松之山温泉レビュー|鷹の湯で日帰り入浴!日本三大薬湯と化石海水を体験(新潟県十日町市)

湯め活びより松之山温泉のアイキャッチ画像

草津や有馬と並び称される松之山温泉は、太古の化石海水を起源とする濃厚な塩化物泉が湧く山あいの温泉地です。
地下深くに閉じ込められた海水が地表へ押し出され、立ちのぼる油の香りと重厚な湯ざわりが湯船に広がります。
雪国の山里に佇む風情ある街並みとともに、独自の地質が育んだ個性的な名湯を巡る時間が流れています。

この記事でわかること
  • 松之山温泉・鷹の湯の泉質
    高張性の塩化物泉や高温源泉、微油臭など個性的なお湯を紹介します。
  • 鷹の湯の日帰り入浴レビュー
    内湯や露天風呂、湯口やオーバーフローなど実際の入浴体験を紹介します。
  • 化石海水と温泉分析書の特徴
    溶存物質や塩化物イオンなど、分析書から鷹の湯の特徴を読み解きます。
  • 雪見露天風呂と冬の楽しみ方
    雪が舞う露天風呂で、熱い湯と冬の外気を楽しんだ様子を紹介します。
  • 松之山温泉への冬のアクセス
    12月の雪道やスタッドレスタイヤなど、冬に訪れたときの様子を紹介します。
目次

松之山温泉ってどんなところ? | 4コマ漫画で体験してみる

ゆめにゃん

猫は入れないからフィクションにゃ…

松之山温泉の魅力を詰め込んだ4コマ漫画。雪景色の温泉街、化石海水、源泉熱グルメ、美人林を紹介。

松之山温泉 体験記

12月上旬、雪が舞い始めた新潟の山あいを車で目指し、松之山温泉の共同浴場「鷹の湯」へ立ち寄りました。
掲示された温泉分析書の数値に目を奪われ、浴室では湯けむりの向こうに広がる濃厚な湯と対面しました。
雪景色の中で熱い湯と外気を交互に味わった、冬の始まりの湯巡り記録です。

この体験記は、訪問当時の個人的体験と記憶をもとに情報を交えて執筆しています。季節や営業状況、時間の経過などにより、掲載内容が現在と異なる場合があります。お出かけ前には、各施設の公式サイト等で最新情報をご確認ください。

雪道と雪国の味をたどって松之山へ

雲海を見る旅の途中に松之山温泉を組み込み、雪道への準備を済ませて新潟へ。へぎそばと地元スーパーを経由し、雪が積もり始めた山道を進んで夕方の鷹の湯へ到着しました。

  • 旅は地図を開くところから
    雲海を見る旅を計画し、新潟方面の宿を探しているうちに松之山温泉へ目が向きました。時期は12月上旬。車はスタッドレスタイヤへ交換し、道路状況や天気予報も確認します。地図上で温泉街への道筋を追いながら、立ち寄る場所を組み立てていきました。
  • 雪国でへぎそばを味わう
    当日はくもり時々雪。14時頃、国道17号沿いの蕎麦店へ入り、好物のへぎそばを注文しました。布海苔をつなぎに使った麺を冷たいつゆへくぐらせると、つるりとした舌触りと締まった歯応えが続きます。箸を止める間もなく一枚を平らげ、再び車へ戻りました。
  • 夕食を積んで山間部へ
    宿は夕食なしのプランだったため、途中のスーパーにも立ち寄りました。総菜売り場を歩きながら弁当や地元食材を選び、夜用の飲み物もカゴへ。荷物を車に積み、次はいよいよ松之山温泉です。窓の外では雪片が少しずつ増えていました。
  • 雪の中で鷹の湯へ到着
    山間部へ入ると道路脇が白くなり、木々にも雪が残っています。除雪された道を慎重に進み、16時20分頃に鷹の湯へ到着しました。車外へ出ると頬に冷気が当たり、その中へ温泉らしい独特の香りがわずかに混じります。足元を確かめながら入口へ向かいました。
浴室へ入る前に分析書で足が止まる

入浴券を購入して通路を進むと、額装された温泉分析書が目に入りました。数字を一つずつ追うほど情報量が増え、浴室へ向かうはずの足がその場で止まってしまいます。

  • 最初に目へ入った16,256
    受付を済ませて奥へ進むと、壁に温泉分析書が掲示されていました。目を落とした先にあった溶存物質は16,256mg/kg。泉質欄には「ナトリウム・カルシウム-塩化物泉」、その後ろには「高張性・弱アルカリ性・高温泉」と続いています。ここで一度、読む速度が落ちました。
  • カルシウムと塩化物を確認
    成分表を追うと、ナトリウム3,781mg/kg、カルシウム2,043mg/kg、塩化物イオン9,514mg/kg。透明な湯を想像していた頭の中へ、次々と数字が入ってきます。さらに臭化物イオンやヨウ化物イオンも並び、海水を起源とするとされる温泉の背景まで読み進めたくなりました。
  • メタホウ酸の欄でも停止
    非解離成分を見ると、メタケイ酸169.5mg/kgに対し、メタホウ酸は287.4mg/kg。ここでも視線が止まります。数値をスマートフォンで記録しながら、表の上から下まで何度か往復しました。浴室へ入る前なのに、すでに分析書だけでかなりの時間を使っています。
  • 88.7℃と微油臭の文字
    さらに泉温88.7℃、湧出量882L/min、掘削自噴という記載を確認。知覚的試験には「無色澄明、微油臭、塩味・苦味」とあります。数値と文字を頭へ入れたまま脱衣所へ入り、服を脱いでタオルを手に取りました。次は実際の湯で確かめる番です。
湯けむりの内湯で油の香りと向き合う

浴室の扉を開けると、白い湯けむりの中へ独特の油を思わせる香りが混じっていました。透明な湯が湯口から注がれ、浴槽の縁から床へ流れるオーバーフローを眺めながら、ゆっくり湯へ入りました。

  • 扉の向こうから独特の香り
    浴室へ入った瞬間、先ほど分析書で読んだ「微油臭」という文字が頭へ戻ってきました。白い湯けむりの奥には内湯があり、夕方ということもあって7人ほどが静かに入っています。まず洗い場へ向かい、シャワーで頭と体を洗ってから浴槽へ近づきました。
  • 掛け湯から熱さを確かめる
    桶で湯をすくい、足先から順番に掛けていきます。最初に伝わったのは、しっかりした熱さと重みのある湯ざわりでした。浴槽へ片足ずつ入り、波紋を立てないよう腰を下ろします。肩まで浸かると、透明な見た目とは対照的な存在感が肌へ残りました。
  • 湯口とオーバーフローを見る
    湯口からは透明な湯が絶えず入り、浴槽の縁を越えた湯が床へ流れ続けています。源泉そのものは88.7℃。それでも浴槽では入浴できる温度に調整されていました。高温かつ成分量の多い源泉を扱う現場だけに、湯量や温度を管理する日々の作業を想像せずにはいられません。
  • 壁面に残る析出物を眺める
    浴槽の底や壁面へ目を向けると、ところどころに析出物が残っています。手を伸ばすことはせず、湯へ浸かったまま目で追いました。数分経つと額から汗が流れ始めたため、一度浴槽を出ます。縁で体を休め、冷たい空気を吸い込んでから次の場所へ向かいました。
雪が舞う露天で熱い湯と冷気を往復

内湯を出て露天風呂へ向かうと、岩や木々には雪が積もり、空からも細かな雪が落ちていました。熱めの湯へ数分入り、外へ出て冷気に当たる。その往復を繰り返しながら冬の露天を味わいました。

  • 扉を開けると白い景色
    内湯から外へ続く扉を開けると、空気が一気に変わりました。頭上には屋根がありますが、周囲の岩や木々には雪が積もっています。湯けむりの向こうへ白い景色が広がり、そこへ油を思わせる香りと鉱物系の匂いが薄く混じっていました。
  • 雪を見ながら露天へ入る
    露天には先客が1〜2人。足元の冷たさを避けるよう早足で浴槽まで進み、静かに腰を下ろしました。外気と湯の温度差が大きく、最初の数十秒は熱さへ意識が集中します。目の前では雪片が落ち続け、湯面へ触れた粒が次々と消えていきました。
  • 湯の花と湯面をじっと見る
    湯口付近へ目を向けると、小さな湯の花が湯の中を漂っています。透明な湯の中でゆっくり動き、波紋に乗って位置を変えていました。体を沈めたまま、湯口の音、落ちる雪、立ち上る湯けむりを順番に眺めます。数分で汗が出てきたため、いったん浴槽を出ました。
  • 熱い湯と外気を3往復
    露天の縁へ腰を下ろすと、雪混じりの風が濡れた肌へ直接当たります。しばらく外気に当たり、再び浴槽へ。これを合計3回繰り返しました。熱い湯へ入る時間と外へ出る時間を短く区切ると、香りや湯口の音、雪の冷たさが毎回はっきり意識へ戻ってきました。
分析書をもう一度見て雪国の夜道へ

入浴を終えると自動販売機で水を買い、ロビーの温泉分析書へ再び向かいました。入浴前に眺めた数値をもう一度確認してから鷹の湯を出発し、まつだい駅を経て宿へ向かいました。

  • まず自販機で水分補給
    脱衣所で体を拭き、服を着てロビーへ戻ります。それでも汗が続いていたため、自動販売機で冷たい水を購入しました。キャップを開けて少しずつ飲み、ベンチでひと休み。熱い湯と冬の外気を何度も往復した後だけに、ここでは時間を取って水分補給しました。
  • 分析書をもう一度読む
    帰る前に、再び温泉分析書の前へ立ちました。88.7℃、882L/min、塩化物イオン9,514mg/kg、メタホウ酸287.4mg/kg、そして微油臭。入浴前にも読んだ数字ですが、今度は浴室で見た湯口やオーバーフロー、鼻に残った香りと一緒に一項目ずつ確認していきました。
  • まつだい駅で再び水を購入
    松之山温泉を出発し、途中の道の駅まつだいふるさと会館へ寄りました。館内のコンビニでペットボトルの水を買い、ここでも水分補給します。建物は北越急行ほくほく線のまつだい駅と直結。改札付近では、防寒着姿の高校生たちが列車を待っていました。
  • 雪国の夜道を宿へ向かう
    外へ戻る頃にはすっかり暗くなっていました。エンジンをかけ、雪の残る道を今夜の宿へ向けて進みます。フロントガラスの先には街灯と雪だけが浮かび、昼間とは別の景色です。鼻には鷹の湯で嗅いだ独特の香りがまだわずかに残っていました。
ゆめにゃん

白銀の里山に湧く化石海水の湯を浴び、雪国の滋味と静寂に浸る。
次の休みは、松之山温泉で「越後の風土と名湯」を深く味わう旅に出かけませんか?

松之山温泉 – アクセスと基本情報

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

温泉巡り歴15年。
トロトロのお湯と硫黄の香りが大好物。
なのに他の泉質にもすぐハマってしまう。
休日は山奥の秘湯へ直行。
そして、猫が好き。

目次