嬉野温泉をもっと深掘り!高温の源泉と重曹泉、湯どうふの不思議をたどる(佐賀県嬉野市)

湯め活びより嬉野温泉考察編のアイキャッチ画像

嬉野川沿いに温泉宿が並び、とろりとなめらかな湯と、温泉湯どうふや嬉野茶の文化が息づく嬉野温泉。
実際に歩いてみると、高温の源泉や独特の湯ざわり、湯と食が結びついた土地ならではの風景に、次々と興味が湧いてきました。
なぜ、ここにこれほど熱い湯が湧くのだろう。温泉水で豆腐を煮ると、なぜ白くほどけていくのだろう。
一滴の湯から広がった小さな「なぜ?」を手がかりに、分析書や資料をめくりながら嬉野温泉をもう少し深く歩いてみます。

嬉野温泉で興味深かったこと
  • 火山の近くではない高温源泉
    85~95℃ほどの源泉を知り、この熱はどこから来るのか気になりました。
  • 湯どうふが白くほどける理由
    温泉水で豆腐を煮ると白くほどけていく、その独特な変化に注目しました。
  • 高温の湯をどう浴槽へ届けるか
    かなり熱い源泉を、各施設ではどのように扱っているのか興味を持ちました。
  • シーボルトが見た嬉野の温泉
    1826年に嬉野を訪れたシーボルトは、当地の湯をどう見ていたのか調べました。
  • 湯と長崎街道が交わる歴史
    宿場町として栄えた場所に温泉があることから、街道と湯の関係が気になりました。
目次

嬉野温泉ってどんなところ? | 4コマ漫画で体験してみる

ゆめにゃん

猫は入れないからフィクションにゃ…

嬉野温泉の魅力を詰め込んだ4コマ漫画。温泉街、とろみのある湯、温泉湯どうふ、嬉野茶を紹介。

嬉野温泉レビューと注目ポイント考察

この記事は、筆者が実際に温泉を訪れた際に感じた「なぜ?」をきっかけに、温泉分析書や公開資料などを調べ、自分なりに考察した内容です。資料から確認できる事実と筆者個人の考察を分けて記載するよう努めていますが、専門家による学術的な見解や結論を示すものではありません。直接的な裏付けを確認できていない仮説や想像については、その旨を明記しています。一人の温泉好きが、分析書や資料を眺めながら考えた「温泉の自由研究」としてお楽しみください。

火山が見えないのに90℃級――熱源を追ったら多良岳へつながった

嬉野で分析書を見るたび、どうしても気になっていた数字があります。源泉温度です。嬉野温泉配湯株式会社「源泉について」によると、代表的な源泉温度は85~95℃。ところが、草津や雲仙のように「いかにも火山の温泉です」という景色が目の前にあるわけではありません。私は最初、「これは火山とは別に、地下深くまで潜った水が地熱で温められて上がってくる非火山性の温泉なのかな」と考えました。

ところが地質資料を探してみると、話はもっと面白くなりました。旧地質調査所が1986年にまとめた多良火山地域の地熱・温泉に関する研究資料では、多良火山の中心部から南東―北西方向に「経ヶ岳→平谷温泉→嬉野温泉」が並び、当時の嬉野温泉を94℃のNa-HCO₃-Cl型として整理しています。さらに、この方向は古第三系に卓越する断裂系と一致し、嬉野温泉は古第三系から湧出すると記されています。研究では温泉水の化学的特徴から、多良火山周辺について「熱伝導型の加熱機構」が卓越するというモデルが示されていました。

つまり私の「火山が近くに見えない=非火山性深部熱水」という予想は、少々単純すぎたようです。ただし、この研究は1986年のモデルであり、現在の個々の源泉について熱源を確定するものではありません。それでも、地上では離れて見える多良岳と嬉野が、地下では断裂系や熱の伝わり方を通じて考察対象になっていた――。そう知ると、90℃という数字の向こうに、急に大きな地質の景色が見えてきました。

湯どうふがほどける秘密を、温泉分析書から追いかけてみた

嬉野温泉へ来たら、やはり気になるのが名物の温泉湯どうふです。鍋で煮ているうちに豆腐の角がほどけ、煮汁まで白く変わっていく。佐賀県観光公式「嬉野の温泉水でつくる温泉湯どうふ」では、「温泉のアルカリ成分が豆腐のにがりに作用する」と紹介されています。なるほど、弱アルカリ性の嬉野らしい料理です。……ところが温泉分析書を眺めているうちに、私は別の数字まで気になってしまいました。Ca²⁺とMg²⁺です。豆腐を固める「にがり」にはMg²⁺が関係しています。それなら逆に、温泉水側のCa²⁺やMg²⁺の量も、豆腐がほどける現象に何か関係しているのではないでしょうか。

そこで資料を探してみると、この着眼点は私だけの妄想ではありませんでした。東北大学多元物質科学研究所・村松淳司教授のコロイド化学の講義資料では、嬉野温泉湯どうふそのものが題材として取り上げられています。そこでは、豆腐はMg²⁺などの多価イオンによってタンパク質が凝集してできたものとしたうえで、嬉野温泉ではCa²⁺やMg²⁺が少なく、弱アルカリ性の条件によって豆腐が再び「分散」するという考え方が紹介されています。つまり「溶ける」というより、固まっていたものが細かく分散していく、と見るようです。

さらに面白かったのが、温泉水だけでは話が終わらなかったことです。藤川豆腐店「豆腐づくりのこだわり」を見ると、温泉湯どうふ用の豆腐は、とろける食感に仕上げるため「にがりの量や型出しの強さ」を微調整していると説明されています。つまり鍋の中で起きていることを温泉水の成分だけで説明するのも難しそうです。温泉水のpHやイオン組成だけでなく、豆腐を固めるにがりや製造方法、さらに加熱条件まで組み合わさって、あの独特の状態が生まれているのでしょう。

私は最初、「重曹成分が多く、Ca²⁺やMg²⁺が少ない温泉水だからでは?」と考えていました。調べてみると、その着眼点と重なる化学的な説明は見つかりましたが、嬉野の湯どうふはそれだけで語れるほど簡単のものではなさそうでした。温泉分析書から始まって、にがり、豆腐づくり、そしてコロイド化学へ。名物料理を一杯調べただけなのに、気づけば鍋の中まで温泉考察の対象になっていました。

90℃級の源泉はどう冷ます?施設ごとに異なる温度管理

源泉温度85~95℃と知ったとき、次に気になったのは「これをどうやって浴槽まで冷ましているんだ?」ということでした。水を加えれば簡単ですが、加水しない施設もあります。高温の源泉を熱交換器に通し、水を混ぜずに熱だけを逃がす設備が広く使われているのかなと思いました。

ところが個別施設を調べると、そんなに一様ではありません。嬉泉館「温泉」では、白川源泉83.5℃・85.6L/分の自家源泉を使用し、加水せず、一晩かけて冷ましてから浴槽へ入れる方法を案内しています。一方、旅館大村屋による大浴場改修の記録では、高温源泉を冷ます熱交換器の導入を検討したものの最終的には採用せず、あらかじめ湯を張って時間をかけて冷まし、その後は投入する熱い源泉の量で温度を調整する方法が紹介されています。

「嬉野では熱交換器で冷ましている」とまとめるより、むしろ施設ごとに方法が違うことのほうが面白く感じました。同じ90℃前後の源泉でも、浴槽の大きさ、湯量、設備、湯使いによって温度管理の方法は変わります。分析書の「泉温」を見たあとに浴槽へ入り、「この熱い源泉が、ここまでどうやって来たのだろう」と考える。温度そのものだけでなく、そこへ至る管理まで湯めぐりの観察対象になりました。

「重曹泉」なのに塩化物まで付く泉質名が気になった

嬉野の泉質を見ていて気になったのが、「ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉」という名前です。一般には「重曹泉」と紹介されることが多いので、最初はHCO₃⁻がほとんどを占める湯なのだろうと思っていました。湯ざわりの厚みにCl⁻も関係しているかもしれない、と想像したくなりました。

そこで旅館大村屋の2019年温泉分析書を眺めると、HCO₃⁻は930.6mg/kg、Cl⁻は218.9mg/kg。当量百分率ではHCO₃⁻69.25mval%に対してCl⁻28.04mval%でした。陽イオン側ではNa⁺が466.2mg/kg、93.49mval%を占めています。確かに炭酸水素イオンが中心ですが、塩化物イオンも泉質名に姿を現すだけの存在感があります。環境省「鉱泉分析法指針」でも、泉質は単純なmg/kgの大小だけではなく、イオンの当量関係を基に分類されます。

ただし、「Cl⁻がこの量だから、この湯ざわりになる」とまでは分析書から読めません。温度や全体のイオン組成、浴槽での状態も違います。それでも「重曹泉」という一語だけで見ていた頃より、HCO₃⁻とCl⁻が同居する分析書を眺めるほうがずっと面白い。泉質名の中点「・」ひとつにも、ちゃんと読む材料が隠れていました。

透明な湯ならスケールは少ない?と思って調べてみた

嬉野の透明な湯を眺めていると、別の疑問も浮かびました。高温で、溶存物質もしっかりあるのに、私が見た浴槽では、強烈な鉄泉や石灰華の温泉のような「コテコテの析出物」という印象がありませんでした。「Ca²⁺や鉄が少ないなら、そもそもスケールができにくい温泉なのかな?」。分析書を見ながら、そんな予想をしました。

旅館大村屋の2019年温泉分析書では、溶存物質量は1.875g/kg。Ca²⁺は7.6mg/kg、鉄イオンは分析表上0.0mg/kgでした。ただしメタケイ酸H₂SiO₃は160.2mg/kg含まれています。そして調べていて意外だったのが、佐賀大学が関わった嬉野温泉水発電の実証です。JST・SATREPS最終報告書では、実際の課題として「スケールの付着による熱交換器の性能低下」が挙げられていました。

浴槽を見て「析出物が少なそう」と感じることと、設備内部でスケールが生じるかどうかは別の話だったようです。温度低下、濃縮、ガスの離脱、接触する材料など条件が変われば析出の様子も変わります。「透明だからスケールがない」という私の予想は外れてしまったようです。でも、そのおかげで浴槽だけでなく、見えない配管や熱交換器の中まで想像するようになりました。

シーボルトが描いたと思ったら、絵師は川原慶賀だった

嬉野温泉の歴史を調べていると、1826年にシーボルトが訪れたという話にぶつかりました。しかも当時の浴場を描いた絵まで残っている。「さすがシーボルト、自分で浴場を観察して科学者らしくスケッチまで残したのか」と私は最初、すっかりそう思い込んでいました。

ところが九州大学総合研究博物館によるシーボルトと川原慶賀の研究を読むと、実際の役割分担が見えてきました。1826年2月17日、嬉野へ着いたシーボルトは、ハインリヒ・ビュルガーに温泉の化学分析を依頼し、絵師の川原慶賀には湯気の立つ浴場をスケッチさせています。現存する嬉野温泉のスケッチは慶賀によるもので、『NIPPON』の図版へ仕上げる過程では、シーボルト自身が樹木などの表現に修正を指示していたことも研究されていました。

さらに国土交通省佐賀国道事務所「長崎街道・嬉野宿」には、当時の浴場について、浴槽の大きさや利用者が湯と水を入れて温度を調節できた構造が紹介されています。「シーボルト本人による科学的スケッチ」というのは早とちりでしたが、むしろ面白くなりました。医師・博物学者のシーボルト、化学を担当したビュルガー、絵を残した川原慶賀。それぞれの目を通して、約200年前の嬉野温泉が立体的に残されていたということでした。

温泉水で嬉野茶を淹れたら、色や味は変わるのか

嬉野の温泉分析書を眺めていると、Na⁺やHCO₃⁻の数字が目に入ります。そして同じ土地には、名産のうれしの茶があります。そこで私は、「飲用が認められた嬉野の温泉水でお茶を淹れたら、普通の水で淹れるのとは色や味が違うのかな」と想像しました。炭酸水素ナトリウムを含む弱アルカリ性の水なら、茶葉から成分が溶け出す過程にも何か違いが現れそうです。

調べてみると、似た方向の研究はありました。日本調理科学会「水出し紅茶に用いる水の水質が紅茶水色に及ぼす影響」では、炭酸水素ナトリウムを加えた人工水でダージリン紅茶を抽出すると、Na量とpHの上昇に伴って水色が濃く暗くなり、赤み・黄みが強くなったと報告されています。ただし、これは18時間かけた水出し紅茶の実験。嬉野温泉水でうれしの緑茶を淹れた結果ではありません。

味についても、私の予想とは別の話が見えてきました。嬉野の茶農家・三根孝之さんは、ANA「翼の王国」のうれしの茶特集で、65~70℃ほどの低めの湯で淹れることで「出汁のような旨み」を感じられると説明しています。つまり、これは温泉水の作用ではなく抽出温度の話のようです。また、嬉野市「うれしの特産品あれこれ」でも、うれしの茶は一度沸騰させた水道水を茶質に合った温度まで冷まして淹れる方法が紹介されています。

一方で、「温泉水×嬉野茶」という組み合わせ自体が存在しないわけではありません。うれしの茶交流館チャオシルでは、嬉野温泉の温泉水を使った「茶染め体験」が行われています。調べる前は「温泉水で淹れれば色も味もこう変わる」と予想していましたが、そこまで直接示す資料は見つかりませんでした。だからこそ、飲用が認められた源泉で施設の案内に従い、同じ茶葉・温度・抽出時間をそろえて比べたらどうなるのか――次に嬉野を訪れたとき、確かめてみたい宿題が一つ増えました。

同じ嬉野温泉でも、分析書の数字が違う理由を追ってみた

嬉野で複数の分析書を見ていると、「あれ?」となりました。pHも泉温も湧出量も少しずつ違うのです。最初は共同配湯された同じ湯が温泉街全体へ行き渡っているイメージを持っていましたが、どうやら嬉野はそれだけではありません。この違いを意識すると、湯めぐりが急に細かくなってきました。

嬉野温泉配湯株式会社の公式案内では、地下約30mから90℃を超える源泉を汲み上げ、2か所の源泉から旅館・ホテル・家庭などへ配湯していると説明されています。代表値は85~95℃、pH7.5~8.5です。その一方、嬉泉館「白川源泉」は83.5℃、pH8.2、85.6L/分の自家源泉。さらに旅館大村屋の2019年温泉分析書では、源泉温度92.5℃、pH8.17、湧出量200L/分と記載されています。

これだけでも「嬉野温泉」という一つの名前の中に、複数の源泉が存在することが分かりました。ただし、浴槽で感じる違いをすべて源泉差だけで説明することはできません。浴槽温度や投入量、湯使いなども関わります。それでも、入浴前に分析書の「源泉名」を一行確認するだけで、次の浴場が少し違って見える。最近は泉質名より先に、源泉名を見る癖までついてきました。

「無味無臭」だと思ったら、飲泉では違う味が出てきた

嬉野の湯は、硫黄泉のように強烈な香りで存在を主張するタイプではありません。透明な湯に浸かっていると、私は最初「飲んでもかなり水に近い味なのかな」と想像しました。そこで分析書の「知覚的試験」と、飲泉を案内している施設の説明を見比べてみました。

旅館大村屋の2019年温泉分析書では、湧出地での知覚的試験が「無色透明・無味・無臭」とされています。ところが、自家源泉「白川源泉」で飲用許可を得ている嬉泉館の温泉案内では、自館の温泉について「甘味・塩味・微苦味」と案内しています。泉質名は同じナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉でも、源泉自体が異なります。「嬉野温泉はこういう味」と一言で決めるより、源泉ごとに違いがあると考えたほうが自然でした。

もちろん、温泉はどこでも自由に飲んでよいものではありません。飲泉は許可された場所で、その施設が示す方法や量に従うのが前提です。それでも、分析書の「臭味」という小さな欄と、実際の飲泉案内を見比べるのは面白いものです。目や指先だけでなく、許可された湯なら味覚まで観察対象になる。嬉野の分析書巡りがまた一段深くなりました。

参勤交代を調べていたら「毎年通った殿様」が出てきた

長崎街道の嬉野宿を歩いていると、「ここを大名行列も通ったのだろうな」と想像したくなります。現在、長崎街道は砂糖文化を運んだ「シュガーロード」として日本遺産にも認定されています。文化庁「砂糖文化を広めた長崎街道~シュガーロード~」を読みながら、私は最初、嬉野の温泉も参勤交代や街道交通のために整えられ、大名が途中で利用するような施設だったのかもしれない、と考えました。

調べると、江戸時代の嬉野は佐賀藩の蓮池支藩の支配地で、嬉野宿には大名・長崎奉行・幕府役人らを休憩・宿泊させる「上使屋(御茶屋)」がありました。しかも、嬉野温泉観光協会「上使屋跡」によると、嬉野と武雄の上使屋は「温泉つき」の特別な施設だったとされています。また、国土交通省佐賀国道事務所「長崎街道・嬉野宿」では、宿の中央付近に藩営浴場があり、大名から一般庶民まで身分別に利用していたことが紹介されています。

ところが、ここから予想以上の人物が出てきました。佐賀大学「嬉野地域に関する地域課題調査報告書」には、佐賀本藩4代藩主・鍋島吉茂が「毎年、嬉野へ入湯に出かけ」ていたとあります。

ただし、この「毎年の入湯」と参勤交代を直接結びつける資料までは今回確認できませんでした。むしろ私は、そこを分けて考えたほうが面白く感じました。参勤交代の途中で仕方なく立ち寄ったのではなく、殿様が入湯のために繰り返し嬉野へ向かったという話なのですから。昔から愛された場所だったんだなと思いました。

ゆめにゃん

湯に触れ、茶を味わい、街道の記憶をたどる。
次の休みは、嬉野温泉で「一滴の湯から広がる物語」を探す旅に出かけませんか?

炭酸水素塩泉を楽しむ湯

嬉野温泉を代表する泉質は、ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉。かつて「重曹泉」と呼ばれたタイプで、無色透明の見た目と、なめらかさを感じさせる独特の湯ざわりが印象に残る温泉です。

弱アルカリ性の湯ざわり

配湯される源泉はpH7.5~8.5の弱アルカリ性と案内されています。数値だけで湯ざわりの理由を決めることはできませんが、透明な湯に触れたときの質感と分析値を見比べるのも温泉巡りの楽しみです。

85~95℃の高温源泉

嬉野温泉で目を引く数字のひとつが、配湯会社の案内する85~95℃という源泉温度です。浴槽で楽しむ穏やかな湯の向こう側に、これほど熱い源泉が存在することを知ると、温泉の地下にも興味が広がります。

温泉街を支える源泉配湯

嬉野では明治時代から続く配湯事業があり、現在は2か所の源泉から旅館やホテルなどへ温泉水が届けられています。浴槽だけでなく、源泉から湯が届くまでの仕組みに目を向けると、温泉街の違った一面が見えてきます。

温泉水から生まれる湯どうふ

嬉野では温泉水で豆腐を煮る「温泉湯どうふ」が名物。煮込むと豆腐がほどけ、煮汁が白く変化するという、温泉と食文化が直接つながった存在です。泉質を眺めたあとでは、鍋の中まで気になってしまいます。

温泉マニアあるある! – 嬉野温泉考察編

ゆめにゃん

マニアの人はこうなっちゃう…かも!?

とろみを確認する手つきだけ妙に真剣

湯船に入った瞬間、「おっ……これは来たな」と手のひらで何度も湯を転がすマニア。友達が「何してるの?」と聞くと、「いや、湯ざわりを確認してる」と真顔で回答します。透明なお湯なのに、指先で感じる質感だけでテンション上昇。嬉野では入浴開始30秒で、すでに観察会が始まっています。

分析書でHCO₃⁻を探してしまう

なめらかな湯に満足したはずなのに、脱衣所で温泉分析書を発見すると足が止まります。「炭酸水素イオンは……あった!」とHCO₃⁻を見つけてひとりで感動。友達が着替え終わっても、まだ成分表を凝視しています。温泉マニアにとって分析書は、風呂上がりに読む第二のメニュー表です。

源泉温度を見て二度見する

分析書や案内で高い源泉温度を見つけると、「待て待て、こんなに熱いの!?」と数字を二度見。さっきまで穏やかに湯浴みしていたのに、頭の中では突然「地下で何が起きてるんだ……」と妄想が始まります。浴槽温度だけでは終われず、地面の下まで気になり始めるのがマニアです。

湯口を見つけると会話が止まる

浴槽に湯が注がれる場所を見つけると、何となく近寄ってしまうマニア。湯量を眺め、流れを追い、浴槽の縁にオーバーフローがないかまで確認します。友達が「そろそろ出る?」と聞いても、「ちょっと待って、こっち流れてる」と返答。本人にしか分からない重要案件が発生しています。

配湯の話になると急にドヤ顔

「嬉野って高温の源泉を温泉街へ配湯してるんだよ」と、聞かれてもいないのに解説を始めるマニア。友達が「へぇ、そうなんだ」と返すと、「つまり湯口だけ見て終わりじゃないんだよ」とドヤ顔。ついには配管の向こう側まで想像し始めます。見えない場所にもロマンを感じるのが温泉好きです。

湯どうふの鍋まで観察対象になる

名物の温泉湯どうふが運ばれてくると、普通ならすぐ食べたいところを、マニアだけは鍋を凝視。「おお……白くなってきた」と豆腐がほどけていく様子を見守ります。友達が「食べようよ」と促しても、「もう少し観察したい」。浴槽を出たのに、今度は食卓で温泉水を追いかけています。

お茶を見ると水まで気になり始める

嬉野茶を前にして「いい香りだね」で終われないのがマニア。「これ、淹れる水が違ったらどうなるんだろう」とつぶやき、友達から「普通に飲もうよ」と即座に制止されます。温泉水、茶葉、水質……と興味が勝手につながっていき、ついには急須まで考察対象。嬉野では食後も忙しいのです。

シーボルトの名前だけで反応する

温泉街でシーボルトの名前を見つけると、「1826年……」と突然つぶやくマニア。友達が「何の数字?」と尋ねると、「シーボルトが嬉野を訪れた年」と即答します。「そこ覚える必要ある?」と言われても本人は満足そう。歴史上の人物が温泉へ来たと知るだけで、200年前の湯けむりまで想像し始めます。

長崎街道を歩くだけで妄想が始まる

かつて長崎街道の宿場だったと知ると、ただの街歩きでは終われません。「ここを昔の旅人も歩いたのか……」とひとりで感動し、砂糖や異国文化が運ばれた街道の歴史にまで思いを馳せます。友達が「温泉の話じゃなかった?」と聞く頃には、マニアの脳内では江戸時代の嬉野宿が完成しています。

お殿さまの入湯伝承を語りたがる

「嬉野宿はね、佐賀藩の藩主が毎年入湯したとも伝えられているんだよね……」と、覚えたての知識を得意げに披露するマニア。友達が「へぇ、お殿さまも温泉好きだったんだ」と返すと、「しかも長崎街道の宿場町だからね」と、聞かれてもいない情報で追撃。まわりからは”湯めぐりお殿さま”とあだ名されてしまうのです。

管理人

管理人いじりですね…
そう呼ばれるのも悪くない!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

温泉巡り歴15年。
トロトロのお湯と硫黄の香りが大好物。
なのに他の泉質にもすぐハマってしまう。
休日は山奥の秘湯へ直行。
そして、猫が好き。

目次