阿賀野川の流れに沿って旅館が並び、硫黄の香りを帯びた湯が湧く咲花温泉。
湯口では透明に見える源泉が、浴槽では鮮やかなエメラルドグリーンを描くこともあります。
川景色、鉄道、舟下りまでが近い範囲に集まり、湯めぐりの前後にも景色が次々と切り替わる温泉地です。
- SLが目の前を通る阿賀野川沿いの温泉
蒸気機関車の汽笛が響き、黒煙を上げたSLが踏切を通過。温泉立地ならではの偶然の出会い。 - ロビーで眠る看板猫との出会い
丸くなって眠る看板猫。温泉に立ち寄る人々の癒しになっている、咲花温泉の顔。 - 源泉100%かけ流し、咲花温泉6号
加水・加温なし、毎分45リットルで掛け流し。分析書から読み取れる、源泉の実態。 - 透明な源泉がエメラルドグリーンに
湯口では透明、浴槽では翠色。同じ湯とは思えない色の変化と、硫黄香との関係。 - 源泉が設備に与える影響と管理
硫黄成分が高いため、カランやシャワーは傷みやすい。源泉を守る裏側の工夫。
咲花温泉ってどんなところ? | 4コマ漫画で体験してみる
ゆめにゃん猫は入れないからフィクションにゃ…


咲花温泉 体験記
11月上旬の休日、新潟市内から阿賀野川沿いの咲花温泉へ車を走らせました。
偶然目の前を通過した蒸気機関車、ロビーで眠る看板猫、そして浴室いっぱいに漂う硫黄の香り。
鮮やかなエメラルドグリーンの湯に入り、帰り際には源泉を維持する設備管理の話まで伺った、密度の濃い日帰り入浴になりました。
看板猫を目当てに選んだ一軒の宿。その途中、咲花駅周辺でカメラを構える人々を見かけました。ほどなく山あいへ汽笛が響き、黒煙を上げた蒸気機関車が目の前を通過。予定していなかった出来事から咲花での時間が始まりました。
- 看板猫を目当てに咲花へ
咲花温泉には湯を評価する声の多い宿がいくつもあり、どこへ立ち寄るか迷いました。最後に目に留まったのが「看板猫がいる」という口コミです。事前に電話を入れ、11時頃の日帰り入浴が可能か確認。新潟市内の宿を午前9時頃に出発し、阿賀野川沿いを目指しました。 - 咲花駅前に並ぶカメラ
予定時刻には少し早く着いたため、車を停めて咲花駅周辺を歩きました。駅の近くには、大きな望遠レンズを付けたカメラを抱える人が数人。何を待っているのか分からないまま、川沿いと温泉街を行ったり来たりしながら時間を過ごしました。 - 山あいに響いた汽笛
10時40分頃、山の方向から低い汽笛が響きました。線路の先を見ると、黒い煙を噴き上げながら蒸気機関車が接近。そこで初めて、駅付近に集まっていた人々がこの列車を待っていたことを知ります。こちらは存在すら知らず、突然の遭遇でした。 - 踏切前を通過する黒い車体
一水荘さん付近の踏切手前で足を止めると、巨大な車体がすぐ目の前を通過しました。黒煙の匂いが漂い、車輪の音と振動が地面から伝わってきます。鉄道目的の旅ではありませんでしたが、通り過ぎるまでその場から目を離せませんでした。
11時前に碧水荘さんへ入り、まず出会ったのはロビーで眠る看板猫。その先の脱衣所では、咲花温泉6号の温泉分析書と利用表示を確認しました。源泉100%かけ流し、加水・加温なしという記載を追ううち、浴室へ入る前から足が止まりました。
- ロビーでは猫様がお昼寝中
玄関からロビーへ入ると、看板猫が丸くなって眠っていました。こちらが近づいても目を開けず、前足をそろえたまま熟睡中です。起こさないよう距離を取り、その横を静かに通過。猫様との時間は後に取っておき、まずは館内奥の浴場へ向かいました。 - 脱衣所で分析書を熟読
服を脱ぐ前に壁へ目を向けると、温泉分析書と利用状況の掲示が並んでいました。源泉名は咲花温泉6号。泉質は「含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉」です。源泉温度48.3℃の記載も確認し、しばらくその場で数字を追いました。 - 源泉100%と湯量を確認
利用表示には加水なし、加温なし、循環装置なし、源泉かけ流し100%と記載。毎分45リットルの新湯を3つの浴槽へ分け、浴槽の温度は投入する湯量で調節するとあります。入替は毎日、入浴剤と消毒剤も使用なし。浴室へ向かう前から情報量が多い掲示でした。 - 硫黄成分の数字を追う
成分表では溶存物質が1キログラムあたり1,022ミリグラム。硫化水素イオン20.5ミリグラム、チオ硫酸イオン7.6ミリグラム、遊離硫化水素3.7ミリグラムなどの数字が並びます。pHの数値は現地で確認できなかったため、今回の記録では記載しないことにしました。
ガラス戸を開けた瞬間、ゆで卵を連想する硫黄の香りが広がりました。大きな窓の向こうには阿賀野川。その手前には鮮やかな緑色の浴槽があります。湯口では透明に見える源泉と浴槽の湯色との差を、目の前で見比べることになりました。
- 扉の向こうから硫黄の香り
脱衣所から浴室へ続く戸を開けると、最初に届いたのは明瞭な硫黄の匂いでした。正面には阿賀野川を望む大きな窓。その手前の浴槽には鮮やかなエメラルドグリーンの湯が張られ、湯面から白い湯けむりがゆっくり立ち上っています。 - カランからも硫黄の匂い
洗い場でカランとシャワーを使うと、そこから出る湯にも硫黄の香りがありました。手のひらで受けると、指の間を滑るようなとろとろした湯ざわりです。浴槽だけでなく、身体を流す段階から咲花の源泉に触れる設計になっていました。 - 透明な湯口と緑色の浴槽
掛け湯をして浴槽へ入る前に、まず湯口を観察しました。注がれている湯は透明に見えます。それが浴槽全体では鮮やかな翠色。湯口から落ちる流れと、その先に広がる緑色の波紋を交互に眺め、同じ湯とは思えない色の差を何度も確認しました。 - 二つの浴槽で異なる湯温
浴槽は中央で二つに分かれていました。湯口に近い側は少し高め、仕切りを越えて湯が流れる側はそこからわずかに温度が下がります。湯底では細かな湯の花が舞い、縁からあふれた湯は途切れず床へ流れていました。
湯温は私には少し高め。そこで湯船へ入り続けるのではなく、洗い場へ出て休み、再び湯へ戻る動作を3回ほど繰り返しました。目の前には阿賀野川と対岸の山並み。浴室内にいながら、川沿いの立地をそのまま眺められます。
- 大きな窓いっぱいの阿賀野川
湯船に入り、正面へ視線を移すと窓の向こういっぱいに阿賀野川が広がります。水面には秋の日差しが反射し、対岸には色づき始めた山々。室内浴場だけの造りですが、窓越しの川景色が大きいため、湯船から何度も外へ目が向きました。 - 入浴と休憩を三度ほど反復
湯口側は私には高めの温度でした。しばらく浸かったところで湯から出て、洗い場で座って休憩。汗が落ち着いたところで再び湯船へ戻ります。この動きを3回ほど繰り返し、温度差のある二つの浴槽も行き来しながら過ごしました。 - オーバーフローを眺める
浴槽の縁からは絶えず湯があふれています。湯口から注がれた透明な湯が緑色の浴槽へ入り、波紋を広げ、そのまま床へ流れて排水口へ向かう。その流れを眺めていると、掲示で読んだ「源泉かけ流し100%」という文字が目の前の光景とつながりました。 - 湯上がりはまず水分補給
脱衣所で服を着た後、浴室前の自動販売機で水を購入しました。冷たい水を飲みながらベンチに座り、しばらく休憩。鼻を近づけると指先にはまだ硫黄の匂いが残っています。浴室を出ても咲花の香りがしばらく続いていました。
ロビーへ戻ると、看板猫は少し場所を変えただけで再び眠っていました。帰り際、宿の方から源泉による設備への影響について伺います。カランやシャワーの交換も多いとの話を聞き、目の前の湯を維持する裏側まで知る立ち寄りになりました。
- 猫様は場所を変えて熟睡中
ロビーへ戻ると、看板猫は先ほどとは少し位置を変え、まだ眠っていました。近くへ座り、起こさない距離からしばらく眺めます。SLが通り過ぎ、こちらが湯へ入り、分析書を読み込んでいる間も、猫様はほぼ睡眠時間だったようです。 - 設備交換の話を伺う
帰り際に宿の方と少し話す機会がありました。咲花の源泉は設備への影響が大きく、カランやシャワーなどは傷みやすいため交換する機会も多いとのこと。浴室では何気なく使っていた設備にも、日々の管理作業が伴っていることを知りました。 - 湯量だけで温度を調節
利用表示では加水も加温も行わず、投入する湯量によって浴槽温度を調節すると記されていました。実際に二つの浴槽には温度差があり、湯は途切れずオーバーフローしています。帰り際の話まで聞くと、この状態を保つ作業の細かさが具体的に浮かびました。 - 阿賀の里から福島方面へ
宿を出た後は「道の駅 阿賀の里」へ移動しました。昼食におにぎりを選ぶと、ふっくらした米粒と海苔の香ばしさが口の中に広がります。売店を歩いた後、阿賀野川を進む遊覧船を眺めて車へ。窓から冷たい秋風を入れ、次の目的地となる福島方面へ向かいました。



翡翠の湯に浸かり、川風に吹かれ、汽笛の音に耳を澄ます。
次の休みは、咲花温泉で阿賀野川の恵みを肌で確かめる旅に出かけませんか?
咲花温泉 – アクセスと基本情報
| 温泉地名 | 咲花温泉 |
|---|---|
| 所在地 | 新潟県五泉市佐取 |
| 入浴施設 | 複数あり |
| 主な泉質 | 含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉(弱アルカリ性・低張性・高温泉) ※源泉や分析時期によって泉質表記が異なる場合があります。 pH:弱アルカリ性(資料によって数値に差が見られる) |
| お湯の特徴 | 湧出直後は透明に近い源泉が、空気との触れ方や温度などによってエメラルドグリーンや青磁色、乳白色などへ変化するのが特徴。 同じ温泉地でも日や浴槽によって異なる湯色を見せ、源泉掛け流しを楽しめる浴槽もあります。 |
| 香り | 硫黄泉らしい香りも咲花温泉の大きな個性です。 源泉には硫化水素イオンや遊離硫化水素などが含まれる分析例があり、湯口や浴槽周辺ではゆで卵を連想する硫黄系の香りが漂うことも。 香りの強さは施設や浴槽、湯の状態によって異なります。 |
| 雰囲気 | 雄大な阿賀野川のほとりに旅館が集まる、コンパクトな温泉地です。 川の向こうには山並みが広がり、すぐ近くをJR磐越西線が走ります。 大規模な歓楽街とは異なり、川景色や鉄道、季節ごとに表情を変える山々を眺めながら滞在できます。 |
| 楽しみ方 | まずは宿ごとに異なる浴槽や湯色を観察しながら、咲花温泉の硫黄泉をじっくり楽しみたいところ。 入浴後は阿賀野川沿いを散策し、五泉産の里芋や新潟県産米など地域の味覚へ。 運転日にはSLばんえつ物語、周辺では阿賀野川ライン舟下りなどもあり、温泉・鉄道・川景色・グルメを組み合わせた旅を楽しめます。 |
| ※源泉や施設によって記載と異なる場合があります。コンディションによって印象は変わる場合があります。 ※掲載している情報は訪問時のものです。最新の情報は公式サイト等で確認をお願いいたします。 | |
- エメラルドグリーンの湯
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咲花温泉を象徴するのが、鮮やかなエメラルドグリーンを見せる湯色です。源泉は透明に近くても、温度や空気との接触などの条件によって青緑色や乳白色へ変化し、その時々で異なる色彩を観察できます。
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咲花温泉では、硫黄成分を含む個性的な源泉が利用されています。硫黄系の香りに加え、塩化物や硫酸塩などを含む分析例もあり、温泉分析書を眺めながら成分構成や各施設の湯使いを比べるのも楽しみ方のひとつです。
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コンパクトな温泉地に複数の宿が集まる咲花温泉では、日帰り入浴を利用した湯めぐりも魅力です。同じ温泉地でも浴槽の造りや湯温、湯色、源泉の扱い方には違いがあり、それぞれを見比べながら巡る楽しさがあります。
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温泉マニアあるある! – 咲花温泉編



マニアの人はこうなっちゃう…かも!?
- エメラルドグリーンを見た瞬間、語彙力を失う
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浴室へ入った瞬間、目の前に広がる鮮やかな湯色。「おお……緑……すげぇ……」と、普段は泉質名をスラスラ語る人ほど急に語彙力が消えます。同行者が「もっと何かないの?」と聞いても、「いや、見ればわかるって!」。分析より先に色で黙らされるのが咲花温泉です。
- 湯口と浴槽を交互に見て混乱する
-
湯口を見ると「あれ?透明じゃん」。ところが視線を浴槽へ移すとエメラルドグリーン。「同じお湯だよな……?」と湯口→浴槽→湯口→浴槽を何度も確認します。空気との触れ方や温度などで湯色が変化すると知っていても、目の前で見ると確認作業が止まりません。
- 今日の湯色を勝手に命名する
-
咲花の湯は、条件によってエメラルドグリーンや青磁色、乳白色などさまざまな表情を見せます。すると「今日は青磁寄りだな」「いや、エメラルド強めだ」と勝手に色彩判定会が開幕。同行者からすれば全部「緑のお湯」でも、本人にとっては重大な違いなのです。
- 硫黄の香りを嗅いだ瞬間にニヤける
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浴室の扉を開けて硫黄系の香りが漂ってくると、無言で口角が上がります。そして湯口付近でもう一度クンクン。「浴槽よりこっちの方が明瞭だな……」などと香りの分布まで確認開始。同行者から「何を調査してるの?」と聞かれて初めて、自分の行動に気づきます。
- 温泉分析書の前だけ滞在時間がおかしい
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脱衣所に分析書を発見すると、服を脱ぐ前に足が止まります。「含硫黄……Na、Ca……塩化物、硫酸塩……ほほう」。さらに加水・加温・循環・新湯量まで確認し始め、気づけば数分経過。浴槽はすぐそこなのに、なかなか浴室へたどり着けません。
- オーバーフローを見るとドヤ顔になる
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浴槽の縁からお湯が絶えず流れ出しているのを発見すると、「ほら、ここ見て」と同行者を呼びます。「何?」と聞かれれば、「このオーバーフローですよ」となぜかドヤ顔。相手には単にお湯が床へ流れているだけでも、本人は湯口から排水までの流れを満足そうに追っています。
- 宿ごとの湯色を全部確認したくなる
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一軒でエメラルドグリーンを見れば満足……とはなりません。「別の宿では何色なんだろう?」という新たな疑問が発生します。同じ咲花温泉でも浴槽や温度などによって表情が違うと聞けば、もう次の浴場が気になって仕方ない。こうして予定になかった湯めぐりが始まります。
- 阿賀野川を見ながら温泉の話しかしない
-
目の前には雄大な阿賀野川。普通なら「川きれいだね」で終わるところを、「この景色で硫黄泉って反則だろ……」と結局お湯の話へ戻ります。川、山、鉄道という景観を眺めていたはずなのに、数分後には「ところで6号井なんだけどさ」と分析書の話を再開しています。
- SLが来ても温泉とセットで記憶する
-
汽笛が響き、黒煙を上げたSLが阿賀野川沿いを走れば、鉄道に詳しくなくても立ち止まります。「SLまで走ってるのか!」と興奮した直後、「硫黄泉にSL……濃いな、この温泉地」と謎の総合評価を開始。咲花では鉄道まで湯めぐりの思い出に組み込まれ、まわりからは”湯めぐり機関車”とあだ名されてしまうのです。



管理人いじりですね…
そう呼ばれるのも悪くない!









