微温湯温泉をもっと深掘り!透明な含鉄泉と分析書から探る湯の個性(福島県福島市)

湯め活びより微温湯温泉考察編のアイキャッチ画像

微温湯温泉で出会ったのは、約32℃という驚くほどぬるく、浴槽の底まで見えるほど澄んだ酸性の湯でした。
ところが分析表を眺めてみると、鉄やアルミニウム、SO₄²⁻、さらには見慣れないHSO₄⁻まで、気になる数字と成分がずらり。
これほど個性的なお湯は、いったいどのように生まれているのでしょうか。
一枚の分析表を入口に、微温湯の一滴から広がる大地の物語を追いかけてみました。

微温湯温泉で興味深かったこと
  • 24時間後に濁る湯の不思議
    分析表では後に混濁する湯が、浴槽では澄んで見えたことに注目しました。
  • pH2.9とHSO₄⁻の関係
    分析表で見慣れないHSO₄⁻を発見し、酸性の水中での姿が気になりました。
  • 二価鉄と三価鉄が並ぶ分析表
    Fe²⁺とFe³⁺がともに記載され、その数字が何を物語るのか興味を持ちました。
  • 約32℃で湧く酸性泉の謎
    pH2.9でありながら泉温31.8℃という組み合わせは、なぜ生まれるのでしょうか。
  • 近くの高湯温泉との違い
    同じ吾妻山周辺の酸性泉なのに、温度や成分、見た目が異なる点に注目しました。
目次

微温湯温泉ってどんなところ? | 4コマ漫画で体験してみる

ゆめにゃん

猫は入れないからフィクションにゃ…

微温湯温泉の魅力を詰め込んだ4コマ漫画。約32度の酸性泉や円盤餃子、吾妻連峰を紹介。

微温湯温泉レビューと注目ポイント考察

この記事は、筆者が実際に温泉を訪れた際に感じた「なぜ?」をきっかけに、温泉分析書や公開資料などを調べ、自分なりに考察した内容です。資料から確認できる事実と筆者個人の考察を分けて記載するよう努めていますが、専門家による学術的な見解や結論を示すものではありません。直接的な裏付けを確認できていない仮説や想像については、その旨を明記しています。一人の温泉好きが、分析書や資料を眺めながら考えた「温泉の自由研究」としてお楽しみください。

24時間後に濁る湯が、浴槽では澄んで見えた理由

微温湯温泉に入ったとき、まず印象に残ったのが湯の透明感でした。「含鉄」と聞くと赤茶色や黄褐色の湯を想像しがちですが、私が入った源泉浴槽はかなり澄んで見えます。ところが分析書には、時間が経つと色が変わるという気になる記録がありました。「もしかすると、濁り始める前の湯が次々と浴槽へ入っているから、透明に見えるのか」。大量にオーバーフローする浴槽を眺めながら、そんなことを考えました。

そこで、現地に掲示されている1996年の温泉分析書を確認すると、源泉温度31.8℃、pH2.9、湧出量194L/分とあり、知覚的試験では採取時の湯について「無色澄明」で、24時間後には黄白色に混濁すると記録されています。また、吾妻火山群の含鉄湧泉を調べた東北大学「東北地方の火山地域における含鉄湧泉と沈殿鉱物の研究」では、微温湯周辺の酸性湧水と褐鉄鉱などの沈殿物が研究対象になっています。

もちろん、湧出量194L/分がそのまま浴槽への投入量というわけではなく、浴槽が何分で入れ替わるかも容量や実際の投入量が分からなければ計算できません。それでも、「採取直後は澄んでいるのに時間が経つと姿を変える」という分析書の記録と、目の前で絶えずあふれる透明な湯を重ねると面白い。私は微温湯で、鉄を含む湯が地上へ現れた比較的早い段階の姿を眺めていたのだろうと想像しました。

HSO₄⁻を見つけて「酸性の正体か?」と考えた

分析書の陰イオン欄を眺めていると、「ヒドロ硫酸イオン(HSO₄⁻)」という、あまり見慣れない名前がありました。1996年の分析値では27.4mg/kg。しかもpH2.9です。「これは強い酸性だからこそ現れる特別なイオンで、微温湯の酸性を示す決定的な証拠なのかな?」。知らない成分を見つけると、とりあえず主役に抜擢したくなるのが温泉分析書の面白いところです。

そこで環境省「鉱泉分析法指針」を読んでみると、酸性の硫酸塩泉ではSO₄²⁻だけでなくHSO₄⁻も考慮し、両者のmval%を合わせて主要陰イオンを判定する仕組みになっています。つまりHSO₄⁻は、硫酸が水中でどのような形で存在しているかを考えるうえで重要なイオンではありますが、「HSO₄⁻があるから酸性になった」と単独で考えるものではありません。

結局、微温湯が強い酸性環境にあることを最も直接的に示しているのは、やはり測定されたpH2.9という数字です。HSO₄⁻はその環境の中に現れる硫酸系の一員、と考えるほうが自然でした。「珍しいイオンを発見した!」から始まったのに、調べ終わるころには酸とイオンの平衡まで気になっている。分析書一枚から話が広がっていくのだから困ったものです。

Fe²⁺とFe³⁺が一緒にいる意味を考えてみた

微温湯の泉質名には「含鉄(Ⅱ・Ⅲ)」とあります。つまり、二価の鉄Fe²⁺と三価の鉄Fe³⁺の両方が分析されています。ここを見た私は、「地下ではFe²⁺だった鉄が、地表へ出て酸素に触れ、Fe³⁺へ変わっている途中なのでは?」と考えました。しかも分析書には、採取時には無色澄明だった湯が24時間後には黄白色に濁るという記録があります。なんだか鉄が変化していく瞬間を分析書で捕まえたように見えました。

鉄について調べてみると、Fe²⁺が溶存酸素によってFe³⁺へ酸化される反応自体は知られています。ただし、日本材料学会「Fe²⁺の溶存酸素による酸化反応」では、その反応速度はpHだけでなく、硫酸塩など共存するイオンの種類によっても大きく変わることが示されています。特に酸性の硫酸塩溶液では、単純に「酸素へ触れればすぐFe³⁺になる」と考えられるほど簡単ではないようです。

さらに、東北大学の吾妻火山群における含鉄湧泉の研究では、微温湯周辺の酸性湧水と褐鉄鉱などの沈殿が調べられています。とはいえ、一枚の分析書にFe²⁺とFe³⁺が並んでいるだけで「まさに酸化途中」と時間軸まで決めることはできません。それでも、湧出後に色が変わるという記録まで合わせると、「鉄の状態は地上へ出た後も変わっていくのだろうか」と興味を持つには十分でした。

mg/kgでは見えなかったAl³⁺の存在感

分析書を重量だけで眺めていると、私はまずカルシウムに目が行きました。1996年の分析値を転記した資料ではCa²⁺53.8mg/kg、Al³⁺43.2mg/kg。ところが、その隣にあるmval%を見るとAl³⁺は30.15%を占めています。「あれ?mg/kgではカルシウムのほうが多いのに、mval%ではアルミニウムの存在感がこんなに大きくなるの?」。ここから、今まで何となく眺めていたmval%が急に気になり始めました。

mvalは重量そのものではなく、イオンの電荷まで含めて化学的な当量として見た値です。Al³⁺は3価のイオンなので、mg/kgだけを並べた場合とは見え方が変わります。環境省「鉱泉分析法指針」でも、塩類泉の泉質を細分類する際にはmval%が使われています。また、環境省「新旧泉質名対照表」を見ると、かつて「含明礬・緑礬泉」などと呼ばれた温泉が、現在のアルミニウムや鉄を含む硫酸塩泉の分類へ整理されていることも分かります。

私は最初、現地で感じたキュッとするような湯ざわりまで「Al³⁺の仕業では?」と結びつけたくなりました。ただ、湯ざわりを一つのイオンだけで説明することはできません。むしろ面白かったのは、同じ分析書なのにmg/kgからmval%へ視点を移しただけで、主役に見える成分が変わったことでした。分析書、数字の量だけ見ていてはいけないようです。

硫化水素0.0mgなのに酸性、硫黄はどこにいる?

吾妻山の山中にあり、pH2.9という酸性泉。私はこう聞いただけで、勝手に硫黄臭の強い湯を想像していました。ところが1996年の分析値を見ると、遊離硫化水素H₂Sは0.0mg/kg。一方で遊離二酸化炭素CO₂は239.8mg/kgと記録されています。「酸性の火山地域の温泉なのに、硫化水素が0.0?」。ここで、私の中にあった「酸性泉=硫黄臭」というかなり大ざっぱなイメージが崩れました。

そこで環境省「鉱泉分析法指針」を見直してみると、温泉中の硫黄は一種類の姿で存在しているわけではありません。硫黄泉の判定に関係するH₂SやHS⁻などの還元された硫黄成分と、微温湯で大量に確認されているSO₄²⁻のような酸化された硫黄成分は区別して扱われています。つまり「H₂Sが0.0mg/kg」という数字は、「硫黄に関係する成分がない」という意味ではありません。

実際、微温湯ではSO₄²⁻が陰イオンの中心です。私は現地で金気を思わせるような香りを感じましたが、その印象を鉄やCO₂など一つの成分だけで説明することもできません。それでも、「硫黄臭が強くない酸性泉」と分析書の数字を並べて眺めるだけで、火山地域の温泉にはずいぶん違う顔があることが分かります。酸性泉だから硫黄臭――温泉はそんなに単純ではないようです。

SO₄²⁻86%超、硫酸塩が主役の理由を追う

陰イオンのmval%を見たとき、今度はさすがに数字の偏りに驚きました。1996年の分析値を転記した資料では、SO₄²⁻が646.5mg/kg、86.56mval%。一方でCl⁻は59.8mg/kg、10.87mval%です。「これはかなり硫酸塩側に寄った湯なのでは?」。そして私は勢い余って、「吾妻山の火山ガスに含まれる硫黄が、そのまま硫酸になった温泉なのでは」と成因まで一気に想像しました。

前半については、分析値からかなり素直に読めます。SO₄²⁻が陰イオンの大部分を占め、微温湯は硫酸塩を中心とする温泉です。さらに、東北大学「吾妻火山群の含鉄湧泉に関する研究」では、微温湯周辺の湧泉についてpH2.4~3.5程度で、鉄やアルミニウムを含む硫酸酸性泉として調査されています。現在の一枚の分析書だけではなく、周辺地域にも同じような酸性・硫酸塩系の水が存在してきたことが分かります。

ただし、「SO₄²⁻が多い=その硫黄は直接マグマガスから来た」とまでは進めませんでした。日本地球化学会「本邦の酸性泉の地化学性に関する一考察」では、酸性泉の化学組成には火山ガスだけでなく、低pHの水と岩石との反応も大きく関わることが示されています。私の「火山ガス一直線説」は少し急ぎすぎたようですが、微温湯が“硫酸塩を中心に読みたくなる温泉”であることは、ますますはっきりしてきました。

pH2.9なのに31.8℃、なぜこんなにぬるい?

微温湯温泉でもっとも分かりやすい謎は、やはりその名前です。pH2.9という酸性の温泉なのに、源泉温度は31.8℃。私は「火山地域の酸性泉なら、もっと熱く出てきてもよさそうなのに」と思いました。そこで、地下深くから上がってきた高温の熱水へ冷たい地下水が混ざったのか、それとも長い亀裂を通るうちに周囲へ熱を失ったのか――地下に天然の温度調節装置があるような姿を想像しました。

ところが資料を追ってみると、この“ぬるくて酸性”という組み合わせは最近始まったものではありませんでした。気象庁「吾妻山噴火調査報告」には、大穴火口から東方約4kmにある微温湯について、当時も泉温は通常33℃ほど、pHは約2.8で、噴火前後を通じて目立った変化がなかったと記録されています。1996年の31.8℃・pH2.9という値と比べても、少なくとも低温かつ酸性という特徴はかなり以前から知られていたようです。

では、なぜ31~33℃なのか。そこは温度とpHだけでは決められませんでした。地下水との混合、上昇経路での冷却、火山性流体との関わりなど、複数の過程を考える必要がありそうです。私は最初、地下のどこかに絶妙な“ミキシングポイント”がある姿を想像していましたが、その場所まではまだ見えません。それでも、「強い酸性」と「微温」という一見ちぐはぐな二つの特徴が長く共存していること自体が、この温泉最大の魅力の一つなのだと思います。

高湯と微温湯、近いのにどうしてこんなに違う?

微温湯を調べていると、どうしても近くの高湯温泉が気になります。同じ吾妻山東側にあり、どちらも酸性で硫酸塩を多く含む温泉。それなのに、現地で受ける印象はかなり違います。「地下では完全に別々の水路を通っていて、互いにまったく交わらない温泉なのでは?」。私は地図を見ながら、勝手に地下へ境界線を引いていました。

高湯側の数字を確認するため、日本温泉協会「旅館玉子湯・温泉利用証」を見ると、利用源泉の高湯26番滝の湯と高湯16番仙気の湯は51.0℃・48.5℃で、pH2.8・2.73。泉質は酸性-含硫黄-カルシウム・アルミニウム-硫酸塩泉などとされています。微温湯の31.8℃、pH2.9と比べると、pHは近いのに温度と硫化水素系成分を含む泉質名などに違いがあります。もちろん分析年代や源泉が異なるため、数値を同条件で直接比較するものではありません。

ここで予想を少し修正しました。違いがあるからといって、「地下水系が完全に別」とまでは言えません。広い吾妻火山の中で、火山性流体との関わり方、地下水との混ざり方、通過する岩石や上昇経路などが違えば、近距離でも温度や成分が異なることは考えられます。同じ山の酸性泉なのに、片方は白濁した高温の硫黄泉、もう片方は透明な約32℃の含鉄・アルミニウム泉。この二つを並べると、吾妻山の地下が一気に立体的に見えてきます。

火山の斜面、その地下で水はどこを通っている?

微温湯の位置を地質図で眺めていると、「湧出口は地層の境目にあるのでは?」と考えたくなりました。火山では溶岩流や火砕物など性質の違う地層が何枚も重なります。水を通しやすい層と通しにくい層が接するところへ地下水が集まり、亀裂から温泉が上がってくる――そんな断面図を頭の中に描きました。最初はかなり具体的に、「泥流堆積物と安山岩溶岩の境界なのでは」とまで考えていました。

そこで産業技術総合研究所「活火山を含む吾妻山地域の成り立ちを解明」を読んでみると、吾妻山地域には古い基盤岩やカルデラ形成期の地層、その上に約120万年前以降の吾妻火山噴出物が複雑に重なっていることが分かります。吾妻火山の噴出物は安山岩質の厚い溶岩流が多く、噴出場所を変えながら広い範囲に積み重なってきました。また、地質調査所による福島盆地周辺の地下水研究では、吾妻火山体から周辺へ地下水が供給される水文構造も検討されています。

一方で、微温湯の湧出口そのものが「特定の泥流堆積物と特定の安山岩溶岩の境界」と一致するところまでは、今回確認した資料では追えませんでした。私は地質図を見れば温泉の通り道が一本の線で分かると思っていましたが、地下水はそんなに素直ではないようです。それでも、何層にも重なる火山体のどこを通り、なぜこの場所で地表へ現れるのか。答えが出なかったことで、むしろ現地の斜面そのものが気になるようになりました。

「古来体験により伝わる効能」という言葉をどう読む?

分析書の数字を追いかけていたはずなのに、最後に気になったのは化学式ではありませんでした。掲示の中に、現代的な適応症とは別に「古来体験により伝わる効能」として眼病などが記された欄があります。微温湯は昔から眼病の湯として語られてきた温泉です。「これは昔から伝わる話を、現在の分析書が医学的な効能として認めているという意味なのだろうか?」。表の構成そのものが気になりました。

歴史を追うため、日本温泉協会「微温湯温泉」を見ると、吾妻小富士東側の標高約930mに位置し、開湯約300年の歴史を持ち、古くから眼病の名湯と伝えられてきた温泉として紹介されています。一方、現在の適応症の考え方について環境省「温泉法第18条第1項の規定に基づく掲示等の基準」を読むと、温泉の効用は温泉成分だけで確定できるものではなく、環境や利用者の状態などを含めた総合作用として扱う考え方が示されています。

そう考えると、「古来体験により伝わる効能」という言葉は、現代医学によって個別の作用が証明された一覧として読むより、長い湯治文化の中でこの湯がどのように受け止められてきたかを伝える記録として眺めるほうがしっくりきます。私はその効能を判定したいわけではありません。約300年、人々が31~33℃ほどの酸性泉に何を期待し、どう付き合ってきたのか。分析表の片隅に残るその言葉は、数値とは別の意味で微温湯の歴史を伝えているように感じました。

ゆめにゃん

約32℃のぬる湯に浸かり、鉄を眺め、硫酸イオンに思いを馳せる。
次の休みは、微温湯温泉で「一滴の湯から広がる大地の物語」を探してみませんか?

約32℃で湧く個性的なぬる湯

微温湯温泉を象徴するのが、泉温31.8℃と記録されたぬるい源泉です。酸性泉でありながらこの温度で湧くという組み合わせは珍しく、地下でどのような経路をたどって地表へ現れるのか、想像を広げたくなる特徴です。

pH2.9の酸性泉を読み解く

今回確認した分析表ではpH2.9。さらにSO₄²⁻が陰イオンの大部分を占め、HSO₄⁻も記載されています。「酸性」という一言だけでは見えてこない水中の化学的な姿を、分析値から追いかけられる面白さがあります。

二つの鉄が並ぶ含鉄泉

分析表にはFe²⁺とFe³⁺という酸化数の異なる鉄がそれぞれ記載されています。単に「鉄を含む温泉」と見るだけでなく、鉄がどのような状態で存在しているのかまで興味が広がる、分析書好きにはたまらないポイントです。

アルミニウムが目立つ分析値

Al³⁺は重量だけでなく、電荷を考慮したmval%で眺めると存在感がさらに際立ちます。酸性泉で見られるアルミニウムと硫酸塩の組み合わせに注目すると、泉質名だけでは分からない微温湯の個性が見えてきます。

吾妻火山が生む温泉の多様性

吾妻山周辺には微温湯だけでなく、高湯など個性の異なる酸性泉が点在します。同じ火山地域にありながら、泉温や成分、色、香りまで異なる温泉が現れることは、地下の水や熱の動きを想像したくなる興味深いテーマです。

温泉マニアあるある! – 微温湯温泉考察編

ゆめにゃん

マニアの人はこうなっちゃう…かも!?

透明な浴槽を見て分析表を二度見する

含鉄泉と聞けば赤茶色の湯を想像していたのに、目の前には底まで見える澄んだ湯。「え?こんなに透明なの?」と驚いた直後、分析表の鉄の欄をもう一度確認します。間違いなく鉄はいる。それなのに透明。この時点で普通の入浴客より分析表を見ている時間が長くなります。

「24時間後に混濁」で急にテンションが上がる

知覚的試験に「24時間後黄白色に混濁」の文字を発見すると、「おおっ!後から変わるのか!」と大興奮。友達が「今は透明なんだからいいじゃん」と言っても、「そこが面白いんだよ!」と聞きません。温泉の未来まで想像しながら入浴するようになったら、だいぶ仕上がっています。

Fe²⁺とFe³⁺を見つけてニヤニヤする

分析表にFe²⁺とFe³⁺が両方並んでいるのを見つけると、「二価もいる……三価もいる……」とニヤニヤ。友達から「鉄は鉄だろ?」と言われると、「いやいや、そこを一緒にしちゃダメなんだよ」と突然のドヤ顔。説明を求められていないのに、鉄の酸化状態について語り始めます。

HSO₄⁻を見つけてレアキャラ扱いする

陰イオン欄を眺めていてHSO₄⁻を発見すると、「お前もいるのか!」と謎の再会を果たします。友達には何が珍しいのかまったく伝わりません。それでもSO₄²⁻とHSO₄⁻を交互に眺め、「なるほどねぇ……」と分かったような顔。分析表が完全に図鑑になっています。

mval%を見始めると帰ってこない

普通ならmg/kgを確認して満足するところ、マニアはその横のmval%へ移動します。「待てよ、アルミニウム……存在感あるな」と急に真剣な表情。友達が「さっきまで鉄の話してなかった?」と聞いても、もう聞こえていません。温泉分析表は、一度深く潜ると出口が分からなくなる迷宮です。

湯口を見るだけで時間経過を想像する

湯口から透明な源泉が勢いよく注がれていると、「ここから浴槽を流れていく間にも何か変わってるのかな」と観察開始。湯口、浴槽中央、オーバーフローを順番に眺めます。友達から見れば全部同じ透明なお湯。でも本人の頭の中では、すでに鉄と酸素の壮大なドラマが始まっています。

31.8℃とpH2.9を交互に見る

分析表の「泉温31.8℃」を見て、次に「pH2.9」を見て、また31.8℃へ戻ります。「酸性で、このぬるさ……面白いな」とひとりで納得。友達に「何が?」と聞かれると、「いや、地下で何が起きてるんだろうと思って」と回答。湯船にいるのに、意識だけ地下へ潜り始めます。

高湯のことまで考え始める

微温湯に来ているのに、「そういえば高湯もこの辺だよな……」と別の温泉を思い出します。「近いのに、なんであんなに雰囲気が違うんだろう」と頭の中で勝手に比較開始。友達が「今日は微温湯だろ」と突っ込んでも止まりません。一つの温泉に入ると周辺の温泉まで気になってしまうのがマニアです。

ぬる湯なのに頭の中だけ忙しい

約32℃のぬる湯に身を委ね、静かな浴室でのんびり……するはずが、「鉄」「アルミニウム」「SO₄²⁻」「HSO₄⁻」と分析表の数字が次々に頭をよぎります。身体は静止しているのに、思考だけ猛烈に活動中。最終的には「温泉って地下まで考え始めると終わらないな」と嬉しそうです。

含鉄泉の透明感にロマンを感じる

分析表をじっくり眺めたあと、改めて澄んだ浴槽を見つめます。そして「含鉄泉でこんなに透き通ってるなんて……ロマンを感じるよな」と謎に同意を求めます。友達が「何のロマン?」と困惑しても、本人は透明な湯と鉄のことで頭がいっぱい。まわりからは”微温湯の鉄人”と呼ばれます。

管理人

管理人いじりですね…
そう呼ばれるのも悪くない!

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この記事を書いた人

温泉巡り歴15年。
トロトロのお湯と硫黄の香りが大好物。
なのに他の泉質にもすぐハマってしまう。
休日は山奥の秘湯へ直行。
そして、猫が好き。

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