霊泉寺川に沿って小さな湯宿が並び、その一角に共同浴場が佇む霊泉寺温泉。
共同浴場では、無色透明の源泉が浴槽へ注がれ、縁から静かにオーバーフローしていきます。
分析書を開けば、Ca²⁺とSO₄²⁻が大きな割合を占めながら、泉質名はアルカリ性単純温泉。
川音と湯音が重なる山あいで、数字と実際の湯を見比べたくなる温泉地です。
- 霊泉寺温泉共同浴場の雰囲気
山あいの共同浴場へ実際に訪れて見た現地の様子を紹介します。 - 源泉かけ流しの湯ざわり
無色澄明の湯色や温度、湯口、オーバーフローを体験目線で紹介します。 - 泉質と温泉分析書の数値
アルカリ性単純温泉のpHや源泉温度、主要成分を確認します。 - 共同浴場の料金と利用方法
入浴料金や営業時間、駐車場、備品など訪問前に知りたい情報を紹介します。 - 丸子温泉郷の湯めぐり体験
霊泉寺から大塩温泉へ向かった実際の湯めぐりルートも紹介します。


霊泉寺温泉ってどんなところ? | 4コマ漫画で体験してみる
ゆめにゃん猫は入れないからフィクションにゃ…


霊泉寺温泉 体験記
晴れた9月中旬の土曜日、久しぶりに丸子温泉郷の共同浴場を巡ることにしました。
最初に向かったのは、以前にも入浴した霊泉寺温泉。湯口、オーバーフロー、浴槽の温度計へ順番に目を向けます。
そして今回も気になったのが、溶存物質0.9914g/kgという温泉分析書の数字。
山あいの共同湯で実際に見たもの、触れた湯ざわり、妻が拾った香りまで記録していきます。
9月中旬の昼前、丸子温泉郷の再訪を決めて車を走らせました。国道から山あいへ入り、霊泉寺川に沿って細い道を進むと、以前と変わらない共同浴場が見えてきます。
- 丸子三湯を巡る一日がスタート
土曜日に時間が空き、以前訪れた丸子温泉郷をもう一度回ることにしました。車を走らせながら霊泉寺、大塩、鹿教湯の順番を頭の中で組み立てます。途中では別所温泉の案内板も目に入り、「三湯の後にもう一湯」という欲まで出てきました。こうして予定は移動中にも少しずつ膨らんでいきます。 - 霊泉寺川に沿って細い道の奥へ
国道254号から案内に従って曲がると、景色は次第に山あいへ変わります。集落を抜けるにつれて道路幅も狭くなり、対向車を意識しながらハンドルを握りました。窓の外には霊泉寺川の白い流れ。前回の記憶と道路の曲がり方を重ねながら、舗装路をさらに奥へ進みました。 - 十二時半、共同浴場前へ到着
12時30分頃、見覚えのある共同浴場近くの無料駐車場へ車を入れました。現在も上田市は霊泉禅寺隣の無料駐車場を案内しています。車を降りると、店が連なる温泉街とはまったく違う景色。建物の向こうから川音が続き、平屋の共同浴場へ歩いて向かいました。 - 250円を納めて脱衣所へ
入口から館内へ入り、利用料250円を料金箱へ納めます。現在の一般料金も250円で、営業時間は7時から21時です。奥へ進むと脱衣かごや貴重品を収める設備が並んでいました。財布と車の鍵をしまい、浴室へ入る前に壁面をひと通り確認しました。
前回は目にしたはずの温泉分析書が、今回の男湯側では見つかりません。数値は後から改めて確認することにして、記憶に残っていた44.5℃と0.9914g/kgを頭の片隅に置いたまま浴室へ向かいました。
- 男湯側で分析書を探してみる
服を脱ぐ前に壁を順番に見ていきました。前回は入口付近で分析書を読んだ記憶があるのですが、今回、私が確認した範囲には見当たりません。掲示場所が変わったのか、私が見落としたのかは判断できませんでした。そこで現地では探し続けず、入浴後に分析値をもう一度整理することにします。 - 源泉温度44.5℃、毎分99.3L
確認した平成31年の温泉分析書には、源泉温度44.5℃、pH8.9、湧出量99.3L/分と記されています。湧出方法は掘削による動力揚湯。浴槽へ入る前にこの数字を知っていると、「44.5℃の源泉が浴槽では何℃になっているのか」と、温度計にも自然と目が向きました。 - 一グラム直前で止まる溶存物質
分析書で何度見ても目が止まるのが、ガス性成分を除いた溶存物質0.9914g/kgという数字です。塩類泉の分類で一つの基準となる1.000g/kgまで、差はわずか0.0086g、つまり8.6mg/kg。泉質欄には「アルカリ性単純温泉」と記載されています。このスレスレの数字は、再訪してもやはり気になります。 - カルシウムと硫酸イオンを確認
内訳を見るとCa²⁺は218.5mg/kg、陽イオン中77.31mval%。SO₄²⁻は612.1mg/kgで、陰イオン中90.48mval%を占めています。ただし、これを理由に分析書とは異なる泉質名を付けることはできません。まずは「アルカリ性単純温泉」という正式な記載と、イオン構成の数字を分けて眺めます。
浴室には無色透明の湯が張られ、湯口から入ったお湯が浴槽の縁を越えて流れていました。派手な湯色ではないぶん、温度、湯ざわり、波紋、オーバーフローへ自然と視線が移っていきます。
- 浴槽の縁を越える湯を目で追う
持参した洗浄用品を使ってから浴槽へ向かいました。共同浴場のお湯は現在も源泉100%かけ流しと案内されています。 浴槽を見ると、透明な湯が縁を越えて床へ流れ、排水方向へ筋を描いていました。湯面だけでなく、その先のオーバーフローまで目で追ってしまいました。 - 湯尻側から静かに足を入れる
湯口側には先客がいたため、反対側からゆっくり足を沈めました。肌に触れた湯はさらりとしており、強いぬめりはありません。底に敷かれた青いタイルまで見通せるほど湯色は透明です。大きな湯の花や浮遊物は私が見た範囲では確認できず、水面には人の動きに合わせて細かな波紋だけが広がっていました。 - 温度計は42度付近を指す
湯口近くにある温度計へ目を向けると、私が見た時の目盛りは42℃前後。分析書記載の源泉温度44.5℃とは数℃の差があります。配湯中の放熱や湯量の調整など、理由はいくつか考えられますが、実際の管理方法までは確認していません。ここでは「訪問時の浴槽で約42℃に見えた」という観察記録に留めます。 - 湯口と緑色の壁面を観察する
先客が移動したタイミングで湯口側へ寄ると、丸いパイプから湯が静かに流れ込んでいました。周囲に厚い析出物は見当たりません。一方、湯が当たりやすい壁面には緑色に見える変色があります。鉱物、素材、湿気など原因は現地では判別できないため、色の変化だけを記録しておきました。
15分ほどで浴槽を出た後、もう一度脱衣所を見渡しましたが、男湯側では分析書を発見できませんでした。一方、妻からは女湯側には掲示があったとの話。入浴後、数値を改めて一つずつ確認します。
- 15分ほどで浴槽をあとにする
次に大塩温泉へ向かう予定もあったため、今回は15分ほどで区切りました。浴槽から上がり、身支度をしながらもう一度周囲を確認します。ロッカー付近や入口側にも目を向けましたが、私が見た範囲では分析書は見つかりません。最後に床へ流れる湯を眺めてから外へ出ました。 - 女湯側では分析書の掲示を確認
車へ戻ると妻はすでに外へ出ていました。「男湯に分析書が見つからなかった」と話すと、女湯側には掲示されていたとのこと。同じ共同浴場でも、私が入った側では確認できず、妻側では見つかったという小さな出来事も今回の記録に残りました。分析値そのものは、訪問後に手元の資料と照らし合わせて整理しています。 - 1.030と0.9914の違い
分析書には蒸発残留物1.030g/kgと、溶存物質0.9914g/kgの両方が記されています。一見すると「1gを超えているのに、なぜ単純温泉?」となりますが、これは同じ数値ではありません。泉質分類を見る際には溶存物質の欄を確認する必要があり、0.9914g/kgという数字がここで効いてきます。 - 分析書は推測せずそのまま読む
メタけい酸は37.2mg/kg、フッ化物イオン0.81mg/kg、ストロンチウムイオン1.0mg/kgなども記載されています。一方、溶存ガス成分欄のCO₂やH₂Sには「―」の表示があります。ここを勝手に「未検出」と読み替えず、分析書に書かれている範囲だけを記録。数字と浴槽での観察を混ぜないようにしました。
建物を離れたところで、妻から「かすかに硫黄いたね」の一言。私にはほとんど拾えなかった香りです。分析書の数字とは別に、それぞれの鼻で受け取った印象も体験記として残し、次の大塩温泉へ向かいます。
- 妻の鼻には「硫黄」がいた
共同浴場から駐車場へ戻る途中、妻がさらりと「かすかに硫黄いたね」と口にしました。私は浴室でも湯口付近でも、はっきり硫黄と呼べる香りまでは拾えていません。同じ浴槽に入っても、鼻が拾うものは人によって違います。私は「ほぼ無臭寄り」、妻は「ごく淡く硫黄」。その差もそのまま記録します。 - 分析書と鼻の情報は分けておく
分析書のH₂S欄は「―」で、そこから妻が拾った香りの正体まで決めることはできません。温泉分析書の数値は数値として、現地で鼻に入った香りは主観的な観察として別々に扱います。「硫黄臭がある」と一般化せず、「妻はかすかに硫黄のような香りを拾った」と書くのが今回の体験に近い表現です。 - 車内で水分補給しながら休憩
時計を見ると13時頃。車へ戻り、後部座席から保冷ボトルを取り出して水分補給をしました。窓を少し開けると山あいの風が入り、遠くから川音が届きます。シートへ背を預けながら、44.5℃、42℃前後、0.9914g/kg、SO₄²⁻612.1mg/kgと、先ほど見てきた数字を頭の中で並べ直しました。 - 14時開館の大塩温泉へ向かう
次に向かう大塩温泉共同浴場は14時開館。現在も上田市の案内では14時から21時までとなっています。 少し時間を置き、13時30分頃に再びエンジンを始動。霊泉寺の透明なアルカリ性単純温泉を頭に残しながら、次は36℃台の源泉を持つ大塩へ車を走らせました。



川音を聞き、澄んだ湯の波紋を眺め、湯口と分析書の数字をじっくり追いかける。
次の休みは、霊泉寺温泉で「静かな山里の湯」と向き合う旅に出かけませんか?
霊泉寺温泉 – アクセスと基本情報
| 温泉地名 | 霊泉寺温泉 |
|---|---|
| 所在地 | 長野県上田市 |
| 入浴施設 | 複数あり 今回は共同浴場を利用させていただきました |
| 主な泉質 | アルカリ性単純温泉(低張性・アルカリ性・高温泉) ※今回確認した平成31年交付の温泉分析書による pH:8.9(現地測定値)/8.83(試験室測定値) |
| お湯の特徴 | 訪問時の湯は「ほとんど無色澄明」。 浴槽の底まで見通せる透明感があり、さらりとした湯ざわりでした。 湯口から注がれた源泉が浴槽を満たし、縁から静かにオーバーフロー。 共同浴場は源泉100%かけ流しと案内されています。 |
| 香り | 私にはほぼ無臭に近く、湯口付近でごく淡い鉱物系の気配を拾う程度でした。 一方、同行した妻は「かすかに硫黄いたね」とひと言。 同じ浴槽でも香りの捉え方には差があり、今回はそれぞれの嗅覚による体験として記録しています。 |
| 雰囲気 | 霊泉寺川に沿って山道を進むと、小さな温泉地の中に共同浴場が静かに佇んでいます。 華やかな温泉街というより、川音や山の景色がすぐそばにある昔ながらの湯場。 共同浴場には現在も地域住民と観光客の双方が訪れています。 |
| 楽しみ方 | まず共同浴場で無色澄明の源泉かけ流しを眺め、湯口やオーバーフローにも注目。 宿泊なら山菜やきのこ、川魚など山里の料理も旅の楽しみに加えたいところです。 湯上がりには霊泉禅寺を散策し、さらに大塩温泉や鹿教湯温泉へ足を延ばして丸子温泉郷を巡るのも面白い組み合わせです。 |
| ※源泉や施設によって記載と異なる場合があります。コンディションによって印象は変わる場合があります。 ※掲載している情報は訪問時のものです。最新の情報は公式サイト等で確認をお願いいたします。 | |
- 無色澄明の湯を眺める
-
温泉分析書に「ほとんど無色澄明」と記された霊泉寺温泉。派手な濁りや湯色ではなく、浴槽の底まで見通せる澄んだ姿が印象的です。湯口から広がる波紋やオーバーフローまで観察したくなる透明感があります。
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共同浴場で確認した分析書ではpH8.9のアルカリ性単純温泉。溶存物質は0.9914g/kgと1g/kgのすぐ手前で、Ca²⁺やSO₄²⁻の割合にも目が向きます。泉質名だけでは終われない、分析書好きには興味深い源泉です。
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温泉マニアあるある! – 霊泉寺温泉レビュー編2



マニアの人はこうなっちゃう…かも!?
- 無色澄明だと底まで確認する
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浴槽をのぞき込み、青いタイルまでくっきり見えると「うむ、澄明」と勝手に検品を始めます。友達が「透明なお湯でしょ?」と言っても、「違う。“ほとんど無色澄明”だ」と分析書の表現に妙なこだわりを発揮。湯色ひとつにも正式名称を求めるのがマニアです。
- オーバーフローの行方を目で追う
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浴槽の縁からお湯が流れ出していると、入浴する前から視線はそちらへ。「おお……流れてる流れてる」と、床を伝って排水へ向かう湯を無言で追跡します。友達にはただのお湯でも、マニアには湯口からオーバーフローまで全部まとめて観察対象なのです。
- 42℃の温度計を二度見する
-
湯口付近の温度計が42℃あたりを指していると、「源泉44.5℃だったよな……」と頭の中で計算開始。友達が普通に湯船へ入っている横で、温度計と湯口を交互に見つめます。数℃の違いから浴槽までの湯の流れを想像し始めたら、もう入浴どころではありません。
- 湯口の壁まで観察してしまう
-
丸いパイプから注ぐ湯を眺めた後、なぜか視線は周囲の壁へ。「ここだけ色が違うな……」と、湯が跳ねる場所までじっくり観察します。友達が「壁まで見る必要ある?」と聞けば、「長年ここに湯が飛んでるんだぞ」とドヤ顔。浴槽だけ見て帰れないのがマニアです。
- 「硫黄いた」で鼻が再起動する
-
湯上がりに同行者から「かすかに硫黄いたね」と言われた瞬間、「えっ、いた!?」と記憶の中の香りを全力で再検索。自分にはほぼ分からなかったのに、急に湯口付近の空気が気になり始めます。分析値だけではなく、人間の鼻まで観測機器扱いし始めるのです。
- 分析書がないと落ち着かない
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脱衣所へ入って壁を見ると、以前あったはずの温泉分析書が見当たりません。「あれ……どこ行った?」と料金箱の横、壁、ロッカー周辺まで視線が巡ります。普通なら服を脱ぐところですが、マニアはまず分析書捜索。入浴前から目的が少しおかしくなっています。
- pHよりイオンの割合を見始める
-
pH8.83を確認して「アルカリ性だね」で終わるかと思いきや、次にCa²⁺218.5mg/kg、SO₄²⁻612.1mg/kgへ視線が移動。「ほほう……」と急に無口になります。同行者には数字の羅列でも、本人の頭の中では温泉分析書が急に読み物へ変わっています。
- 「単純温泉」で素直に帰れない
-
泉質欄に「アルカリ性単純温泉」と書いてあれば普通はそこで終了。しかしマニアは成分表まで下へスクロールし、「いや待て、硫酸イオン612.1mg/kgあるぞ」と話をややこしくします。泉質名を確認するために見た分析書から、新しい疑問を勝手に持ち帰ってしまいます。
- 蒸発残留物まで見て話を広げる
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溶存物質だけで十分なのに、蒸発残留物1.030g/kgを発見すると「こっちは1g超えてる!」と再び数字に反応。もちろん測定項目の意味は同じではありません。それでも隣り合う数字を見つけた瞬間、比較したくて仕方がない。分析書一枚でいつまでも遊べます。
- 0.9914に一人で感動する
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湯上がりに温泉分析書を眺めながら、「溶存物質0.9914g/kgって……ボーダーラインじゃん……」と小声でつぶやきます。同行者には何が面白いのか伝わりませんが、本人だけは1.0000g/kgまであと0.0086という数字に夢中。まわりからは”おしゃべりボーダーライン”と呼ばれます。



管理人いじりですね…
そう呼ばれるのも悪くない!








