白い砂浜と青い海、そのすぐそばから高温の湯が湧き出す白浜温泉。
日本三古湯の歴史だけでなく、源泉の個性や海岸の岩肌、真っ白な砂まで、歩くほど気になるものが増えていきます。
なぜ火山のない土地で熱い湯が湧くのか。なぜ同じ温泉地で源泉の成分が違うのか。
湯から大地へ、岩から海へ――白浜で見つけた興味を、資料を手がかりに少し深くたどってみました。
- 火山のない土地に湧く高温泉
約80℃に達する源泉を見て、その熱はどこから来るのか気になりました。 - 海辺の塩化物泉と地下の水
海に近い塩辛い湯は、地下でどんな水と混ざってきたのでしょうか。 - 近くても個性が異なる二つの源泉
牟婁の湯で二源泉を比べ、地下の流路や成分の違いに注目しました。 - 海岸の岩に刻まれた不思議な形
崎の湯や周辺の岩を眺め、侵食や塩類風化との関係が気になりました。 - 白砂と海辺の景観を支える仕組み
白良浜の白い砂はどこから来て、どう守られてきたのか調べてみました。

白浜温泉ってどんなところ? | 4コマ漫画で体験してみる
ゆめにゃん猫は入れないからフィクションにゃ…


白浜温泉レビューと注目ポイント考察
火山のない白浜で高温泉が湧く理由を追ってみた
白浜温泉を巡っていて、まず不思議に思ったのが源泉温度でした。たとえば崎の湯に使われる行幸源泉は78℃。これだけ熱い湯が湧くなら地下に火山がありそうですが、紀伊半島には現在の温泉を説明できるような第四紀火山がありません。「では、この熱はいったいどこから来るんだろう?」と気になりました。最初は、昔の火山活動で地下に残った熱が今も効いていたりするのかな、と考えていました。
ところが、南紀熊野ジオパークの「温泉」の解説を読むと、温泉の熱源については考え方そのものが変化してきたことが分かります。かつては約1500万~1400万年前の火成活動の余熱が候補とされていましたが、近年は、沈み込むフィリピン海プレートから脱水した高温流体が地下の割れ目を上昇するという考え方が提唱されています。紀伊半島南部の高温泉やヘリウム同位体などを調べた研究でも、地下深部からの流体供給が議論されています。
もちろん、白浜の浴槽に入っている水そのものが、そのままプレートから上がってきたという意味ではないと思います。それでも「火山がないのに78℃」という数字から、地下数十km規模のプレート運動まで話がつながっていくとは思いませんでした。温泉に浸かりながら地球のかなり深いところまで想像できる。白浜の高温泉が、以前よりずっと不思議な存在に見えてきました。
海辺の塩化物泉から地下水の混ざり方を考えた
白浜の海沿いで塩化物泉に入ると、つい「これ、海が近いから海水が地下へ染み込んでいるのかな」と考えてしまいます。目の前には太平洋、湯には塩味。話としては非常に分かりやすい。ただ、白浜には源泉ごとの成分差も大きく、本当に「海水が混じった」で全部説明できるのか興味が湧きました。
白浜温泉を詳しく調べた古い研究、佐藤幸二「紀伊白浜温泉の地質と温泉」では、塩化物などの多い源泉と、炭酸水素イオンが多く溶存物質の少ない源泉が確認され、白浜の温泉水と海水混入の関係が考察されています。さらに紀伊半島各地の温泉水を調べた2021年の研究では、半島西側に多いNa-K-Cl型の試料について、海水と別タイプの地下水との混合で説明できるものが多い一方、水の同位体には地下深部での鉱物脱水を考えたくなる特徴も報告されています。
私は当初、「海沿いだから海水」か、逆に「化石海水や深部流体なのでは」と一つの答えを探していました。でも調べてみると、雨水由来の地下水、海水、岩石との反応、さらに深い場所からの流体まで、候補が重なってきました。白浜の塩辛さは、単純な海辺の温泉というより、地下でいろいろな水が出会った結果なのかもしれない。そう考えると、塩味ひとつでも随分遊べてしまいました。
牟婁の湯の二つの源泉から地下を想像してみた
共同浴場「牟婁の湯」へ行くと、一つの施設で二種類の源泉に入れます。これを知ったとき、「すぐ近くなのに、地下では別々の道を通っているのかな」と想像しました。地上では浴槽が隣同士。それなのに湯の成分が違うとなれば、温泉好きとしては床の下を勝手に透視したくなります。
和歌山県温泉協会による牟婁の湯の源泉情報を見ると、砿湯は含硫黄-ナトリウム-塩化物強塩温泉で74℃、行幸湯はナトリウム-塩化物泉で78℃。前者は中性、後者は弱アルカリ性とされ、同じ高張性高温泉でも特徴が異なります。また白浜温泉を調べた1964年の研究では、源泉が白浜断層と湯崎断層にはさまれた地域、とくに湯崎周辺に集中し、化学組成にも複数のタイプがあることが報告されています。
だからといって、この二源泉が別々の断層を通っているとまでは資料から判断できませんでした。井戸の深さや地下の亀裂、途中で混ざる地下水まで分からなければ流路は描けないからです。それでも、一つの浴場で二種類の源泉を交互に味わえるという事実だけで、地下が均一ではないことを実感できます。牟婁の湯は、入浴しながら地下を妄想するには実に面白い場所でした。
長生温泉の炭酸水素塩から源泉の幅を見てみた
白浜温泉と聞くと、海辺の塩化物泉という印象が強かったのですが、長生温泉を見ると少し様子が違います。和歌山県温泉協会の長生の湯の源泉情報では、泉質はナトリウム-炭酸水素・塩化物泉、弱アルカリ性・低張性で、源泉温度は78℃。同じ白浜なのに、湯崎の高張性塩化物泉とは分析書の顔つきが変わります。「少し内陸へ入るだけで、地下の水のつくり方も変わるのだろうか」と興味を持ちました。
調べてみると、白浜はそもそも一種類の湯でできた温泉地ではありませんでした。南紀白浜観光協会の「源泉豊富な南紀白浜」には15源泉が紹介され、塩化物泉だけでなく、塩化物・炭酸水素塩泉、硫黄泉など複数のタイプが並びます。また紀伊半島を対象にした地球化学研究では、内陸側のNa-K-HCO₃型地下水について、斜長石など岩石との反応の影響も指摘されています。ただし、この研究結果をそのまま長生温泉の成因へ当てはめることはできません。
最初は「粘土鉱物とのイオン交換かな?」と細かい仕組みまで想像していましたが、そこまでわからなくても十分面白い。海辺の塩辛い湯から少し移動すると、炭酸水素塩を含む別の源泉が現れる。白浜という一つの温泉地の地下に、思っていた以上の幅があること自体が、新しい発見でした。
崎の湯の岩肌からタフォニを連想してみた
崎の湯で海を眺めていると、湯だけでなく周囲の岩肌まで気になってきます。波しぶきをまともに受ける海岸の岩には、細かな凹凸や穴のような部分も見えます。私はそれを見て、「これがタフォニなのかな?」と考えました。タフォニとは、岩肌に蜂の巣のような穴が発達する風化地形です。海水が直接ぶつかる崎の湯なら、塩も関係していそうな気がしました。
白浜町内には実際にタフォニとして紹介されている場所があります。白浜町の「保呂の虫喰岩」ジオサイト解説では、砂岩・礫岩の表面に蜂の巣状の凹みが発達し、地層中の塩類が溶けたり結晶化したりする働きによってできると説明されています。海岸砂岩のタフォニについても、塩類風化が大きな要因になることが地形学の研究で紹介されています。
ただし、崎の湯で私が見た凹みそのものを「タフォニ」と正式に記載した資料までは確認できませんでした。それでも、白浜町が案内する崎の湯は波しぶきが届くほど海に近い場所。次に行ったら湯船だけではなく、岩の表面までじっくり見てしまいそうです。「海水にさらされる岩はどう変わるのか」という、新しい観察項目が一つ増えました。
白浜の白い温泉華は何でできているのか
白浜の高温泉を見ていると、湯口や温泉が流れる場所に付着物ができていることがあります。塩分の多い湯だけに、私は最初「海水を乾かしたときの塩みたいなものも混ざっているのかな」と想像しました。でも、温泉の析出物はそんなに単純ではないはず。昔の白浜では、実際に何が沈殿しているのか調べられていないだろうか、と資料を探してみました。
そこで見つけたのが、1964年の「紀伊白浜温泉の地質と温泉」です。この研究では、当時調べられた白浜温泉の「温泉華」の主成分はCaCO₃、つまり炭酸カルシウムで、MgCO₃も含まれていたと報告されています。しかも湧出口から離れるにつれてマグネシウムが増えるという記述までありました。一般的な炭酸塩泉でも、水が地表へ出て二酸化炭素を放出すると、条件によって炭酸カルシウムが沈殿することがあります。
もちろん、現在見かける白い付着物がすべて同じ成分かはわかりません。そこは実物を分析しなければ分からないところです。ただ、私は「白いから塩が混ざっていそう」と思っていたのに、過去の研究では炭酸カルシウムが主役として登場しました。温泉が岩肌や湯口に残していく白い模様も、分析してみれば水の化学変化の跡なのかもしれない。今度から析出物まで無視できなくなりそうです。
千畳敷の縞模様から海底の記憶を追ってみた
千畳敷を歩くと、広い岩盤の中に何層もの縞模様が見えてきます。場所によっては層が揺らいだようにも見え、「もしかして昔の海底地すべりや地震で地層がぐにゃっと動いた痕跡かもしれない」と想像しました。地層の曲がりを見ると、つい巨大災害を思い浮かべてしまうのが私の悪い癖です。
白浜町の「千畳敷」ジオサイト解説によると、千畳敷は田辺層群上部層の砂岩からなり、浅い海で形成された堆積構造や、生物が地層に残した生痕化石を観察できる場所です。また現在の大きな平坦面は、波による浸食でできた波食台が隆起したものと説明されています。一方、同じ白浜町の「白浜の泥岩岩脈」の解説を見ると、近くの権現崎には、地震などをきっかけに地下の泥が液状化して上の地層へ入り込んだと考えられる泥岩岩脈も存在します。
つまり、「千畳敷の縞=古地震痕」と一気につなげるより、この一帯には浅海の堆積記録もあれば、別の場所には地震による変形を考えさせる地質もある、と見たほうが正しそうです。千畳敷が単なる平たい岩ではなく、「昔ここが海底だった時代」を読み取れる場所だと知っただけでも、足元の景色がだいぶ変わりました。
湯崎の路地で見つけた温泉インフラを追ってみた
湯崎周辺を歩いていると、温泉そのものだけではなく、源泉設備や配管らしきものまで気になってきます。旅館や住宅が並ぶ普通の街並みの中に源泉があり、そこから別の場所へ湯が運ばれている。私は「地下から湧いた瞬間で温泉旅が終わるわけじゃないんだな」と妙なところに興味を持ちました。源泉から浴槽まで、街の中にも“温泉の道”があるはずです。
調べてみると、白浜ではその仕組みがかなり分かりやすく表に出ています。南紀白浜観光協会が紹介する15の源泉には、それぞれ供給元まで記載され、白浜町だけでなく複数の温泉供給会社が登場します。たとえば崎の湯や牟婁の湯で使われる行幸源泉は湯崎温泉観光株式会社が供給しており、日本温泉協会の企業紹介でも同社は白浜温泉で温泉の供給・販売を行う会社として掲載されています。
現地で見える配管一本一本について「これは何源泉」とまでは判断できませんし、材質や送湯方法も一律ではないでしょう。それでも、温泉地の裏には「湧かす」だけでなく、「運ぶ」という仕事がある。源泉名と供給元を知ってから街を歩けば、旅館の浴槽だけではなく、源泉設備や配管まで風景の一部に見えてきます。温泉街歩きの見る場所が、また一つ増えてしまいました。
白良浜の白砂を支える自然と養浜を調べてみた
白良浜へ行くと、まず砂の白さに驚きます。私はずっと「白浜という土地にもともとある特別な砂が、自然にここへ集まっているんだろう」と思っていました。ところが、あれほど整った白い砂浜を見ているうちに、「これだけの砂を、波にさらされながらどうやって維持しているんだ?」という別の疑問が湧いてきました。
白浜町による白良浜の紹介では、約620m続く砂浜は、90%もの珪酸を含む石英砂でできているとされています。一方、砂浜は過去に減少しており、2024年の和歌山県議会で示された白良浜の海岸整備の経緯によれば、1989年度から2000年度にかけて約7万5000m³の砂を投入する養浜が行われ、突堤や潜堤なども整備されました。県議会では、過去にオーストラリア・パースから砂を入れた養浜にも言及されています。
つまり、現在の白良浜は「天然だから美しい」「人工だから美しい」という二択ではありません。もともとの石英砂の白さがあり、その景観や海岸を守るために長年の土木整備と管理が重ねられてきた。私は養浜と聞くと一瞬「人工の浜なの?」と思いましたが、むしろ調べたことで、この白さを残すために人がどれほど手をかけてきたのかに興味が移りました。白い砂そのものだけでなく、「白良浜を白良浜として残す仕事」まで景色の一部に見えてきました。
京大白浜水族館で無脊椎動物に沼ってみた
白浜まで来て水族館へ入るなら、大きなサメや派手な魚を見るのかな――と思いきや、京都大学白浜水族館では様子がかなり違いました。カニ、エビ、ヒトデ、ウニ、ナマコ、イソギンチャク……妙に無脊椎動物が強い。「なぜ大学の水族館は、こんなに渋い方向へ全力なんだ?」と気になりました。温泉とは関係ありませんが、これは放っておけません。
京都大学白浜水族館の公式案内によれば、この水族館は京都大学フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所の付属施設で、白浜周辺の無脊椎動物と魚を中心に約500種を常時展示しています。館長による白浜の海と展示方針の解説を読むと、周辺には岩盤・礫・砂・泥など多様な海底環境があり、黒潮の影響も受けるため、温帯性から亜熱帯性まで多様な生物が暮らしています。さらに瀬戸臨海実験所では、古くから海産無脊椎動物の研究が盛んでした。
だから無脊椎動物が多いのは、単なる「変わった展示で目立とう」という話ではなかったようです。地域の海の多様性と、大学で積み重ねられてきた研究が、そのまま水槽へ出てきている。現在の展示生物一覧を見るだけでも分類名が次々と登場し、普通の水族館とは違う方向へ沼が広がります。白浜で温泉成分を追いかけた後に、今度は棘皮動物や刺胞動物まで追い始める。旅行が終わる気配がありません。



湯に浸かり、岩を眺め、白砂を歩く。
次の休みは、白浜温泉で「大地と海が重ねてきた時間」をたどる旅に出かけませんか?
- 日本三古湯に数えられる名湯
-
道後温泉、有馬温泉と並ぶ日本三古湯のひとつ。『日本書紀』にも当地への行幸が記され、長い歴史を感じながら湯めぐりを楽しめる温泉地です。
あわせて読みたい
有馬温泉レビュー|金泉・銀泉の湯めぐりと名物グルメを味わう日帰り旅(兵庫県神戸市) 太古の海水が地下深くから湧き出す茶褐色の金泉と、六甲の岩盤を抜けて自噴する無色透明の銀泉。有馬温泉は、温泉街の中に全く異なる泉質の源泉が点在する稀有な温泉地…あわせて読みたい
道後温泉の魅力|三千年の古湯とグルメ、街歩きを楽しむ旅(愛媛県松山市) 約三千年の歴史が息づく道後温泉。木造建築の佇まいと、路面電車がことことと走る風景は、訪れる人をどこか懐かしい時代へと誘います。湯気に包まれる街を浴衣で歩きな… - 海辺で楽しむ外湯めぐり
-
崎の湯や牟婁の湯、白良湯など、個性の異なる外湯が点在。牟婁の湯では二種類の源泉を楽しめるなど、街を歩きながら温泉文化に触れられます。
あわせて読みたい
氷見温泉郷の魅力|立山連峰の絶景と海鮮グルメを楽しむ旅(富山県氷見市) 富山湾の穏やかな波音を聞きながら、海沿いの道をたどる旅。青い海の向こうには、白い雪をいただく標高3000m級の山並みが浮かび、地下深くから汲み上げられる温泉には、… - 白良浜と温泉街の風景
-
約620mにわたって白砂が続く白良浜は、南紀白浜を象徴する景観のひとつ。温泉街と海が近く、砂浜の散策を温泉旅行と一緒に楽しめるのも魅力です。
あわせて読みたい
磯原温泉の魅力|二ツ島を望む温泉とあんこうを楽しむ海辺旅(茨城県北茨城市) 太平洋の波音が間近に響く磯原海岸。海沿いの限られた一角に、泉質の異なる温泉が息づいています。水平線から昇る朝日、硫黄を含む冷鉱泉、野口雨情ゆかりの文化。北茨… - 千畳敷などの海岸絶景
-
太平洋を望む千畳敷をはじめ、海岸沿いにはダイナミックな景勝地が点在します。温泉だけでなく、岩盤や水平線、夕景まで巡れる旅先として楽しめます。
あわせて読みたい
松島温泉の魅力|日本三景を望む湯と海の幸を巡る旅(宮城県松島町) 松尾芭蕉も旅した、日本三景・松島の海。幾百年にわたり人々を魅了してきた多島美のそばに、現代になって新たな温泉文化が生まれました。松をまとった島々を眺めながら… - クエ料理と紀州の海の幸
-
白浜の名物として知られるクエをはじめ、伊勢海老やもちがつお、トコブシなど季節の魚介も魅力。温泉とともに紀州らしい食文化を味わえる土地です。
あわせて読みたい
いわき湯本温泉の魅力|硫黄香る古湯と常磐ものを楽しむ湯の旅(福島県いわき市) 澄んだ源泉と、ゆで卵を思わせる硫黄の香り。日本三古泉の一つとして紹介されるいわき湯本温泉には、毎分約5,500Lという豊富な湯量と、千年以上にわたって受け継がれて…
温泉マニアあるある! – 白浜温泉考察編



マニアの人はこうなっちゃう…かも!?
- 海を見に来たのに、まず源泉が気になる
-
白良浜の青い海と白砂を前にしても、「きれいだね!」の次に出てくる言葉は「ところで、この辺の源泉って何℃だっけ?」。同行者が海を撮影している横で、マニアは温泉案内板を探し始めます。リゾート気分と温泉調査を同時進行できるのが、白浜のすばらしいところです。
- 高温の数字を見ると地下を想像する
-
分析書や源泉情報で70℃台、80℃近い数字を見つけると、「火山が目立つ場所でもないのに、この熱はどこから……」と急に地下世界へ。プレートや地下水まで頭の中に登場し、同行者から「いま温泉旅行だよね?」と言われても、「だから面白いんじゃないか」と目を輝かせます。
- 牟婁の湯では二源泉を比べずにいられない
-
せっかく二つの源泉を楽しめるのだから、マニアにとっては絶好の比較タイム。「こっちが砿湯で、こっちが行幸湯……」と、湯ざわりや香り、浴槽まわりの様子まで気になって仕方ありません。同行者がのんびり浸かっている間、一人だけ頭の中で温泉比較表を作っています。
- 塩化物泉を見ると海水だけでは納得しない
-
海辺で塩化物泉と聞けば、普通なら「海が近いからかな」で終わるところ。ところがマニアは「地下水との混ざり方は?」「源泉ごとの差は?」と話を広げ始めます。「海辺なんだから海水じゃないの?」と言われると、「そこを調べるのが楽しいんだよ」と、なぜかドヤ顔です。
- 湯口と析出物の前で立ち止まる
-
湯口の周囲に白っぽい付着物や析出物を見つけると、マニアの観察時間が始まります。「これはどんな成分が関係しているんだろう」と眺め、分析書のCa²⁺やHCO₃⁻まで思い出し始める始末。もちろん見た目だけで正体は決めません。それでも眺めてしまうのが温泉好きです。
- 温泉街で地面から出ている管まで気になる
-
温泉街を歩いていて配管らしきものを見つけると、「これは温泉管なのか……?」と視線が吸い寄せられます。源泉から浴槽まで、お湯はいったいどう運ばれているのか。ついには建物より配管を撮影し始め、同行者から「白浜まで来て、それ撮るの?」と聞かれます。
- 千畳敷で景色より先に地層を見る
-
雄大な海を前に、同行者が「絶景!」と感動している横で、「この縞模様、どうやってできたんだろう……」と岩を凝視。砂岩や堆積構造が気になり始めると、水平線より足元のほうが忙しくなります。温泉旅行だったはずが、いつの間にか地質観察会になっています。
- 白良浜では砂まで観察対象になる
-
真っ白な砂浜を歩けば、「きれいな砂だな」で終われません。「どんな粒なんだろう」「この白さは何だろう」と足元をじっと観察。温泉、分析書、地下水、岩石と来て、とうとう砂まで守備範囲に入ります。白浜では景色を楽しむだけでも、マニアの調査対象が増えていくのです。
- 岩に穴があるだけで急にテンションが上がる
-
海岸を歩いていると、いつしか景色全体より岩肌の凹凸が気になり始めます。「塩類風化かな」「海岸だからなぁ……」と独り言まで増加。同行者にはただの穴に見えても、本人の頭の中では地質と海と時間がつながり、壮大な物語が始まっています。
- 岩の穴を見るたびにタフォニを疑う
-
そしてついに、海岸を歩いていて岩の穴を見るたびに立ち止まり、「これは……タフォニかもしれない……」とつぶやくようになります。確認できたわけでもないのに、一人で地形のロマンに浸って満足そう。まわりからは“湯めぐりタフォニ”と呼ばれます。



管理人いじりですね…
そう呼ばれるのも悪くない!









