東丹沢の山裾に宿が点在する七沢温泉は、pHの高いアルカリ性の源泉で知られる山あいの温泉地です。
無色透明の湯に手を沈めれば、指先がするりと滑る独特の湯ざわり。
街中から山へ入った先には木立が迫り、静かな景色の中で七沢ならではの源泉の個性に向き合えます。
- 七沢温泉はどんな温泉地?
東丹沢に広がる七沢温泉の特徴や魅力を紹介します。 - 七沢荘の日帰り入浴を体験
混雑状況から浴場まで、実際の立ち寄り体験を紹介します。 - 七沢温泉の泉質・pHを確認
アルカリ性単純温泉の泉質やpH、源泉温度を読み解きます。 - 七沢荘の湯ざわりを実体験
無色透明の湯で体験した独特のぬるりとした感触を紹介します。 - 源泉水風呂と温泉分析書
26℃前後の源泉水風呂と分析書の数値を照らし合わせます。

七沢温泉ってどんなところ? | 4コマ漫画で体験してみる
ゆめにゃん猫は入れないからフィクションにゃ…


七沢温泉 体験記
静岡へ向かう途中、神奈川県内で高pHの湯を探し、車の進路を東丹沢へ変えました。
11月下旬の日曜夕方、七沢温泉で待っていたのは、玄関前に並ぶ入場待ちの人々と30分ほどの待ち時間。
その先で浸かった加温浴槽と冷たい源泉の壺風呂を往復し、掲示された温泉分析書の数字を自分の手足で確かめてきました。
静岡へ向かう途中で地図を開き、条件に据えたのは高pHのアルカリ性源泉。日帰り利用先を探すうちに七沢温泉が浮上し、高速道路を降りて山側へ車を進めました。
- 静岡への途中で進路変更
静岡方面へ走っている途中、「せっかく神奈川県を通るなら一湯入っておこう」と地図を開きました。探したのはpHの高いアルカリ性の湯です。候補を追っていくと東丹沢の山裾に七沢温泉を発見。日帰り利用を受け入れている施設へ向け、そのまま高速道路を降りました。 - 夕闇へ沈む丹沢の山並み
訪れたのは11月下旬の日曜日。17時頃には丹沢の稜線も輪郭を失い始めていました。施設から歩いて3分ほど離れた駐車場へ車を停め、上着の前を閉めて玄関へ向かいます。山側から流れてくる冷たい空気に触れ、吐く息がうっすら白く浮かびました。 - 玄関前でまさかの入場待ち
玄関まで来ると、そのまま浴室へ向かう展開にはなりませんでした。建物の前には受付を待つ人の列。混雑のため入場を制限しており、番号札を受け取って外で待機します。日曜夕方という時間帯も重なったのでしょう。山あいの湯宿とは対照的な人の多さでした。 - 木立を眺めながら30分
外の待合スペースで番号が呼ばれるまで、およそ30分。木々の向こうは次第に暗くなり、晩秋の風が首元を抜けていきます。ここまで冷えると、頭に浮かぶのは加温された浴槽です。番号を呼ばれた瞬間に立ち上がり、靴を下駄箱へ収めて館内へ入りました。
服を脱ぐ前に足が止まったのは、壁に掲げられた温泉分析書の前でした。pH9.7台、源泉温度26.1℃。浴室へ入る前に、これから触れる源泉の輪郭を数字から追っていきます。
- まず確認するのはpH
脱衣所へ入ると、ロッカーへ向かう前に温泉分析書の前で足を止めました。最初に目を向けたのはpHです。掲示には9.7台の数値。かなり高いアルカリ性を示しています。「さて、実際の湯ざわりはどうだろう」。数字を頭へ入れてから、次の項目へ視線を移しました。 - 源泉温度は26度台
源泉温度は26.1℃。浴槽へそのまま張れば、一般的な入浴温度には届かない低温泉です。湧出量の欄には毎分56L前後、動力揚湯との記載もあります。浴室へ入る前なのに、すでに「加温浴槽と源泉そのものでは、触れ方がかなり違いそうだ」と興味が湧いてきました。 - 成分総量は意外と控えめ
成分総計は1g/kgを大きく下回る値で、泉質はアルカリ性単純温泉。成分表を追うと、ナトリウムイオンや炭酸水素イオン、炭酸イオン、メタケイ酸などが並んでいます。数字だけを眺めれば派手な高濃度泉ではありません。それでもpHは9.7台。この組み合わせに目が止まりました。 - 利用方法まで確認して浴室へ
掲示された利用状況にも目を通します。加水の有無、加温、循環ろ過、消毒など、浴槽へ届くまでの扱い方も分析書と同じくらい重要です。源泉温度26℃台なら加温が必要になるのも納得。数字を一通り確認してから服を脱ぎ、浴室の扉を開けました。
洗い場を済ませて加温浴槽へ入ると、見た目は無色透明。ところが手を湯の中で動かすと、指先同士の摩擦が急に小さくなり、ローションを薄く延ばしたような湯ざわりが残りました。
- 湯けむりの中へ足を入れる
体を洗って露天へ出ると、夜気の中へ白い湯けむりが立ち上がっていました。敷石を進み、浴槽へ片足ずつ沈めます。湯色は無色透明。見た目だけなら派手さはありませんが、手で湯をすくったところから印象が変わりました。 - 指をこするとするりと滑る
湯の中で親指と人差し指をこすり合わせると、指先がするりと逃げます。水そのものに粘度があるというより、ローションを薄く延ばした場面を思い出すような、ぬるりとした湯ざわりです。分析書で見たpH9.7台の数字を思い出し、何度か手のひらを湯の中で往復させました。 - 加温浴槽は41度前後
浴槽のお湯は、私の体感では41℃前後。晩秋の外気にさらされた直後だったこともあり、肩まで沈むと温度差がはっきり伝わります。湯面には人の動きに合わせて細かな波紋が広がり、湯口の周囲では無色透明の湯が絶えず動いていました。 - 香りは前へ出すぎない
湯口付近では、ごく淡い香りを拾いました。ただし、浴室全体に強く広がるタイプではありません。湯色も透明で、香りも控えめ。視覚や嗅覚では静かな湯なのに、手を動かした瞬間だけ存在感が増す。その差が七沢の湯を記憶に残しました。
加温浴槽の次に向かったのは、露天に並ぶ壺型の源泉水風呂。26℃前後の源泉へ肩まで沈むと、冷たさの奥から加温浴槽とは別物のぬるりとした湯ざわりが直接伝わってきました。
- 露天の隅に並ぶ二つの壺
加温浴槽を出て向かったのは、露天の一角に置かれた壺型の水風呂です。大人ひとりが収まるほどの陶器の壺が二つ並び、無色澄明の源泉が縁からオーバーフローしました。ここでは26℃前後の源泉を加温せず、そのまま使っているとのことでした。 - 肩まで沈むと水があふれる
空いた壺へ片足を入れ、そのまま腰を落とします。肩まで沈んだ瞬間、「ザザッ」と音を立てて水が縁からあふれ、流れていきました。11月下旬の露天で26℃前後。最初の一瞬は冷たさが前へ出ますが、じっと座ると源泉の手触りへ意識が向きます。 - 加温前の湯ざわりを直に確認
壺の中で腕を動かすと、ここでも指先がぬるりと滑りました。むしろ加温浴槽とは条件が違うため、源泉そのものの手触りを確認しやすい場面です。湯口から流れ込む水、縁から続くオーバーフロー、その中へ肩まで沈んで分析書の「26.1℃」を直接たどりました。 - 加温浴槽との往復は三回
壺は一人用なので、混雑時には次の人の視線も入ります。独占するわけにはいきません。加温浴槽へ戻り、再び壺へ入り、その往復は3回で終了しました。熱い湯と26℃前後の源泉を交互に行き来すると、温度差と湯ざわりの違いが毎回はっきり伝わってきます。
浴室を出て服を着たあと、もう一度温泉分析書の前へ戻りました。入浴前には数字だったpHや源泉温度が、加温浴槽と壺風呂で触れた湯ざわりと結びつきます。
- 入浴後にもう一度分析書へ
体を拭いて服を着ると、そのまま出口へは向かわず、再び温泉分析書の前へ立ちました。入浴前に読んだpH9.7台、26.1℃という数字をもう一度追います。今度は加温浴槽の指先の滑り方と、壺風呂で触れた冷たい源泉の感触が頭の中に並びました。 - 源泉を使い分ける設備を見る
26℃台の源泉を加温した浴槽があり、その一方で源泉の温度を活かした壺風呂もあります。同じ源泉でも、温度と使い方が変われば体験は別物です。日々の温度管理、清掃、衛生管理を続けながら複数の浴槽を維持する施設関係者の仕事にも、自然と目が向きました。 - 湯を維持する裏側にも目を向ける
利用者側から見えるのは湯けむりや湯口、オーバーフローといった一場面だけです。その状態を毎日維持するには、浴槽や配管の清掃、設備点検など数多くの作業が続きます。源泉の個性を実際に体験できたことと合わせ、管理に携わる方々への感謝を残して脱衣所を出ました。 - 水分補給を済ませ西へ出発
ロビーへ移動して冷たい水を購入し、椅子へ座って水分補給。外へ出る頃には辺りは完全な夜です。駐車場までの道を歩き、車へ乗り込んでナビを静岡へ再設定しました。七沢から東名高速へ戻り、ヘッドライトの先へ続く道を再び西へ進みました。



山を歩き、アルカリの湯に触れ、里山の味を頬張る。
次の休みは、七沢温泉で「東丹沢の奥行き」をたどる旅に出かけませんか?
七沢温泉 – アクセスと基本情報
| 温泉地名 | 七沢温泉 |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県厚木市七沢 |
| 入浴施設 | 複数あり |
| 主な泉質 | アルカリ性単純温泉、温泉法上の温泉(メタケイ酸などによるもの) ※源泉によって泉質・成分が異なります。 pH:7.6~10.1程度 ※代表的な源泉ではpH9.8~10.1の高いアルカリ性を示すものがあります。 |
| お湯の特徴 | 七沢温泉には複数の源泉があり、代表的なものはpH9.8~10.1の高いアルカリ性を示します。 成分総量は比較的少なく、無色透明のすっきりとした見た目ながら、源泉によっては指先がするりと滑るような独特の湯ざわりを楽しめます。 |
| 香り | 七沢の代表的な源泉は無臭とされるものがあり、強い香りが前面に出る温泉ではありません。 施設や源泉、利用状況によって印象は異なりますが、香りよりも無色透明の湯色やアルカリ性の源泉ならではの湯ざわりに個性を見つけやすい温泉です。 |
| 雰囲気 | 東丹沢の山裾に旅館や日帰り入浴施設が点在し、大規模な温泉街とは異なる里山の景色が広がります。 周囲には木立や山々が迫り、本厚木方面からアクセスしやすい立地ながら、少し山へ入るだけで緑に囲まれた七沢らしい風景へ切り替わります。 |
| 楽しみ方 | 七沢森林公園や日向山周辺を歩いたあと、七沢温泉でアルカリ性の源泉を楽しむ組み合わせがおすすめです。 食事では厚木名物のとん漬や、季節によって猪料理など山里の味にも注目。 七沢周辺には老舗の酒蔵もあり、森林散策・温泉・地元グルメを組み合わせれば、東丹沢を一日かけて巡れます。 |
| ※源泉や施設によって記載と異なる場合があります。コンディションによって印象は変わる場合があります。 ※掲載している情報は訪問時のものです。最新の情報は公式サイト等で確認をお願いいたします。 | |
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温泉マニアあるある! – 七沢温泉レビュー編



マニアの人はこうなっちゃう…かも!?
- pH9.7台を見て、とりあえずニヤつく
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七沢温泉で温泉分析書を見つけたら、まず探してしまうのがpHの数字。「9.7台……ほほう」と、まだ服も脱いでいないのに妙に満足そうな顔になります。同行者が「早くお風呂行こうよ」と言っても、「待て、まず分析書だ」と動かない。七沢では入浴前からすでに湯めぐりが始まっています。
- 26.1℃を見て「ギリ超えた!」と喜ぶ
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源泉温度26.1℃。普通なら「ぬるい源泉なんだね」で終わるところ、マニアは25℃という数字を思い浮かべて「おおっ、温度基準を1.1℃超えた!」と謎の歓声を上げます。もちろん25℃未満でも成分によって温泉法上の温泉になる場合がありますが、それはそれ。ボーダーライン付近というだけで妙に盛り上がれるのです。
- 源泉水風呂を見つけると目つきが変わる
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加温された浴槽を楽しんでいたはずなのに、源泉そのままの水風呂を発見した瞬間、視線がそちらへ。「26℃前後……分析書の数字に近いぞ」と静かに移動します。壺風呂へ沈めば、縁から源泉がザバーッとオーバーフロー。加温浴槽とは違う温度で同じ源泉に触れられるとなれば、素通りできません。
- 湯口の前で指をスリスリし始める
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無色透明の湯を見ながら、「見た目はかなり静かだな」と思った次の瞬間、指先をスリスリ。「おお……滑る」。さらに手のひらまで確認し始めます。同行者から見れば、湯口の近くで手遊びをしているだけ。しかし本人は、七沢らしい高アルカリの湯ざわりを全力で観察中です。
- 無色透明だからこそ分析書を見たくなる
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派手な湯色も、大量の析出物も見当たらない。そんな湯に出会うと、逆に温泉分析書が気になって仕方ありません。「この透明な湯の中に何が入ってるんだ?」と成分欄へ直行。見た目がおとなしいほど数字を掘りたくなる。分析書まで含めて七沢の湯を楽しむのがマニア流です。
- カルシウムとマグネシウムの少なさに食いつく
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ナトリウム、カルシウム、マグネシウム……と陽イオン欄を追っていたら、CaとMgの少なさで急停止。「ほほう……かなり軟水側だな」と、なぜかドヤ顔です。友達が「それ、お風呂入る前に確認する必要ある?」と聞いても、「数字と湯ざわりを照合するんだよ」と返答。必要かどうかではありません。そこに分析書があるから読むのです。
- 陰イオン欄でメタケイ酸イオンを発見する
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いつものようにCl⁻、SO₄²⁻、HCO₃⁻……と眺めていたら、「メタケイ酸イオン46.4mg」の文字を発見。「お前、今日はそっちにいるのか!」と急に嬉しそうになります。普通の人には何が起きたのか分かりません。高アルカリの分析書では、成分そのものだけでなく「どの欄にいるのか」まで観察対象になるのです。
- 炭酸イオン40.0mgで分析書を二度見する
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成分総計はそれほど高くない。ところが陰イオン欄を見ると「炭酸イオン40.0mg/kg」。「……40?」と一度通過してから戻ってきます。pHの高い湯では炭酸イオンが目立つことがありますが、それでもこの数字を見ると気になるもの。入浴後、もう一度分析書を見に戻る理由がひとつ増えました。
- 風呂上がりに分析書へ戻って答え合わせする
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入浴前に読んだはずなのに、帰る前になぜか再び温泉分析書の前へ。「源泉水風呂はあの温度だったな」「湯ざわりはこうだったな」と、数字と実際の体験を勝手に答え合わせします。普通なら水分補給をして帰る時間。マニアは水分補給をしながら、頭の中でもう一度入浴しているのです。
- 炭酸イオン40.0mgで謎の称号を獲得する
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最後にもう一度、炭酸イオン40.0mg/kgを確認。「七沢……すげぇな」と満足そうにうなずきます。「この成分総計で炭酸イオン単独で40mgだぞ!」と、誰も聞いてないのに興奮気味に解説。そんな姿を見て、まわりからは”湯めぐりカーボン”とあだ名されてしまうのです。
※カーボネートと勘違いしてます



管理人いじりですね…
そう呼ばれるのも悪くない!









