています。営業時間や料金、交通・観光情報などは変更される場合がありますので、お出かけ前に最新情報をご確認ください。









